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9.女子会と…

累計PV1000突破ありがとうございます!

これからも楽しんでもらえるように頑張ります!

次は目標5000行きたい( ̄▽ ̄)


 前回の戦いから数日後、駅前で華織は眼鏡をかけたセミロングの女の子が仲良さげに会話をしていた。


「へぇ、風村さんの学校って髪飾り全般OKなんだ、いいな~」

「そうでもないですよ、髪留めの範囲として許可されているだけで顔とかに付ける化粧品は日焼け止め以外原則禁止ですし」

「それでもいいよ~、うちの学校はオシャレ基本全部NGだし」


 2人が盛り上がっているところにもう一人、白美がやって来た。


「お待たせ~」


「あ、白美も来たね」


「ならどこか落ち着けるお店に行きましょうか」


 合流した白美を含めた三人は駅からほど近いファストフード店に入ると、席に座って話を始めた。


「それじゃ改めて、私はピカリィフラワーの高木(たかぎ) 華織(かおり)、ずっと二人で戦ってたから仲間が増えるのは嬉しいよ♪」


「次はあたし! ダイヤローズの輝代(しょうだい) 白美(はくみ)だよ。好きな飲み物はソーダシェイク!」


 2人が自己紹介をすると、眼鏡の女の子も自分の名を告げる。


「では今度は私ですね。名前は風村(かぜむら) 葉子(ようこ)、3週間ほど前から魔法少女リーフストームとして魔法の鍛錬をしたり、コロウシちゃんに頼まれて御二人と一緒に居る妖精さんの仲間探しをしています。どうぞよろしくお願いします」


「こちらこそよろしく」

「ねぇねぇ、葉子っちはドリンク何が好き~?」


 丁寧な葉子の挨拶に二人も笑顔で迎え入れ、和やかに三人目の魔法少女リーフストームは二人の仲間になった。


「それじゃあ前に白美を助けてくれたのは風村さんじゃなかったの?」


「はい、その日は私、風邪で寝込んでいてずっと家にいましたからそれは別の人かと」


「まぁ、あきらかにこの前見たシルエットと違うもんねぇ、ツノもないし」


「ツノ?」


「あ~いいの気にしないで風村さん」


「そう…ですか?」

「葉子、そろそろ出てもいいコロ?」


「あ、ごめんねコロウシ」


「それが風華さんと契約してる妖精?」


「はい」


「じゃあこっちも、出ておいでピカウサ」

「ぷはぁ、狭かったピカ」


「マメリス達もおいで」

「わかりましたマメ」

「わ~御飯が一杯だパン」


 それぞれのカバンから妖精達が顔を出し、用意されたポテトやドリンクを飲み食いし始めた。


「白美さんは妖精さんが二人いるんですね」


「うん、でも契約してるのはマメリスだけ、パンネコはまだ誰とも契約してないんだ」


「そうなんですか。あ~でも皆可愛いです」


 妖精達の食事風景を見ながら魔法少女たちの女子会は穏やかに過ぎて行った。



 ・


 ・


 ・


 ・


 ・



 一方、竜士達大人組はというと…。


「竜士、設置しといたセンサーに反応有り、現在総武線の車両上部に乗って移動中」


「よし、すぐ急行する。引き続き監視を頼む」


「カメラのハッキングじゃ限度があるから急いでくれよ」


「わかってる」


 宝田の連絡で電車を追いかけ、車両の上に飛び乗った竜士はドラグアイを起動させて目標を見つけると口を開いた。


「どうもワルイダー帝国の方、今日はどちらへ?」


「き、貴様は!?」


 竜士が話すと、何もないハズの車両の上から驚きの声が響く。


「確か情報部隊だったか? なるほど、隠蔽技術はそれなりにあるみたいだな」


「…見えているのか」 


 肉眼であればただ車両の屋根とパンタグラフくらいしか見えないだろうそこにはドラグアイを通すことではっきりと魔法で身を隠したワルイダー帝国情報部隊ハカル中佐の姿があった。


「悪いが色々と知りたいことがあるんでな、一緒に来てもらうぞ」


「ふ、情報部隊の拙者が喋ると思うのか? そもそも貴様などに捕まりはせん!」


 走る車両の上から飛び降りながらハカル中佐は投げナイフで牽制攻撃を行い、高架下の地面に着地する。


 しかし、竜士ことドラグライダーの防弾防刃ボディアーマーには傷一つつかず、すぐに追いついて接近戦になった。


 道行く人の目で捉えるのが困難な速度速度でドラグライダーとハカル中佐は移動と戦闘を続けていたが、ハカル中佐は次第に攻撃を捌ききれなくなり、手足で防御する頻度が増していった。


