表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新宿  作者: 竹仲法順
201/1001

第201話

     201

 2017年6月8日午前4時10分。早朝の新宿の街を走り抜ける。月井も起き抜けで幾分眠かったのだが、気を入れて車のハンドルを切り、署へと向かう。繁華街は、まだ夏の夜の余韻が濃厚だ。恐ろしい場所に入ってきている。絶えず警戒していた。

 交差点をいくつか抜け、午前4時20分には署に着く。職員通用口から刑事課に入り、捜査本部へと行った。夜勤の刑事たちの中に岸間が混じっている。老警官は昨夜も泊まり込みだったようだ。

「おはようございます、班長」

「ああ、月井君、おはよう。……すぐに仕事始めてくれ」

「分かりました」

 上司に対し、一言答えてから、デスクへと歩き出す。座ってからタブレットを取り出し、電源を入れてキーを叩き始めた。慣れていても、朝の時間帯は眠気が差す。コーヒーをプラスチック製のカップに一杯淹れて飲み、作業を続けた。まあ、カフェインを含むと、一気に神経が高まるのだが……。

 月井も長年警察官をやっている。いろんな経験をしてきた。人生経験というものは何ものにも増して変え難い。それに警視庁捜査一課の刑事として、様々なことを経てきている。強みだった。デカは修練を積めば積むほど、タフになる。それが身を以て分かっていた。確かに面白くないこともあったのだし、不平や不満もあるのだが、総じて経験だ。考え方が前向きで、過酷な任務を遂行する警察官としては的確だった。

 キーを叩き、作業を続ける。午前4時台は静かで、5時台になると、捜査員が大量に出勤してきた。一際騒がしくなる。今村も午前5時10分過ぎには来た。そして共に作業する。午前6時に捜査会議が始まるまで……。(以下次号)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