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新宿  作者: 竹仲法順
811/1001

第811話

     811

 2017年8月2日午後6時15分。一課の刑事たちは、いろんな意見を言い合っている。月井はそれらを順を追ってタブレットに記録していった。腕は痛い。腱鞘炎の症状もある。いろんな思惑が絡んでいた。ある意味、綺麗事じゃ済まされない。常にそう思っていた。もちろん、難しい事情もある。デカ同士、牽制し合うことも多々あった。別に、表立ってということじゃないのだけれど……。

 だが、月井もいずれ内勤などに回されるだろう。それを待ち望んでいた。今の仕事は辛すぎる。夏の暑い時季や、冬の冷え込む時に屋外に居続ければ、体を壊す。十分分かっていることだった。それに、別に屋内勤務でも構わないのである。そう思っていた。警察官は、何かと肉体を使う仕事が多いのだが……。

 午後6時32分。やっと会議が終わり、タブレットを閉じて席を立つ。会議室を出て、歩き出した。疲労は絶えない。限度というものがあった。実際、限界を超えているのである。今の仕事を長く続けることはない。どっちにしても、先が見えたことだった。十分なぐらいに。

 午後6時38分。一課にある自分のデスクの上に、会議で配布された紙の資料を置き、軽く整理整頓する。そしてそれを終えると、フロアを出て、歩き出す。疲れていた。疲労が滲む。休む時間が必要だ。夜の帳が降りてくると、尚更そう思うのである。住んでいる新宿は、まるで眠らない街なのだが……。

 午後6時45分。警視庁を出て、駐車場へと向かう。車に乗り込み、エンジンを掛けた。そしてアクセルを踏み込み、走らせる。暑さはずっと続いていた。夏の過酷な夜気が肌にまとわりつく。とにかく休みたいと思っていた。もちろん、夕食を食べて、冷水で汗を洗い流してからだ。とんでもない時間、拘束されている。まるで無理なことばかりで……。(以下次号)


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