神様とその使い達
森を出たところでリナがどこからか地図を取り出した。
どうやらこの世界の地図らしい。
そこには二つの大陸と、大小様々な島が描かれている。
「現在地はここ」
リナはそう言いながら、小さい方の大陸の一点を指差した。
そこにはこの世界の文字で『アルフェリア大陸』と描かれている。
ここでリナが別の紙を広げた。
どうやらこの、アルフェリア大陸の地図らしい。
そこには国や山、森などが細かく書き記されている。
「えーと……あった、ここよ」
そう言ってリナがさした場所には、これまたこちらの文字で『地獄』とだけ書かれていた。
……ん?
「地獄って……」
「多分入ったら生きて出られない、入ることもできない、なかに住んでいる獣も超危険ということからでしょうね」
そういったリナは心底楽しそうに微笑んでいた。
こいつ……この森の名称知っていやがったな?
でも可愛いから許す。
「それでこれからどうするかって話ね」
リナが顔から笑みを消して俺を含む五人の顔を見る。
それに合わせてリリカやレイスも気を引き締めたのがわかる。
「全員別々の国に行ってもらうわ」
リナの言葉に全員が首をかしげた。
「私とスルトは一緒に行動する、だけどあなたたち五人には別々の国に行ってもらうというのが正確な言い方かしらね」
その言葉にさらに首をかしげる。
ただし!俺は内心興奮している!
リリカも何か理解したかのように頷いている。
「蜜月か!」
「……その理由を今から説明するわ」
スルーされた……と思ったけどよく見るとリナの耳が真っ赤だ!
もしかしたら正解かもしれない!リリカもニヤニヤしてるからその可能性が高い!
「あなたたちには正体を隠してギルドに登録してもらうわ。
そして、その国の王に呼ばれる程度には有名になって頂戴。
目指せSランクってところね。
それで王に呼ばれたら自分は神の使いだ、スルトとリナという神の夫婦に遣わされた、とでも言いなさい。
それで国そのものが敵対してきたら、逃げるも戦うもあなたたちの自由よ。
それと全員メインの武器は使わないこと、正体を隠すために仮面とローブを着用すること、人前でそれを外さないこと、パーティを組まないこと、敵には容赦しないこと、以上のことを守りなさい」
リナが足早に説明を済ませていく。
リリカはどうにか理解しているようだがレイス含む子供たちが少し追いつけていない。
「つまり、Sランクになって、王と対談して、俺たちの情報を流して、ロズアリアみたいに何か仕掛けてくるなら逃げるか戦うかしなさいってことだな。
後は正体バレないようにして、武器もサブか一般的に売ってるものにしろってことだろ?」
少しだけ噛み砕いて説明する。
リナにあっているよな?と視線を向けると深く、満足そうに頷いた。
そして、またまたどこからか人数分の、そう人数分のローブと仮面を取り出して全員に配った。
うん何故か俺とリナも着ている。
全身をローブで隠して仮面をつけた集団、怪しい宗教みたいだ。
まぁ神様いるんだけどねこの集団の中に、二人も。
「準備はいいわね?じゃあ私たちは……もうひとつの大陸にあるエレナという国を目指すわ。
そこで髪型と目の色を少しいじって偽名でギルドに登録して同じことをする、レイスとサーラ、メディの三人はこの大陸のロズアリア以外の国、ジョシュアとリリカは私たちと同じ大陸よ。
ジョシュアとリリカは大陸までは連れて行ってあげるけどそこからは個々で、レイスたちはもう行っていいわ。
集合の時は勝手に呼びかけるからよろしく、そうね……期限は半年頑張りなさい」
リナがそう言った瞬間、目の前の風景が一転した。
先程まで明るかったハズなのに一気に夜に……多分時差だろう。
そして、これはリナが転移でこの大陸に来たということで間違いないだろうな。
「それじゃあ頑張りなさいね」
リナがそう言った瞬間、再び世界が一転した。
先程までは夜の草原にいたはずなのに今は夜の森、いや地面が傾斜しているから山にいるようだ。
「今日はここで野宿、明日この山を越えたところにある城下町に行きましょう」
リナはそう言って、俺を地面に座らせ太ももに頭を乗せて寝てしまった。
……膝枕ってされると気持ちいいけどすると足が痛くなるんだな~と学んだ。




