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新宿  作者: 竹仲法順
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第589話

     589

 2017年7月16日午後5時45分。一課に着き、自分のデスクに座った。そしてパソコンを立ち上げ、ネットに繋ぐ。パスワードを入力して、エンターキーを押し、データベースを見始めた。いろんな情報が錯綜する。月井も難しいものを感じていた。警察内では様々な思惑がある。当然、ガセネタの類もあるだろう。暗い闇の中にいるようなものだ。常にそう思う。

 警視庁職員も一枚岩じゃないのである。月井もその事実を感じることがあった。ただ、こういった手探りのような状態にも慣れてしまっている。常に真正面を見据えていた。デカも大変な仕事だ。肉体的にも、精神的にも負荷が掛かる。まあ、任された仕事は当たり前に続くのだけれど……。

 時折休みたかった。もちろん、まとまった休暇を取れるほど、自分たちの仕事は甘くない。その認識は強くあった。限界のようなものを感じることもあるのだ。どうしようもなく、くたびれてしまって。

 ただ、いずれデカとしての仕事は終わる。踏ん張りどころだと思っていた。新宿を見張るという過酷なことから解放されたら、自分が一体どうなるか分からないのだが……。もちろん、先のことだから、考えても仕方ない。そう思っていた。

 それに月井も交番勤務時代から、警察官としてのメンタル面での筋トレをしてきている。ちょっとやそっとのことじゃ負けない。自分にも、本庁の一課の刑事としてのプライドがあった。実際、警視庁は昔からある精鋭部隊だ。そこの一員として立つ力は十分あった。

 午後6時になり、会議室で一課のデカたちが集まって会議が開かれる。月井もデスクから立ち上がり、タブレットを持って参会した。疲れはある。むしろ、精神面での疲労だ。会議室には一課の刑事たちが集まっている。両角たち幹部はいない。異様な代物だった。上層部が出席しない会議ほど、月井たち下の人間に違和感を抱かせるものはない。その状態が続いて長いのだが……。(以下次号)


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