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我的愛人  作者:
13/32

我的愛人 第1話

新章です。

タイトルと同じですね。意味としては「私の愛する人」。

前作から1年後設定&またも超絶シリアスで長めです。

今回はかなりGL要素入っているうえに、かなり薄めましたがR-15くらいの描写もあるかもです。

苦手な方はご注意ください。


この話は完全にフィクションです。

登場する人物・関係性・建造物などは実在のものとは一切関係がありません。

 1933年3月1日、関東軍が強引に設立した傀儡国家、『満洲国』の建国一周年記念祝賀会が、首都新京にある宮邸府勤民楼の二階で盛大に行われていた。

 深紅の絨毯の上には大勢の政府高官、愛新覚羅一族、その他着飾った来賓達が眩いばかりに散らばり、煌めくシャンデリア、脂粉と酒の入り混じったきつい香り、騒々しい楽団の演奏が虚しく流れる。


 既に深更にも関わらず、人々は歌い踊り酔い痴れ刻を忘れる。

 広間の最奥の壁面には交差した日の丸と満洲国国旗「新五色旗」が掲げられ、その前に据えられた豪奢な玉座には満洲国執政、愛新覚羅溥儀がグラスに注がれたシャンパンを手にして、無表情でただひたすらにこの喧噪の有様を凝視していた。

 その周りを取り囲むのは関東軍司令官、関東軍参謀長、関東軍高級参謀を始めとする、満洲国建国を画策した多くの要人達。それを遠巻きにしているのは鄭孝胥、煕合等満洲国側近達。この哀れな名ばかりの統治者は、関東軍、あるいは未だ復辟を熱望する旧清朝の亡霊達に十重二十重と硬くきつくとぐろを巻かれたまま身動きがとれず、もがき苦しみながら見えない糸で操られ続けるのだ。


「閣下失礼いたします」

 その無秩序な人混みの中から滑るようにすっと歩み出て、溥儀の前に片膝をついて頭を下げる一人の人物がいた。

「安国軍総司令金璧輝か。何用だ。面を上げよ」

 抑揚の無い声が広間に響き渡る。一斉に視線が溥儀に集まり静寂が訪れた。

「明日も任務がありますゆえ、本日はこれにて失礼させて頂きたいと存じます」

 すらりとした体躯を包む軍服。ぴしりと折り曲げられた脚に黒革のブーツが鈍く光り、頭を垂れた軍帽の廂から覗く双眸が冷たく厳しい閃きを放つ。


「これはこれは今熱河で大活躍の金司令ではありませんか。本日は任地を抜け出して、この祝いの為にわざわざこちらへ?」

 関東軍参謀長が横に割って入ってくる。

「今日明日にも赤峰・承徳が陥落するかしないかの瀬戸際だ。早く前線に戻られるがよい」

 一国の元首の返事をさしおいて関東軍高級参謀が代わりに応える。璧輝はそれには聞く耳もたぬという風に、

「閣下、よろしいでしょうか?」

 ひたすら溥儀の返事を待つ。

「……そなたの熱河での活躍は私の耳にも届いている」

 光る眼鏡の奥の表情は読み取れない。

「私の活動は常に実態以上に増幅されて伝わっているようで、ただただ面映ゆいばかりでございます」

「よかろう、早く任地へ戻るがよい」

「ありがとうございます」

 璧輝は即座に立ち上がり一礼すると、人いきれで濁った空気を断ち切る一陣の風のように素早く広間を出て行った。


 止まっていた時間が突如動き始め、再び喧騒が繰り広げられる。

「……あの男装の王女様も熱河が終わったらお払い箱だな」

「ああ……十分踊って頂いたからの。我々関東軍の為に」

「大日本帝国万歳!」

「満洲国万歳!」

 何処からともなく湧き上がった空々しい万歳三唱と、割れんばかりの嬌声。日本の傀儡となり果てたこの国家を祝う虚しい茶番劇が夜通し続いたのは言うまでもない。

導入部、かなり状況説明っぽくて自分的に納得いかないのですが。

かなり史実に忠実にするとどうしてもそうなってしまう…技術の向上目指します。

お読みくださりありがとうございました。

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