第一話 刀を探す旅人
白い雪景色が広がっている。
列車の窓に広がる白く冷たい世界、
この景色をみるたび、思い出す。
妖刀を持つ少年のことを...
果てしない白に染まった道を歩き続ける。
一本の刀と籠をおぶって寒い中ひたすらに歩き続ける。
「もうすぐ、隣町に着きそうだ。」
背丈が160cmくらいの少年はいう。
もうすぐ、夕刻に差し掛かろうとしている。
隣町 うどん屋
「おっちゃん、かけうどんを一つ頼む。」
「あいよー二銭ね。」
小銭を机に起き、籠を横に置く。
「最近、巷じゃ夜な夜な人斬りが出るって噂だぜ。ここいらの村に出るってな。」
「人斬りか...まさかな」
うどんを平らげ、宿へ向かうとき
裏路地から悲鳴が聞こえた。
駆けつけるとそこには 吊るされた死体があった。
役人が来る前にその死体をよく観察するとそこには刀で切られた跡がのこっていた。
その刀は普通の刀で斬れるような傷跡ではない。
まるで熊にひっかかれるみたいな傷。
役人が近付いてくる音が聞こえる。
屋根の瓦に登り、別の場所から逃げた。
今から10年前...
ちょうど、こんなように雪が降り積もるような時期だった。
俺がまだ、5歳になったばかりの頃
祖父がよく、鍛冶場で刀を打つ光景をよく目にしていた。
祖父が作った刀は後に妖刀と呼ばれた。
明治に入ってから刀を作るのは禁止されていたが軍兵のために特注で毎月50本同じものを作らさせられたらしい。
その内、妖刀と呼ばれるものは祖父が死ぬまでに51本確認されてる。
そんな中、ある日親父が祖父のいる鍛冶場に握り飯を渡しにいったとき、鍛冶場が荒らされていて、祖父が複数個所刺されているのが発見された。
祖父が残した妖刀はほとんど、持っていかれた。
ただし、親父が一つだけ守り抜いた刀がある。
その刀は俺が今持っている。
静けさが染み込む、夜の中
顔を隠した男が現れる。その男は通りかかる男女、または役人さえ斬り伏せる。
その男が持つ刀は刀身が紅く染まっていた。
男は立ち止まり、一言つぶやく。
「お前さんが、最後の妖刀を持つものかい?」
少年はほほ笑みながら答える。
「そうだ!」と言ったら?
「ならばここでその妖刀をいただく。満ちろ!紅影」
地面から複数の残影が少年を囲むようにでてきた。
残影の中をくぐり抜けひたすら瓦を走り続ける。
残影が少年を逃しはしないと追い続ける
後もう少しで逃げ切れるそんなとき、突然目の前の見えない壁にぶつかる。
「結界...」
妖刀自身がもつ固有のスキル、結界。
妖刀が共鳴し、生み出される高位結界。
その中の勝敗が決まるまで出ることが許されない。
無数の残影が繰り出す斬撃の中、必死に耐える。
膝から崩れ落ちる瞬間、男が「これで終わりだ!」と突きを繰り出した瞬間、祖父がよく言っていた言葉を思い出す。
「〇、お前がもし何かに殺られそうになったとき、わしが作った最後の一振りがきっとお前を守ってくれる。だから立ち止まるな」
明るい月が照らし出す時、漆黒の夜空を照らす炎が目覚める。
その刀に宿る炎の名は...
「妖刀! 迦楼羅」
抜刀したタイミングで男がギリギリの隙をかわした。
「その刀は、炎熱系の業物か!」
その刀は金色の炎を纏った刀身を持っていた。
「そんなもので俺を倒すことはできない」
刀を振り上げてつめてきた瞬間、
鞘に素早く刀を納め、相手が振り被ってきたタイミングを狙って抜刀した。
抜刀した瞬間、刀身に炎が纏わる。
纏わった炎が相手の胴体を焼き尽くす。
相手の身体が止めどなく燃えている。
果てしない痛みと苦痛を味わいながら息絶えた。
妖刀 紅影を回収しその場を後にする。
満月が照らし出す中、少年は駅へと向かう。
次の妖刀を持つものを探すために...
隣町...
