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1.戦い終わったあとのヒーローの人生

知り合いと日朝のテレビを見ていてパッと思いついた設定を書きなぐってみたものです。

空想の続く限り書こうと思っていますが、仕事の都合で途切れ途切れになる可能性も…。

読者の皆様に楽しんでいただければ幸いです。

 秘密結社カオスムーン それは世界各地に支部を持ち、裏のコネクションによる豊富な資金力と優れた技術力によって保有する強力な兵器群や改造生物達を用いて国々を征服して支配下に置こうと画策する組織だった。

 しかしその野望はある一人の人物による働きによって白日の元にさらされ、世界にカオスムーン排除の流れが生まれた事で組織は急速にその勢力を弱めていく。


 そして世界にカオスムーンの情報が公開されてからおよそ一年後、各地の支部も各国の働きで壊滅し、最後に残った拠点で最終決戦が始まっていた。



 ―カオスムーン 本拠地ダークサイドムーンベース―


「わざわざ月の裏側まで我々を追ってくるとは、執念もそこまでくると感心するよドラグライダー」


「黙れカオスムーン首領ドン・カオス! お前達に身体を改造されたこの恨み! 今日ここで晴らす!!」


「ふん、こちらこそ返り討ちにして世界に再びカオスムーンの威光を見せつけてくれるわ!!」



 竜騎戦士ドラグライダー、彼は秘密結社カオスムーンによって身体を改造された改造人間兵器で組織の先兵にされる前に脱出に成功した元一般人であった。

 彼は自身の改造された身体やカオスムーンの数々の悪事を独力で世界に晒し、それによって世界はカオスムーン排斥への動きが生まれ、単独ではかなわなかった組織としてのカオスムーンの壊滅まで達成することに成功した。


 そして今、ドラグライダーとカオスムーンのボス、ドン・カオスによる一騎打ちが始まろうとしていた。


 月面に作られたカオスムーンの基地はドラグライダーとドン・カオスの戦いでもびくともせず、二人は大型ドーム内を縦横無尽に飛び回りながら互いに攻撃を繰り出した。


 ドラグライダーの雷速の速さで繰り出される連続攻撃の迅雷拳や10センチの鋼鉄すらも両断する竜断手はドン・カオスに命中こそすれど致命傷といえるほどのダメージは与えられず、反対にドン・カオスの四つ腕から繰り出される攻撃は一発食らうだけでもドラグライターの意識を飛ばしそうなほどの衝撃だった。


「ぐは、つ、強い」


「はっはっは!所詮過渡期の技術で改造されたお前では初期段階の改造人間兵器は相手に出来ても最新技術を取り入れた私に単独で勝つことはできん!」


「ふ、それはどうかな?」


「無駄だ、貴様のスペックは完全に把握している。どうあがいても勝算はない!」


「残念だが、お前の持っているデータは過去のモノだ」


「そうか、では無駄話は終わりだドラグライダー! 死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


 人外のスピードで迫りくるドン・カオスを前に、ドラグライダーはただ一言、こうつぶやいた。


「ドラグメテオキーック!!!」


 ドラグメテオキックとはカオスムーンがドラグライダーを改造した時に実装した脚部をエネルギー放射によって包み込み突撃するドラグライターの必殺技だった。


 しかし、その必殺技もドン・カオスの四つ腕によって防御され、掴まれてしまう。


「無駄だと言ったろう? ドラグメテオキックであろうと私の身体は完璧に耐えられる設計で改造されている。そしてこのままエネルギー放射を続ければオーバーヒートを起こして貴様の身体はバラバラになる。さあどうする?」


「ふ、俺も言ったハズだ。お前の持っているデータは過去のモノだと」


「なにぃ?」


「人間の成長力を甘く見るんじゃねぇ!! これが俺と仲間が生み出した真の必殺技だ!!! ドラグスパイラルバスター!!!!」


 ドラグライダーがそう叫んだ瞬間、彼の背中にあったバックパックから四方向に新たなエネルギー放射が発生し、ドラグライダーの身体は高速回転しながらこれまで以上の勢いでドン・カオスを押し込み始めた。


「うおぉぉぉ、こ、これは、私が押されているだと!?」


「これで終わりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「バカなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 最期の叫びとともにドン・カオスの身体をドラグライダーが貫き、戦いは決着がついた。


 その後、カオスムーンは指導者を失った事で地下に潜っていた残党も短期間でほぼ壊滅し、世界はひとまずの平和を取り戻した。


 ・


 ・


 ・


 ・


 ・


 それから16年後、世界にとってカオスムーンの脅威は過去の物となり、人々は平和な時代を謳歌していた。


 かつて激しい戦いに身を投じていたドラグライダー、彼もまた……


竜士(りゅうじ)さん出勤前にゴミ出しお願いね~」


「はいはい」


「あ、それから帰りに卵とゴミ袋買ってきてもらえる?」


「わかったよ」 


「あと日曜日は買い物に行くから」


「荷物持ちだね」


「えぇ、いつもありがとう」


「こっちこそ毎朝朝食を作ってくれる絵美(えみ)さんにはいつも感謝だよ」


 戦いから2年が過ぎた頃、ドラグライダー(本名 高木(たかぎ)竜士(りゅうじ))はとあるきっかけで出会った絵美(えみ)という名の女性と恋に落ち結婚をして家庭を持つに至り、そして彼はもう一つ宝を授かった。


「行ってきまーす」


華織(かおり)、朝ごはんは?」


「ごめんお母さん、時間ないからいい~」


華織(かおり)、朝はちゃんと食べなさい」


「うっさい、さっさと仕事行きなよ!」


「…………」


 そう間違った育て方をした覚えはないハズなのだが、どういう訳か最近父親に対して辛辣な、しかし竜士にとっては目に入れても痛くない大事な存在、それが愛娘の華織ちゃんだった。


