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第1話
小さな部屋の、飾り気のない木枠の窓から、暖かく穏やかな日差しが差し込んでくる。
揺れる光のカーテンが、ベッドで横になっている1人の少年の貌を照らし、朝を知らせる。
「ん……」
瞼の裏を、じりじりと焼かれる感覚。
寝台の上で身じろぎをしながら俺は小さく唸った。
わずかに顔をしかめ、右手で光を遮り薄目を開ける。
意識が急速に回復していく。
俺は、緩慢とした動作で上体を起こした。
「――ぁふ。……眠い」
欠伸を噛み殺し、目尻に滲んできた涙を、指の腹で拭う。
こうしてずっとのんびりとしていたいが、そういう訳にもいかない。
俺は頭をふって、喝を入れた。
「さて……と」
俺は上体に軽く勢いをつけて立ち上がり、行動を開始したのだった。