少女の運命と過去
「早く出してよ銀…」
なんで?集落の人に私は監禁された。
辛いんだよ!
『燐。お前を監禁する!これは集落で決まった事だ。人狼との密会で分かるよな?連れていけ!』
バレた…銀とお別れなの?嫌だ!
「っ…貴方は誰なのよ!」
『あ?僕は蓮だよ。燐の兄貴だから。親に捨てられたんだよな。惨めだな。』
そして、集落の人に無理やり連れて行かれた。
私は何も知ら無いまま。
抵抗しても無駄だと思った。
『へぇ~あの人狼はやっぱり銀なんだ。尾行して正解だったよ。燐。』
柵越しに話をしてくる蓮。
私のお兄ちゃんなんだよね?
「本当に…お兄ちゃんなの?」
『うん!そうだよ。キャハ。』
無邪気過ぎる…。
他の男の人は嫌いだよ。
今頃、銀は探してるはず。
「お、教えて…どうして親は私を捨てたの…?」
前から知りたかった事。今なら聞ける。
『燐が産まれた時、母さんが酷く怯えていたんだよ。産まれたばかりのお前の顔を見にいったら右目が赤だった。すぐに俺は分かったよ。お前が捨てられるって。だから、俺は家を出て陰でお前の成長を見守って来た。』
「酷いわよ!もう、私の事はほっておいてよ!」
『銀がイケナイのか?人狼だぞ!お前がこの集落に伝わる人狼の右目を持って居るって言う事は呪われて産まれて来たんだよ!あぁ、もういい。』
柵越しに見えた影は消えた。
『燐、お前は死んでもらう。いけない事をしたからな。』
蓮が告げる。そして、嘲笑うかのように私を見つめる集落の人。
見るな、笑うな、殺されてたまるか。
「殺すな…五月蠅いんだよ!」
自分でも驚く声だった。
右目が痛い。エグられてるような痛みだった。
『右目が光ってる。』
「た、助け…て…痛いの…」
薄れゆく意識の中で見覚えのある顏が私を見つめていた。
お願い、私の呪いを、銀を人にして…