「く、やはり早い!」


「あんたやっぱ戦闘より諜報専門って感じだな」


「なめるな! 貴様如き」


「ドラグメテオキック!」


「ごはぁ!!」


 下から上空に向かう形でドラグライダーは必殺技の一つを繰り出し、胴体に蹴りをまともに食らったハカル中佐はその衝撃で完全に意識を刈り取られた。



 ・


 ・


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 ・


 ・



「おい、意識あるか?」


「うぅ、こ、ここは?」


 気絶させたハカル中佐が次に意識を取り戻したのは玄さんの道場の裏にある古い蔵の中だった。


 現状を把握すると、手足は椅子に紐で固定され、周りは竜士と仲間達がしっかりと見張っていた。


「いまから色々調べさせてもらう」


「甘く見るな!たとえ拷問されようとも拙者は…」


「いやするわけないだろ、そんなこと」


「なにぃ?」


「宝田、【リーディングメット】を」


「りょーかい」


 そう返事をすると、宝田は何やらヘルメットのような物を持ってきてハカル中佐の上からかぶせた。


「何のつもりだ! 視界を塞いだ程度で拙者が音を上げるとでも…」


「脳波、及びシナプスサーキットパターン測定開始、平行して海馬スキャニングもスタート」


「な、何をしている?」


「今からあんたの記憶を覗かせてもらう」


「なに!? そんなことができるのか?」


「あぁ、正直完全に覗けるわけじゃないけどな、昔俺が潰した悪の組織が作った未完成品さ」


 かつてカオスムーンとの戦いでドラグライダーが苦労させられた事の一つが敵の情報秘匿能力の高さだった。


 カオスムーンが犯罪を犯している現行犯ならまだしも、世界各地に潜伏している組織のメンバー達を探し出すには宝田の力を借りたとしてもあまりに分が悪かった。


 そこでドラグライダーは乗り込んだカオスムーンの支部で偶然見つけた記憶を覗けるヘルメット、通称【リーディングメット】を使い、カオスムーン構成員の記憶から芋づる式に組織の情報を引き出し、時間を掛けて世界にカオスムーンの悪事と存在を公表する資料を揃えるに至ったのだった。


 ――やっぱこれ華織には知られたくないな~、憧れのヒーローがこんな汚い事してるって知ったらあの娘がなんて思うか……考えたくねぇ。


「やめろ! 拙者の記憶を覗くな!」


「おいよせ、せっかく苦痛が無いようにゆっくりとスキャニングしてるんだ。ヘタに動くと首を痛めるぞ?」


 頭を揺さぶってメットを外そうとするハカル中佐だったが、アゴ下のベルトでしっかりと固定されていて、どれだけ頭を振ってもメットは頭に乗ったままだった。


 そして十数分後、


「スキャニング終わり、なにが知りたい竜士?」


「まずはゲートの位置だ。そこが分からないと今後の対策が立てられない」


「じゃあ直近24時間分の行動記憶の映像を逆再生で…」


 宝田のノートPCの画面に開かれたウィンドウで一人称視点の映像が逆再生され始める。


「…………ストップ、再生してくれ、……ここだ」


「これの場所は……東京タワー」


 ハカル中佐がゲートを通って出てきた場所、そこは東京タワーの上空数百メートルの空間だった。


「こんな目立つとこだったとは…」


「でもこれで今後の対策は考えやすくなる」


「ふ、ゲートの位置がわかった程度で我々の侵略を止められるものか」


「どうかな、やってみなけりゃわからんさ………………な!?」


 ハカル中佐の挑発に適当な返しをして過去映像の続きを再び逆再生し始めた竜士達だったが、少し見た先で目の色が変わった。


「おい、お前これは、いや、こいつらとなにを話した!?」


【リーディングメット】の未完成部分、それは音声や記憶映像周辺の音を再現できない事であり、逆再生で映し出された映像が何を話し何を聞いているのかわからなかった。


 そのため、竜士達にはハカル中佐の記憶の中の人物、カオスムーンのメンバーとの会話の内容を知る術が存在しなかった。


「ふ、自分で調べてみな、正義の味方ドラグライダー殿?」



 ・


 ・


 ・


 ・


 ・



 女子会開始からしばらくして魔法結界の反応が現れ、華織達は現場の大型公園に急行していた。


「あ~あ、せっかく話が盛り上がってたのに」


「気を抜かないでねダイヤローズ、この間みたいになにか厄介な武器が出て来るかも」


「私も気を付けます」


 三人は慎重に結界内を進んでいたが、唐突にドアク大佐が現れた。


「はっはぁ、よく来たな魔法少女ども!」


「ドアク!」


「今日こそは貴様たちの最後だ! 我らの新たな力を見よ!」


 高らか宣言したドアク大佐はダークパワーを手の平に収束されると、反対の手に抱えていた大型のアタッシュケースに押し付けた。


 すると、ダークパワーの球体はケースの中にすぅっと入り、数秒もしないうちにケースがガタガタと動き始めた。


 ガタガタガタガタ!! バカン!!!


 ケースが開き、そこから飛び出したものは果たして……、


次回予告

「リーディングメットどこに行ったかと思ったらお前が持っていたのか」

「な、なんだよ。ヒーローが持っちゃ悪いかよ?」

「いやかまわん、もとよりあれは世界征服にはあまり役立たんし」

「なに? 国の要人の重要な情報を知ったり弱みを握る為に作ったんじゃないのか?」

「そんなもの全盛期のカオスムーンならいくらでも調べられるしなんなら捏造もたやすいわ」

「ならなんのためにこんなメットを…」

「……当時から少々物忘れが出始めていてな、昨日食った物や眼鏡の場所を確かめるのに便利な道具を作れと命令したらあれが出来てた」

「まさかの生活補助具!?」


「次回、『悪の共演』お楽しみに~!」


「あ~でも俺も最近思い出せないこと増えたし、今後は使うかも…」

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