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新宿  作者: 竹仲法順
770/1001

第770話

     770

 2017年7月30日午前11時33分。買っていた未読の本を開いて読み始めた。月井も暇さえあれば、ネットニュースだけじゃなくて、いろんなものに目を通す。警察官も情報などを仕入れるのに必死なのだ。様々なものが刑事を活かしている。特に月井はサスペンス小説ばかりじゃなくて、他ジャンルの本も読む。当たり前に勉強するのだった。怠けない。日中は頭脳が活発に動いているのだし……。

 元々人間関係に関しては、一通りしかしてなかった。ずっと単独行動を敢行している。複数名での行動が苦手だ。デカは単独行動厳禁なのだが、それを平気で破っていた。別にいいのである。上だって何も言ってこない。新宿など、何があるか分からない場所でも、独りで動き回る。

 繁華街は、確かに昼間でも危険だ。昔習った逮捕術などが使えない場合もある。武器を持ってないから、難しい側面もあった。武器を携帯していても、どんな事態が巻き起こるか、まるで予測不可能である。ただ、今更行動パターンを変えることは出来ない。思う。とにかく気を付けようと。

 本を読むと、いろんなことが得られる。普段はニュースばかりなのだが、たまには同じ活字でも書籍がいい。歌舞伎町交番勤務時代は、空き時間に頻繁に読書していた。頭を使うことに慣れているのだ。それだけでも、十分ストレスの軽減になるのである。警察官は体力仕事なのだが、日常的にいろんなものを溜め込みやすい。やはり活字がいいのだ。

 いずれ今の仕事場から、警視庁内などへ異動となるだろう。怖くない。そういった時が来るのを十分予期出来ていた。新宿を張り込むのは、実際きつい仕事だ。ずっと続くわけがない。異動など、慣れていた。警察官は通達一つであちこちへと向かわされる。極めて当たり前のことだった。備えが必要だ。心の準備だけでも。

 午後零時45分。読みかけの本を閉じてテーブルに置き、ベッドに潜り込んで休む。基本的にマイペースだから、安全だ。昔からそうなのである。無理せずに、疲れたら休憩を取るのだった。何もきつい状態がずっと続くわけじゃないのだし……。(以下次号)


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