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第15話
がっくりと項垂れた兄さんの背を、ジェイは慰めるように軽く叩いて。
自分の首にかけていたペンダントーー義姉さんが生前愛用していたものーーを首から外し、ペンダントトップを開いた。
ああ、そうは見えない造りになってたけど、ロケットだったのか?
ジェイは、兄さんの握った手を開かせ、ロケットからから取り出した何かを、掌に握らせた。
「……これは?」
「瑞姫が残したビデオレターだ。このメモリの中に書き込まれているそうだ。この状況になった時の君に、見て欲しいとの伝言だ」
兄さんはしばしジェイを見返し、それから、はっとしたように読み取るためのマシンを起動し始め。
僕はジェイに促され、連れ立って書斎を後にした。