第827話
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2017年8月4日午前6時27分。食堂に着き、券売機で定食とアイスコーヒーの食券を買った。そしてカウンター越しに差し出す。食事が届くのをじっと待った。疲れはある。肉体もメンタル面もだいぶ疲労していた。短眠で、夜休まってないのもある。いつも思う。早くこの夏の暑さも終わってほしいと。暑気は、着実に睡眠の質を下げるのだ。地獄のような状態がずっと続いていた。もちろん、天候などの自然現象は避けられないのだが……。
スマホをネットに繋ぎ、ニュースを読む。別に変わったことはなかった。日々いろんな報道があるのだが、気にし過ぎない。どんな苦境も、いずれ必ず去っていく。警察官も事件などがあれば、すぐに出動するのだが、周りの状態に惑わされない。賢明なのだった。任された仕事をずっとこなしながらも……。
午前6時45分。テーブルに食事が届き、箸を付けて食べ始めた。定食に付いている味噌汁を啜る。元気の素だ。普段から外食ばかりなので、栄養状態には極力気を付けていた。昔から、何かと慎重なのである。偏りそうな時は、バランスを考える。毎日、同じようなものばかり食べているから、尚更そうだ。
スマホは脇に置いていて、いつでも取れるようにしている。まるで働き蜂だ。何かあった場合、いつでも臨場などの準備が出来ていた。警察官は体を壊しやすい。昔からそうだ。月井もいろんなデカを知っていた。難しい仕事だと、十分分かっているのだし……。
午前7時11分。食事を取り終えて、席を立ち、トレイなどを返す。そして歩き始めた。廊下を歩くと、夜勤の刑事たちが多数いる。皆、勤務が終わってからで、きつそうだった。何せ、夏の都内は地獄だからである。月井もだいぶ無理しているのが分かっていた。もちろん、仕事が続けば、休憩すらろくに取れないこともある。いろいろと複雑な事情もあって……。(以下次号)




