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新宿  作者: 竹仲法順
291/1001

第291話

     291

 2017年6月17日午前3時。アラームの鳴る音で目が覚めた。起き出し、汗だくのシャツを脱いで、洗濯済みの清潔なものに着替えてキッチンへと行く。コーヒーを一杯アイスで淹れて飲みながら、スマホでニュースを見る。幾分眠いのだが、一日の始まりだ。上下ともスーツに着替え、洗面してから髭を剃る。午前3時45分には部屋を出た。付属の駐車場へと向かう。車のドアロックを解除し、運転席に座ってエンジンを掛けた。アクセルを踏み込み、ハンドルを切って走らせる。車は発進し、月井も街へ出た。モーニングコーヒー一杯で何とか目が覚めて、運転を続ける。

 午前4時前は街もまだ眠っていた。月井も短眠に慣れてはいたものの、もう少し寝る時間が欲しいと思うこともある。慢性的に6時間ほどの睡眠しか取れてない。特に夏場で蒸し暑いから、昼間、頭の中が眠っていることもある。それでも今の捜査状況だと、この調子で続けざるを得ない。

 午前4時台に署に着き、車を停めて、刑事課の捜査本部に入っていった。そして岸間と顔を合わせる。

「班長、おはようございます」

「ああ、月井君、おはよう」

「仕事始めます」

「しっかり頼むよ」

 会話を交わしてデスクに着き、タブレットを立ち上げた。キーを叩き、ネット経由で事件情報を探る。まだいろんなことが背景にある以上、捜査員としても油断できない。月井も長年、事件捜査以外に一課内の課内庶務をやった経験があるから、慣れている。特に高度なIT社会になり、新たな捜査情報を仕入れるのにはハイテク機器が縦横無尽に暴れ回る時代となった。警察官も銃や警棒などの武器を使うだけでなく、IT機器を使用しないと、まともな捜査が出来ない。常にその手の意識はある。刑事も難しい時代に来てるなと、心から思っていて……。

 午前5時台になり、捜査員が次々と出勤してくる。各々パソコンなどで、朝の捜査会議用の資料を作り始めた。警察署にとって朝は忙しい。特に夜勤と日勤が入れ替わる時間帯は。月井も交番勤務時は単身でよかったが、一課の刑事になって、常に団体行動をする。確かに月井自体、元々孤独を好むデカではあるのだが……。(以下次号)


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