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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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ディストピア怪文書 1

作者: Acid

お姉さま、こちらはなんですか

最先端のインフラ設備で、不要になった人間の遺体でアスファルトを作る技術よ

まあすばらしい。墓標は地の果てまで続き、人々のお役にも立てるだなんて



あなたは明日出荷されてハンバーグになるの

はい、わたし、民衆のためにがんばるわ



3000tの巨体を唸らせて、王女が桃色の道をゆく。

強化防弾ガラスのハイヒールで轢き潰された男は、道路のしみとさして変わらない色になって消えた。

街頭の市民は魚のような顔でその美しさを見送った。



王女の解体は午後2時には済み、おおよそ3万の国民が配給の列に並んだ。彼らは一様に右脳から白いカーネーションを生やし、王女を悼む。

子供が甲高い声とともに痙攣して倒れた。大気汚染の影響であろう。近頃はめっきり鳥たちもγ線を発さなくなったというが、それでいてなお一般庶民の頭は金魚鉢とすり替えられたままだ。多分、この先もずっと。


肉の塊は目の前で溶けてなくなり、ミルク色の霧が恨めしそうに横たわっている。大きな鐘を飲む込む音が響き渡って、街は静かになった。

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