表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新宿  作者: 竹仲法順
162/1001

第162話

     162

 2017年6月4日午前7時2分。新宿の定食屋で、座っていたカウンター席に食事が届いた月井たちは食べ始める。冷たい水を飲みながら、食事を口へ運ぶ。月井も早朝からの勤務で疲れていたのだが、ご飯に醤油で溶いた生卵を掛けて、付いていた味噌汁を啜り、焼き魚を食べながら栄養補給する。刑事はハードワークだから、しっかり食べないと、持たない。

 午前7時半。互いに食事を取り終えて、夏らしく冷茶を飲みながら、ほんの軽く息をつく。月井が立ち上がり、今村も席を立つと、レジへ歩き出した。勘定を済ませて店を出、署へと戻る。朝の新宿は通りに人やモノが溢れ返っていても、基本的には静かだ。お互い署の出入り口の方へ歩く。何もないわけじゃないのだし、満たされない感情も当然ある。

 署のデスクで通常通り仕事を始めた。月井はタブレットを開き、キーを叩く。捜査情報はたくさんあった。全部取り込めるわけじゃない。それに横のデスクには今村が座っていて、稀に月井の方を覗き込んでくる。デスクワークは単調で疲れやすい。だが、月井も気を入れてやっていた。外回りの刑事たちはホシを捜すのに躍起になっていて、特に堀田班の関係者は加納猛の身を追い続けている。岡田徹や高木梨帆を葬ったのが、加納だと踏んでいて……。

 事件というものは分からない。生ものだから。月井も椅子に座って作業していたのだが、午前9時前に一度トイレに立ち、またフロアへ戻った。今村もデスクトップ型のパソコンのキーを叩き続ける。仕事は続いた。外回りの方が体を動かせていいのだが、今日のところは上からの指令で内勤をこなす。ろくに休む間もなくずっと……。(以下次号)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