「こら華織!」


「それじゃいってきま~す」


 母親に注意されて足早に出かけいく華織の後ろ姿を見送りながら竜士は食べかけの朝食を完食した。


「気にしないで竜士さん、帰ったら私からきちんと話を」


「大丈夫だよ、むしろ元気があっていいじゃないか」


「もう、竜士さんは優しすぎるわ」


「ははは」


 少々手のかかる娘を抱えながらもよくある家庭の亭主として竜士は満たされた日々を送っていた。


 ・


 ・ 


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 ・


 ・


「しまった、買い忘れた」


 その日の夜、サラリーマンとして仕事から帰宅途中の竜士は家の直前まで着いてから妻の絵美から頼まれた卵とゴミ袋を買うのを忘れていた事を思い出す。


 ――今なら周りに人はいないし、コンビニまでの往復くらいならいいか。


「ドラグチャージ!」


 身体に仕込まれた改造部を起動する音声入力を口にすると、竜士の姿はかつて数多の戦いを駆け抜けたドラグライダーに一瞬で変わった。


「よし、さっさと買って来よう」


 改造人間兵器として強化された脚力は夜の民家の上を楽々と飛び越し、自宅から最寄りのコンビニへ瞬く間に到着しかけた。しかし、そこで竜士はある事に気付く。


 ここでドラグライダーの無数にある秘密の一つを解説しよう。ドラグライダーの視界は光学カメラ・赤外線カメラ・エックス線カメラ・その他複合的なセンサーが搭載されている事によってあらゆる擬態やカモフラージュを見抜く力を持っている。


 そのドラグライダーの視界になにやら不自然な力場が発生しているのが映り、彼はコンビニに向かう足を止めた。


「なんだあれ?」


 なにやら嫌な予感がした竜士は慎重に力場の範囲を確かめて、危険がないかを調べていった。


 ――力場全体はドーム状だな、サイズは大体4~500メートルってところか。しかし、センサーをOFFすると普通の街に見えるってのはどういう事だ? 望遠レンズだけだと普通に街の人も見えるが、全センサーをONにすると何も見えない。


「……行ってみるか」


 原因を考える竜士だったが、結論としては行ってみるしかないという答えになり、謎の力場ドームに突入した。 


 ・


 ・


 ・


 ・


 ・


 力場に入る直前、竜士はもしかすると生き残っていたカオスムーンがまたなにか企んでいるのでは?という疑いを持っていた。しかし、力場内に入るとその考えは否定された。


 力場内部にはかつて世界各地に出没していた改造人間兵器ではなく見た事もないライオンをモチーフにしたイラストのような容姿をした巨大なモンスターが暴れていた。


 ――動物ベースの改造兵器もないことはなかったが、兵器として運用するのにあんな見た目にカオスムーンが作るとは思えない。もしかして奴らの技術を手に入れた別組織か?


 眼前の兵器と思われる存在の出どころを推測しようとする竜士だったが、次の瞬間彼の思考は中断された。


「ピカリィフラワー、足止めするからなんとかして!」  


「まかせてダイヤローズ! 弱点見つけたからもう終わる!」


 突然、ライオン型のモンスターの周囲にフリフリの服を着た二人の女の子が現れ、戦いを始めた。


「な!!? ……な、なんで?」


 二人の女の子の戦いをドラグライダーの視界センサーを通して見た竜士は衝撃で言葉が上手く出なかった。


「ダイヤソードフラッシュ!」


 どこからか無数の結晶体の剣を生み出した女の子はそれを手を使わずに飛ばしてライオン型モンスターを地面に縫い留める。


「そこだ! ピカリィストーム!」


 ライオン型モンスターが動きを止めた隙にもう一人の女の子が持っていた杖から光の束のような物を放ち、それが背中のチャック部分に命中すると、うめき声を上げながらライオン型モンスターは光の粒子となって消滅した。そして元の場所には古ぼけたライオン型のヌイグルミがコロンと転がっていた。


「やったね!」


「ふぅ手伝ってくれてありがとうダイヤローズ」


「気にしない気にしない、この前中間テストの勉強見てくれたお礼だから」


「うん、じゃあまた期末の時に恩売るね~」


「うわ怖~ピカリィフラワーじゃなくてワルィフラワーじゃん」


「うっさい! さてと、それじゃああたし帰るね。家近くだし」


「うんまた明日学校でね」


 2人の女の子が離れていくのを遠目に竜士はただ見送る事しか出来なかった。


「なんで、なんでお前がそこにいるんだ華織!?」


 ドラグライダーのセンサーを通して見た二人の女の子の内の一人の生体反応データは最愛の娘 華織のものと完全に一致していたのだった。 


次回予告

「さぁ、始まりましたムヒムマ」

「なんだそのムヒムマって、っていうかドンカオスお前死んだはずだろう?」

「ふっふっふ、甘いぞドラグライダー、あの程度で私が本当に死んだとおもうのか?」

「なんだと!?」

「この次回予告の場はこれより我がカオスムーンが支配してくれるわ~!」

「それでいいのか悪の組織!?」


「次回、『戦友招集』お楽しみに~!」

「てかムヒムマってなんだ~~~~!!?」


 (昔)、変身 (ヒ)ーローとして悪の組織と~今度は(娘)が(魔)法少女になってるっぽいんだが?


 略して昔ヒ娘魔 (ムヒムマ)


 作者「他に良い略し方があったら誰か教えて~。」

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