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新宿  作者: 竹仲法順
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第726話

     726

 2017年7月26日午後6時16分。会議室での会議は続く。月井も基本的に忍耐強かった。昔からそうなのだ。苦しい状況にもよく耐えている。ある意味、以前の苦労がそうさせていた。人間は生きていく上で、忍苦の精神が必要である。当たり前といえば、当たり前のことなのだが……。実際、苦しさに耐えた人がいい人生を送っているのだし……。

 午後6時32分。会議が終わり、席を立って会議室を出る。そして一課のフロアへと歩き出した。自分のデスクの上をざっと片付ける。片付け終わってカバンを持ち、フロアを出、階下へと歩き出す。いろいろと思っていた。とにかく忍耐の二文字が最優先だと。

 駐車場へと出て、車のドアロックを解除し、乗り込む。そしてエンジンを掛け、アクセルを踏み込み、走らせた。運転しながら思う。腹が減ったと。今夜も自炊して済ませるつもりでいた。昔から贅沢などを一番嫌っている。倹しいということを、一番認識していた。ずっと前からそうなのだ。特に食に関しては、絶対に金を掛けない。それが徹底していた。

 午後7時1分。千代田から新宿へと出て、自宅近くの住宅街を走行する。辺り一帯はマンションばかりだ。この街で暮らし始めて長い。ずっといろんな苦労があった。やっと慣れたのである。人間は長い年月を生き抜いていくのに、いろんな努力が必要だ。そう思って日々やっていた。決して刹那で生きることなく……。

 ハンドルを握りながら、運転する。もうすぐ自宅マンションに着くのだ。ゆっくりと焦らずに行く。辺りは一際蒸し暑い。今夜も果たして、快適に睡眠が取れるだろうか?そんなことを思いながら……。

 7月下旬の夜空は輝いていた。自宅に着き、車を降りて見上げると、夏の星座が燦然と浮かんでいる。普段は見ることのないものを見ながら、一息つく。今日も仕事は終わったと思いながら……。(以下次号)


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