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新宿  作者: 竹仲法順
802/1001

第802話

     802

 2017年8月2日午前5時29分。駐車場から車に乗り込み、エンジンを掛けて、アクセルを踏み込む。そしてハンドルを切り、通りへと出した。早朝の新宿は静かだ。住宅街を走行する。幾分疲労はあった。何せ、辺りは一際蒸し暑い。8月一杯までは、こんな感じだろう。だが、思う。頑張ろうと。

 滲み出てくる汗をタオルで拭い取る。別にそう気に掛けてない。ハンドルを握りながら、じっと前方を見据える。月井も単なる警察の一要員だ。組織にはいくらでも人間がいる。欠けても困ることはないのだろうが、人員としている以上、しっかりと職責を果たすつもりでいた。

 午前6時1分。千代田区へと入り、走り続ける。コーヒーのカフェインで眠気はないのだが、7時間半の睡眠じゃ足りないと思うことも稀にあった。昔、歌舞伎町交番勤務時代は睡眠のリズムが滅茶苦茶だったのだが、今は少し改善されている。ある意味、決まった時間に休息を取れることがいい。常に感じる。自分にも、若干の睡眠負債があるなと。

 午前6時22分。警視庁に着き、車を停めて、建物へと歩く。今から食事だ。食堂には誰もいないと思う。いつも単身でいたから、身軽だ。普段から仕事漬けで疲れている。食事時はゆっくり出来るからいい。午前7時半からの会議に間に合うように行かないといけないから、あまり長くはいられないのだけれど……。

 午前6時半。食堂で定食とアイスコーヒーの食券を買い求めて、カウンター越しに差し出す。そして食事が届くのを待ち続けた。いつも肉体はだいぶ酷使している。反動が来ないか、心配だった。それに健康面でもいろいろある。本庁にも職場での健診などがあるのだし、過去の血液検査などで異常値が出たこともあった。もちろん、月井も健康には十分気を付ける。40を回って、ガタが着たと感じることもあったのだし……。(以下次号)


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