表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新宿  作者: 竹仲法順
880/1001

第880話

     880

 2017年8月8日午前8時1分。会議が終わり、席を立って、会議室を出た。そして一課のフロアへと歩き出す。自分のデスクに着き、紙の資料の束を置いて、軽く整理整頓してから、フロアを後にした。時間はない。今日も通常通り仕事だ。

 午前8時8分。警視庁の駐車場から車に乗り込み、エンジンを掛けて、アクセルを踏み込む。通りに出し、新宿方向へと向かった。無理なことをたくさんしている。この仕事はきつい。だが、慌てずに一つずつこなしていく。そういった強さはあった。昔からそうだ。歌舞伎町交番にいた頃は、いろんな仕事を朝から晩までこなしていた。その時の経験が十分活きている。

 もちろん、食事や休憩を取らないと、やれる仕事もやれない。ずっとそうだった。地獄を感じることもある。常にいろんなことに追われ続けていた。ただ、マイペースを崩さない。人間はやれることが限られているのだ。肉体も絶えず消耗する。

 午前8時32分。新宿の街に着き、いつも車を停める駐車場に駐車した。そして中枢部へと歩いていく。繁華街やオフィス街は入り組んでいる。慣れはあった。昼間はずっとこの街にいるからだ。新宿自体、刺激が強い。街に接していて、いろいろあった。負の感情やストレスもたくさんある。

 夏場の外勤は地獄だ。暇なく動く。おそらく、日常レベルでも相当な数の捜査員が散らばっているだろう。個々の警察官のことまでは知らない。また知っていても、個人的な付き合いなどはないのだ。ただ、ずっと動き続けていた。暗黙裡に上層部は命令を出している。月井たちヒラの刑事に対して……。

 無理が利かなくなってきているのは感じる。ある意味、必然だ。思う。いずれ部署替えなどがあるだろうと。その時は、素直に応じないといけない。一公僕として……。

 午前8時42分。ビル街は、朝の通勤客で混雑している。見送りながら、いろいろ感じていた。今のハードな仕事がいつまで続くのだろう?複雑な心境でいる。同じことが持続するわけじゃないのだから……。(以下次号)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