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新宿  作者: 竹仲法順
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第545話

     545

 2017年7月12日午後7時20分。鍵を開けて部屋へと入り、スーツから部屋着に着替える。そして冷蔵庫の中にある食材で食事を作った。チャーハンや冷製中華スープなどを拵えて食べる。疲れていても、食事時は気分がいい。ずっと警察官の仕事をしていて、勤務を休むことがないから、夜間は気を抜き、ゆっくりする。

 午後8時1分。食事を取り終えて入浴した。冷水シャワーを浴びて、体の汗や脂を洗い流す。髪にシャンプーし、全身も万遍なく洗う。洗顔して、最後に冷水をまた浴び、タオルで体を拭いた。

 午後8時25分。眠気が差してきて、睡眠導入剤を規定量服用し、タブレットやスマホを充電器に繋いだ。ベッドに潜り込み、眠る。すぐに眠りに就いた。7時間から8時間睡眠を取れれば、十分だ。

 神経をだいぶやられている。特に昼間危険な場所を張っているから、尚更だ。なるだけ怖いものを見たくない。夢に出ることがあるからである。それに夜はゆっくり眠りたい。安眠が妨害されることほど、嫌なものはない。常にそう思っていた。まあ、新宿区などは。住宅街でも夜間や明け方などは一際騒がしいのだが……。

 日付が一つ変わり、2017年7月13日の午前4時半に目が覚めた。ちょうど8時間眠れたことになる。起き出し、上下ともスーツに着替えた。キッチンでアイスコーヒーを一杯淹れて飲む。

 疲労は取れていた。夏の朝で一際蒸し暑い。出勤準備をし、スマホでニュースなどを見る。警視庁関係の重大な報道は特にない。月井が知りたいのは、志村浩や堀田正臣など、自分が関係していた事件の犯人のその後だ。まあ、今は知らなくとも、裁判などが始まれば、自然と知るようになるのだけれど……。

 午前5時32分。自宅マンションを出て、車に乗り込む。眠気はコーヒーのカフェインで取れていた。エンジンを掛けて、アクセルを踏み込み、ハンドルを切る。運転し始めた。いくら慣れていても、十分気を付ける。都内の道路は交通量が多く、常に危険に溢れているのだし……。(以下次号)


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