第181話
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2017年6月6日午前6時55分。月井たちは食事処で定食をオーダーし、テーブル席で待つ。お冷を飲みながら、月井はタブレットを取り出し、キーを叩く。今村はスマホでニュースを見ていた。互いに待ち時間も有効に使う。デカは何かと忙しい。特に朝の時間は新鮮だから、いろいろとやることが多い。
午前7時10分には食事が届き、箸を付けて食べ始める。ご飯に醤油で溶いた生卵を掛けて食べながら、味噌汁を啜った。捜査員たちは街に散っているはずだ。月井も今村も無線で最前線の情報を聞く。確かに新宿区内を重点に捜査員が大勢配置され、活発に動いている。
月井たちは食事が済んでから、あまり休憩を取る間もなく、動き出す。体は重たかったのだが、気力で活動する。食事代を清算し、店を出て歩き始めた。街は荒っぽい空気が流れている。ゾッとするように、おぞましい人間たちが動いていた。繁華街では朝までやっている風俗店や飲み屋などから人が多数出てきて、街は完全には寝静まってない。警察もマルBの類を厄介視していた。月井たちも関わりたくないのだ。あの手の輩に。
午前7時45分。繁華街で見張りを始める。無線を通じて、いろんな人間たちの声を聞いた。捜査員は一課と所轄が力を合わせ、総力を挙げて動く。月井も今村もあちこちに散らばった捜査員から無線で声を聞きながら、張り続ける。堀田班もフルに稼働していた。まだ、加納猛をターゲットに捜査を続けているらしい。もちろん、月井たちにも殺しのホシに見当が付いてなかったのだが……。(以下次号)




