プロローグ:蒼空へ飛び立つ渡り鳥の如く
心機一転という事でストーリーを変更するため前回の話を消して新しい話でスタートさせました。ご迷惑かけてすみません。
人間の欲と絶望が入り混じる世界を人は常に変化を求め改変させてきた。誰もが狂喜を持ち自由に生きる権力がある。
しかし人はそれに反している。
罪もない人が死に罪在りし者が生き延びる。
人の醜き争いは神の怒りをかって,今……,
−−世界は裁かれる−−
何処にでもある何の変哲もない町,黒鉄町は暑苦しい太陽のおかげでどうにもできない程熱気に包まれている。
「あっち〜〜〜〜!!」
いつものように学校へ登校している少年は家から出て早々,泣き言を漏らす。
少年の名は零炎神秋。私立南坂学園の高校三年生で,勉強しないのに何故か毎回テストで五位以内に入る,言わば天才というやつである。
「よっす−−−!!」
「−−−−−っ!!!」
神秋の背を平手で勢いよく叩きついでに挨拶を一方的にする神秋とほとんど変わらない背丈の少年。名は木枯紅。
「てめっ−−!!」
「はいっ! 落ち着いて落ち着いて」
「今日こそ今までの分を返させてもらおうか」
「また今度な!!」
いつもの逃げ文句を残して紅は学園へと続く坂道を駆け上がって行く。
「やっぱやるしかねぇな………」
紅の目には雲一つ無い蒼色の空が写っている。
その表情は硬く,いつもの笑顔が嘘のよう。
渡り鳥が二羽翼を羽ばたかせて飛び立った。