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路地

作者: BENOM

私は路地にいた。近くの電柱をみると見慣れた住所が書いてある。就職活動の洗礼を受け、自分のやりたいこともよく分からないまま彷徨っていたら気づいたら迷子になってしまっていた。私の体を冷たく尖った風が刺していく。もう少し進んでいくと飢えて衰弱しきった子供が点々としている。こうして行き場のないそうして何も考えられずに傍観しているうちに一人のいかにも優しそうな小さな男の子が寄ってきた。

「なにかちょーだい。」

そこで私はコンビニで買ったおにぎりをあげた。男の子は喜んだ。しかし、それが間違いだった。


次の日また薄暗い路地を覗いてみると一人の子がボロボロになって壁に背に座り込んでいた。次の瞬間、私は目を疑った。その子は昨日私がおにぎりを渡した男の子だった。まさかそうだとは思っていなかったので考えるよりも先に体が動いた。私はその男の子の前に立った。

「どうして、 、 、?」

私は昨日おにぎりを渡してあげた。けれどそれはぐちゃぐちゃになって地面に落ちていた。

男の子は、

「たべようとしたら、あいつらにやられた。ひとりだけたべるのは、ゆるさない。っていわれた。だけどぼくはおにぎりをたべようとした。そしたらあいつらにやられた。」

そのような聞き捨てならないことを聞いた。私は大きな勘違いをしていた。全体を見れていなかった。私はここにいる子供たちはみんな協力して生きていると思っていた。いや、実際そうなのかもしれない。けどそれはあくまで「生きるための術」であり、自分が生きるためならば何でもしてしまうのだろう。私は身につまされる思いだった。だから一つしかないおにぎりを自分のものにしようと奪い合いになった。つまり私がすべての発端だった。そう考えているうちに今すぐここから逃げ出したくなった。けれど、逃げ出すことはできなさそうだった。考えなしにこの場所へ入ってきた私を路地にいる子どもたちはじっと見ている。何かを乞うような目で。頭がいっぱいになってもうどうすればいいのかわからなくなった。そこからはよく覚えていない。ただ後から一つわかったことはお金が全てなくなっていた―――。


昨日なにがあったのかどうしても気になってしまい今度はたくさんのおにぎりを買って例の路地へ向かった。そこに見えたのはまたも私を驚かせる光景だった。私のことをずっと待ち望んでいたかのような目で一斉に寄って来たのだった。そして私が提げているレジ袋に入ったおにぎりが自分たちのものであることが当然であるかのように私に何も確認せずに袋を奪い去っていき、

「あしたもね。」と言われた。

もうどうすればいいのか私はわからなくなってしまった。情けは人の為ならずという言葉があるがそれは違うなと思った。そして、それと同時に恐怖感が私のことを包んだ。そして次の日から私は路地へ行かなくなっていた。そして一ヶ月ほど経った頃、流石に気になってしまい、路地へ向かった。彼らはもういなかった。その代わり彼らの持ち物はまだ路地へおいてある。

彼らはどうなってしまったのだろうか。施設に保護されたか、違う場所に行ったか、あるいは、、、。


この一ヶ月で私は様々な考え方を得た。大通りに出ると沢山の人が「普通」の暮らしをしている。しかし、その陰に潜んで路地では「普通」ではない暮らしをしている子供がいる。「普通」の暮らしをしている人間は「幸せ」を求めて生きている。しかし、路地の子供は「生」求めて生きている。周りなんて関係ない。自分が生きる事ができればそれでいい。それが怖い。そのせいで他人の優しさ、同情は責任に変わってしまう。だから私は考えて行動するべきであったと後悔した。けれど私は貧困の子どもたちを救いたいと強く思うようになった。だからこの一ヶ月を無駄だとは思わない。私は誰もが「幸せ」を求めてることのできる社会を目指そうと思う。

「幸せ」を追うものと「生」を追うもの。

「普通」とはなんなのか。これを読んだあとそんな事を寝る前、お風呂、ちょっとした隙に考え、自分自身と向き合ってほしいと思います。

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