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新宿  作者: 竹仲法順
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第594話

     594

 2017年7月17日午前7時5分。一課のフロアに入っていき、自分のデスクに座った。パソコンを立ち上げて、ネットに繋ぎ、データベースの入り口でパスワードを入力する。様々な警察内情報が錯綜するサイトを常に見ているのだが、実際、いろんな代物で溢れ返っていた。

 一口にデスクワークと言っても、月井に任されていることはほとんどない。ずっと外勤だから、パソコンで作るとしたら、時折求められる報告書の類程度である。内勤のデカたちは、中でいろいろとあるのだろう。月井も警察官になり、まず任された交番勤務の時は、様々な書類を旧型のパソコンで作っていたのを覚えている。約20年前のマシーンは図体だけがやたら大きくて、すぐにフリーズするから、使い勝手が悪かった。1990年代の終わり頃で、随分昔である。当時の新宿も今と変わらず、オフィス街と歓楽街が併存する場所で、早朝や夜間の見回りなどが大変だった。

 ただ、当時は凶悪事件などが今より少なくて、社会全体は平和だったように思う。現代は極めて不安定だから、街の治安なども自ずとそうなってくるのだ。警察官にとって、仕事が増える。殺人事件の件数なども増加してきつつあった。本来なら、有り得ないようなことが巻き起こっている。

 午前7時26分。もうすぐ会議だ。サイトを見ながら、ふっと思う。岡田徹・高木梨帆連続殺害事件は、志村浩の逮捕・起訴で終結したのだろうかと。あのヤマに関することは警視庁のデカもほとんど触れない。それに、今は本庁の2億の裏金疑惑もひとまず収束している。厄介事など、ないに越したことはない。

 午前7時半になり、会議室に一課の刑事たちが集まる。各々作成した紙の資料を配布し、会議が始まった。点呼を兼ねているから、各人出席する。両角一課長や田川管理官など、幹部たちは来てない。一体、何を考えているのだろうか?裏金の一件が収まっても、まだ出てこれない理由でもあるのか?一課はデカが頭数揃っていても、何かと不安定なままで来ている。資料にサッと目を通し、タブレットで会議の記録を取っていく。仕事は続いていた。休む間もなく。(以下次号)


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