海辺が近い町へとたどり着く。
磯の香りが漂っている。
「今日の宿を探して、飯でも食うか。」
宿を探しているとき、一人の少女にぶつかった。
「ごめんなさい」
少女は慌ただしいそうに走り去っていく。
その少女を追いかけるように少年も走る。
少女を追いかける中、海辺でたたずむ一人の老人が見えた。
その老人のもとへ少女は走っていく。
老人のもとに追いつき、老人と少女に話しかける。
片手を差し出し、
「俺の巾着返して」と言った。
老人が一言、少女に話しかける。
「千代、返してあげなさい。」
少女は少年の手にそっと渡した。
その後、ペコペコ謝った。
老人が言うにはこの街にはかつて俺の爺さんも来たことがあったらしい。
その時、爺さんがこの街に妖刀に関するメモを渡したらしい。
その妖刀の名は夜桜。
かつて、花吹雪舞う街で若き武芸者に渡ったという話を聞いたことがある。
その男の名は志波竝 桜華、またの名を厳冥と呼ばれ恐れられた剣客だ。
その男に会えばきっと、お前さんが求めている情報を手に入れることができる。
老人は立ち上がり、続けてこういった。
あと、ついでにじゃがお前さんの祖父にこう伝えておくれ。炎閣は生きておると...
炎閣...誰だそれ?
街道を進む中、道端で叫び声が聞こえる。
叫び声がするほうへ向かうと女子の足にへばりつく男がいる。
男は号泣しながらぼそぼそと呟く。
「頼む〜!!俺を一人にしないでおくれよ〜!!!」
女子はそんな男を蔑むような目つきで見ている。
「俺のこと〜好きだと言ったじゃん〜!!」
頬をすりすりしながら足にへばりつく奴を見て少年はこう思った。
「うわ~、なんか気色悪...」
少年は少女と男の間に入り、抱きついている男を力づくで離した。
男は悔しがりながら、少年にこういった。
「なんだこのクソ、野郎。俺が必死に可愛い子ちゃんを捕まえようとしてるときに割り込みしてきやがって!」
「大体、女子が嫌がってただろう?それにお前、周りから見たらキショいだろ。あんなことしてたら。」
言い合いになりかけているその時、少年達の頭上にカラスの群れが押し寄せる。
その群れは暗い森の方向へ向かっていった。
ちょうど、日が沈みかけるときだったため少年は近くの家に宿泊をお願いし、泊めてもらえることになった(さっき、口論していた男もついでに...)。
夜ご飯は玄米 味噌汁 たくあんときゅうりの漬物、そして焼き魚をいただいてあとは明日に備えて眠りにつくとき、男が一言呟いた。
「お前のその刀、本物か?本物なら憲兵とかに聞かれたりしないのか?」
「この刀は大丈夫さ。なんせ、模造刀と誤魔化してるからな」
「その刀、いつの時代のだ?」
「多分、江戸の後期から明治の初期だと思う。正確には俺の爺さんが作った刀だからな。51本の刀を集めないといけないんだ。爺さんとの約束のために」
「そうか。なら、頑張ってやらないとな。」
翌朝、目覚めて支度を整える。
男はペンダントを取り出し、ふとほほ笑んだ。
そして、泊まらせてくれた方にお礼をし、桜舞う街へと進んでいく。
街道を進み山道へ向かうなかで少年は男にこう伝える。
「よ~し、ここから競争しようぜ。ここから山の麓に到達したほうが勝ち。負けたほうが今日の夜飯を作るって条件で!」
「いいぜ、乗ってやるよ。」
少年達は走っていく。
道なき道をそう、あの青い雲の上を渡る者たちのように...
妖刀が示す場所へと...
これは祖父が生み出した妖刀を巡りる旅で俺の生涯の中でもっとも充実した時間を感じた物語。
これは...妖刀を巡り巡る物語。
次回予告
ひょんなことから妖刀を集める少年、獅子王剣と出会った。俺は、その少年と共に旅に出たが刀すら握ったことのない俺もピンチに陥る。次の街はやべぇ〜ぞ!!
次回
第二話 「夜桜舞う街」
お久しぶりです
夜桜です
新作よければ見ていってください。




