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新宿  作者: 竹仲法順
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第40話

     40

 2017年5月24日午前6時。捜査会議が始まった。捜査員は皆、刑事課フロア内の捜査本部で意見を出し合う。警察官は激務だ。月井も今村もじっと他の捜査員の話を聞きながら、気を入れていた。

 午前6時25分に散会し、刑事たちは各々持ち場に付く。月井も今村も岸間から、

「君たちはまた街を張ってくれ。現場には別のデカを行かせるから」

 と言われて頷き、屋外へと歩き出す。新宿の街に出た。互いに食事を取ってなくて、腹が減っている。繁華街近辺に定食屋などはたくさんあった。全国チェーンの食事処に入っていき、朝食を取る。

 互いにレギュラー定食を頼み、待ちながら店内を見渡した。まだ午前7時前で開店したばかりだから、あまり人はいない。

「今日も街の巡回ですね」

「ええ。……月井巡査部長、お疲れでしょう?」

「まあ、そうですが、慣れましたからね。……警視庁の一課に所属してますが、ずっと新宿の街張ってるんです。それが私の仕事です」

「今回の岡田社長殺害事件、どう踏みます?」

「うーん……高木梨帆も志村浩もマル害を殺害してないとなると、別の人間がホシですね」

「やはりそう考えますか?」

「ええ。現場から別のDNAが発見されてもおかしくないでしょう」

 月井はそう言って軽く息をつく。テーブルにあったお冷を注いで飲みながら、ゆっくりと水分補給した。喉が渇くと、神経が乱れる。月井も連日の暑さで参っていた。今村が、

「事件に関して決定打がないですよね?」

 と言うと、

「それは分かります。……これと言った物証がないから、尚更困惑しますね」

 と月井が返す。

「鑑識や科捜研がフル稼働すれば、証拠は見つかると思いますがね」

「そうですよ。今、科学的捜査が求められてるんです」

 月井はその点を強調した。二人分の食事がテーブルに届いたので食べて空腹を満たす。普段から何かと栄養不足だ。夏を乗り切るにはスタミナが必要である。お互いそう思っていた。

 午前7時25分。揃って朝食を取り終え、食事代を支払ってレシートを受け取る。そして店を出た。朝方で目立った暑気は出てなかったが、新宿の街は基本的に蒸し暑い。月井たちは歩き始める。街の中枢部へと。朝の歌舞伎町はわずかな眠りに就く頃だ。前夜の激しさがすっかり抜けてしまって……。(以下次号)


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