心配症な二人への処方箋
えっちぃ彼女ってのは、全然嫌いじゃない。
たぶん、世の男だったら大半はそう思うはずだ。
まして、付き合うまでそんなに経験があるわけではなく、大人しそうな見た目だったら尚更だ。
嫉妬深い性格の場合はビッチだ何だと言うかもしれないけど、世界に二人きりで心配する必要なかったら話は違うはずだ。
でも、それでも自分はふっと思ったりする。
本当にえっちぃのか、って。
「なぁ、いっこ聞いていい?」
事後処理が一段落して改めて枕に頭をうずめたところで、彼女の方へ身体を向けて髪を梳く。
「えっ……うん」
いや、そんな警戒しなくても。
目が粗相をしてしまった犬か何かみたいに、こちらの心理を汲もうとしながら何かしてないか探すように若干泳ぐ。
「別れるとしたら……いや、別れない別れない、別れないけども」
別れると聞いた瞬間に涙目になりながら、もう腕を持ち前の胸にうずめ、口がごの字になりそうになったので先になだめる。
「もし別れるとしたら、振ると思う? 振られると思う?」
「……?」
何を意味しているのか図りかねているようで、考えながらこちらを伺っている様子。
いや、深い意味とかではなく、なんとなくだったんだけども。
「じゃあ、せーので言おうか」
「……? うん」
「せーの」
「振られる」
「振られる」
えー、振らない絶対に振らないと言っている目の前の小動物を、無性に抱きしめて撫で回したくなった。
そのまま一通りじゃれあった後、ちょっと目線が合うように顔を離し、一言告げた。
「結婚しよっか」




