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新宿  作者: 竹仲法順
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第543話

     543

 2017年7月12日午後5時56分。侵入したデータベースを見ながら、いろいろ考える。疲れはあった。夏の暑さに絶えず蒸され、外部からは常にストレスが掛かってきて、心身ともに疲労が溜まっている。今夜もアルコールを控えて、眠前の睡眠導入剤で寝付くつもりでいた。

 不眠は人間にとって一番の敵である。眠れないと、翌日仕事が出来ない。学生時代や入庁してすぐの頃は、毎晩のように徹夜などをしていたのだが、今は夜間に睡眠を取らないと、仕事に支障が出てしまう。こんな大都会に住んでいて、ノイローゼが高じれば、日常が全部狂う。常に思っていた。あくまでメンタル面は万全にしようと。

 月井も南雲とは20年来の付き合いだった。精神科医に診てもらうことに抵抗がない。また行ってもいいと思う。月井も長年警察にいて、職場では健康診断などが充実してないことを知っている。川島も脇田も、一課の刑事たちは皆、個別に病院に行っているようだ。掛かり付け医として、南雲を選んでもいいだろう。実際、南雲の病院には看護師もいて、随時採血などもしてもらえる。

 午後6時になり、一課のデカが集まって会議が始まった。月井もタブレットを持って参加する。配られた紙の資料を読み終えてから、端末のキーを叩き出した。何かと気分は乗らないのだが、会議の記録を録りながら、刑事たちの発言を具に聞く。大抵が捜査報告や新たな案件の提示などだ。思う。夕方の会議は一定の緊張感がないと、何かと眠くなるなと。

 午後6時32分。会議が終わり、散会してから、席を立つ。そして一課の自分のデスクへと戻り、パソコンをシャットダウンして、フロアを抜けた。階下へと歩きながら、一日の仕事が終わったのを感じる。帰宅して食事と入浴を済ませれば、後は寝るだけだ。公務員も定時で帰れる場合はいい。中央省庁や役所などでも、過剰な労働や残業などが問題になる時代なのだから……。(以下次号)


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