赤黒いもの
心にあるストッパー
これがあってなんとかここまで
人として生きてこられた
心の中で鈍くひかるもの
赤黒いものがよぎると
ストッパーが入って心の芯まで
及ばないようになる
赤黒いものは退いて消えて
何事もなかったように心は
流れていく
こどものころは小石程度の大きさじゃなかったか
赤黒いものは心の芯まで侵入して
私は人にものを投げたり、ぶったり、怒鳴ったりした
赤黒くて周りがよく見えなかった
大切なものが増えていくと
ストッパーは大きくなった
普段は頑丈なのだけれど
さびつき、脆くなると赤黒いものが
染み込んでしまう
そうなったら、吐き出さなければならない
赤黒いものを引きずり出して
正体を暴いて、対峙して
白紙に刻み付ける
今のように
目に見える形として残していく
闇ではなく、明るい白の世界に