恐怖は「異端」から生まれるのか。
ゾンビ。
獰猛なライオン。
肉の美味しさを知っているクマ。
実在したイギリスのシリアルキラー「ジャック・ザ・リッパー」に……あとは『13日の金曜日』に登場する「ジェイソン・ボーヒーズ」とか。
怖いと思った方はいますか?
なぜ怖いと思ったのでしょうか。
それらを本当に見たことがあるから? それとも、何となく怖そうというイメージから?
ゾンビは未知で、コミュニケーションが取れない。
動物は襲われて殺されるかもしれない。
それに「ジャック・ザ・リッパー」と「ジェイソン・ボーヒーズ」は襲われるかもしれない。
どれも、自分が死ぬという予想ができるからです。
――では、ここで一つ疑問があるのです。
赤ちゃんはゾンビを目の前にしても怖がるのでしょうか。初めて見たゾンビでも「コイツは危ない!」と思うシグナルが出てくるのかな。
ゾンビが腐った死人であることも、動物に襲われて「死ぬ」という状況も。誰かを誰かが殺すという状況すら知りません。
存在を知っている子供なら驚いたり、泣いたり、逃げ出すかもしれませんが、赤ちゃんはどうでしょうか。
ここで、一つ仮説を立ててみました。「恐怖」とは「異端」から来るものだと。
つまり「違う」から怖いのです。
ゾンビは生きてない。見境なく襲いにかかる「人間」……のようなもの。
いつも飼育員にエサをもらって、のしのしと動いて食べたり、野生では目の前の獲物を一心不乱に追いかけ、むしゃむしゃとかぶりついて食べる。
自分に優しくしてもらったりしていた「人」がいるというのに、いきなりその「人」という集合の一つから殺される。
自分や自分の知っている者とほとんど同じ。だけど少し違うという「異端」なものがみんなの恐れるものではないだろうか。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
何もしてないのに「異端」を外れ者にしてはいけませんよ。
by.異端者