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新宿  作者: 竹仲法順
712/1001

第712話

     712

 2017年7月25日午後午後6時18分。会議は続いていた。月井もタブレットで記録を録っている。長時間拘束にも、すっかり慣れてしまっていた。普段は過酷な環境で勤務しているのだし、夏などはエアコンが利いている部屋に返って違和感を覚えてしまう。

 会議中は会議室自体、警察官しか、出入りがない。密室で警官たちが、都合のいい話をし合う。常日頃からこういった状況を、実に難しいなと感じていた。発言自体、会議録などには残っていても、一際曖昧な感じだ。一課のデカたちの話は、ほぼ途切れることなく続く。それに両角一課長や田川理事官など、幹部が一人として出席していない。尚更、難儀な状態となるのだ。

 午後6時半過ぎには会議が終わった。タブレットを持ち、席を立って一課へと向かう。デスクの上は幾分散らかっていた。軽く片付けをして、カバンを持ち、フロアを出る。いつも通りに勤務が終わった。だいぶ疲れている。元々、体は頑丈な方じゃない。だが、新宿担当である以上、昼間はしっかりと気を張っているのだ。

 それにしても、警察の2億の裏金疑惑は一体どうなったのか?それを気にしていた。確かに証拠となる関係書類一式などは、とうに破棄されているだろう。とんでもないことになるかもしれない。そう思っていた。特にマスコミが嗅ぎ付けてくるとまずい。ブンヤは何でも記事にするからだ。絶えず警戒していた。危ないことになるんじゃないかと思っていて……。

 警視庁にも記者クラブがあり、公式の発言はそこからなされる。いつもは両角が一課長として、定例会見などをするのだ。だが、今現在は雲隠れ中である。どうやら重松刑事部長も、不在扱いのようだった。本庁の一警察官として、いろいろと不安がある。まあ、今の心配事も無駄なことなのかもしれないが……。

 午後6時42分。駐車場を出て、自宅マンションへと向かう。だいぶ空腹を覚えていた。疲れているのだし……。(以下次号)


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