第628話
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2017年7月19日午後6時32分。会議が終わり、席を立って、一課のフロアへと歩き出す。尋常じゃないぐらい、疲れ切っていた。紙の資料を自分のデスクの上に置き、カバンを持ってフロアを出る。そして階下へと降りていき、本部庁舎を出た。車のドアロックを解除して、乗り込む。エンジンを掛けて、アクセルを踏み込み、走らせた。午後6時40分には千代田のビル街の路上を走行する。
さすがにこうも仕事が続くと、疲労が出てくる。参りそうなことも多々あった。休みが欲しい。そう思う。ずっと頑張っているのだし、南雲のクリニックで相談したいこともあった。
午後6時57分。新宿の住宅街を走りながら、自宅マンションへと向かう。空腹を覚えていた。6時間もの間、水分以外、胃に何も入れないと辛い。ハンドルを握りながら、前を見据えていた。じっと。
昔から、月井自体、ハードワークを散々こなしてきている。経験による慣れがだいぶあった。今でも違和感を覚えることがたまにある。でも、大体において平気だった。
歌舞伎町交番勤務から一課に転身し、いろんな難事を抱えたこともある。ただ、難しいことがあっても、根気よくやっていた。警官に必要なのは、実際のところ忍耐力だ。少なくとも、新宿を仕事場にするデカは、皆そうである。いろんな悪を具に見るのだし……。
午後7時12分。自宅に帰り着き、駐車場に車を停めて、部屋へと歩き出す。これからゆっくりするのだ。食事は冷蔵庫にある食材ですぐに作れる。食べないと、眠れない。慢性的な神経性の不眠があった。やはりドクターに相談した方がいいだろう。いずれまた、南雲に会いに行くつもりでいた。掛かり付け医なのだし……。(以下次号)




