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新宿  作者: 竹仲法順
208/1001

第208話

     208

 2017年6月8日午後4時2分。岸間が月井たちを呼び、

「月井君、今村君、しばらく刑事課に待機しててくれ」

 と言ってきた。

「分かりました」

「了解です」

 各々そう返事し、デスクへと向かう。月井はタブレットを取り出し、立ち上げてキーを叩き始める。今村も空いているパソコンに持っていたUSBを接続し、事件に関する情報を掻き集めていく。

 堀田班の捜査員による加納猛逮捕で、事件に関する局面が少し変わりつつあった。月井たちも事件に関して、いろんなネタを掴んでいたのだが、今一つ活かせないままでいる。それに都心の夏の夕べの蒸し暑さは残酷だ。疲労困憊の度を激しくする。月井が今村にコーヒーを一杯淹れて、自分も飲みながら、逸る気を落ち着かせた。

「捜査本部は維持ですので、大丈夫でしょう」

「まあ、何とかなりますかね」

「ええ。……今村巡査部長、お疲れのようですから、少し休憩入れましょうか?」

「そうですね。ここで焦ってもしょうがない」

 今村がそう言い、コーヒーの入ったカップを手にしながら、幾分寛ぐ。月井もタブレットの電源を入れたまま、スリープ状態にしてコーヒーを口にした。互いに汗を掻いていて、付けているワイシャツや下着は汗だくだ。フロアには多数の捜査員がいる。皆待機中だった。もちろん、午後6時半過ぎからは夜勤の刑事たちが来て、当直に入るので、交代で日勤のデカたちは帰るのだが……。

 フロア内はざわつく。逮捕された加納猛は今現在取り調べられていて、他の捜査員は手出しできない。時間だけが過ぎていく。午後5時を回ると、新宿の街は夜の灯りに包まれて、また仰々しいまでの賑わいを見せ始める。辺りは一際無法地帯と化してしまって……。(以下次号)


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