十二章終了時 人物紹介②
血染めの少年アレス(リネトアのレジスタンス首魁にしてレナンの弟)
少女の様な可愛らしい顔を持ち、背も低く線も細い為、美少女と間違えられそうなヴリトの少年。
しかし、その美しい姿に似合わぬ”血染め”と言う通り名を持つ。アレスはその名の通り、無慈悲で凄惨な戦い方とする。
彼の本名はアレス ジメイラ グリアノス。
レナンの実弟であるアレスは……レナンと同じく、グリアノス王朝の王位継承者だ。
ベルゥ達新生軍が起こしたクーデターによって、永く続いたグリアノス王朝は滅んだ。そして、グリアノス王家の血を絶やさぬ為、レナンは植民地星アステアへと送られた。
しかしアレスは生まれたばかりだった為、王家を古くから支える一族に守り匿われる。
そして王家主家復興の為、アレスを旗印としたレジスタンスが組織された。
その上で王家の血筋を守る為に、アレスはクラウディアを妻としてあてがわれる。
レジスタンスとして戦う中で、妻であったクラウディアを殺された事が切っ掛けで、アレスは巨大な龍の第3形態へと化身出来る様になった。
そのアレスの第3形態の姿は、漆黒でドクロの様な顔を持ち、凶悪で恐ろしい姿をしている。
その姿の通り、血染めの少年アレスの第3形態は、史上最悪最凶と言われる程の力を持ち、新生軍の大艦隊を容赦なく殲滅する。
クラウディアの死後、アレスの恐ろしさは更に歯止めが効かなくなり、無慈悲で凄惨な復讐者となってしまう。
◇ ◇ ◇
クラウディア(アレスの妻)
長く綺麗な銀髪を持つ、素晴らしく美しいヴリトの女性。
しかし彼女は既に死亡し……肉体を失った、霊魂の状態で彷徨っている。
彼女は王家の血を絶やさぬ為、血染めの少年アレスの妻として選ばれた女性だ。
クラウディアは生前より高い感知能力を持ち、尚かつ突出した実力の騎士であった為、アレスの師としても接していた。
幼くして夫となったアレスを、クラウディアは妻として、師として支え導き……彼もその期待に応える様に戦い続けた。血染めと呼ばれる程の凄惨な戦いを…… 。
死後 クラウディアは、自らの手で幼かったアレスを、修羅の道へ導いてしまった事を深く悔やみ……霊魂の状態で彷徨いながら、アレスの事を強く案じる。
彷徨える魂となったクラウディアは生来の感知態力の高さより、血染めの少年アレスの未来を感じ取り、リネトアから遠く離れたアステアへと辿り着く。
アステアに来たクラウディアは彷徨える魂の状態で、レナンやマリアベル達を見続けた。
そしてゼペドに殺され、自分と同じく彷徨える霊魂となった、マリアベルに未来について語り……彼女と共に、クラウディアは彷徨える魂として……レナンとティア、そしてアレスとソーニャの生き様を見守る事となった。
◇ ◇ ◇
オニル(戦艦ラダ・マリーのAI)
中級万能戦艦エゼケル改め、戦艦ラダ・マリーのAI。
ゼペド達が乗って来た中級万能戦艦エゼケルのAI。そのエゼケルを第二形態となったレナンが体当たりで破壊しエリワ湖に沈没させた。
エゼケルに体当たりしたレナンは、瀕死の重傷を負うが、それを中級万能戦艦エゼケルのAIであるオニルが救う。
レナンが第二形態に覚醒した際……王族の持つ特有な波長を感知した、エゼケルのAIオニルは新たな所有者をレナンへと改めた。
中級万能戦艦エゼケルの正式な所有者となったレナンは、まず最初にAIのオニルにリネトアの知識を求める。
オニルは彼の要求事項に基づき、レナンの脳に必要とされる知識を書き込みする、圧縮学習を施した。
高度な知識を身に付けたレナンは、自らが黒騎士となって戦う為……AIのオニルに戦艦エゼケルを、太古の美しい白い船へと改修させる。
そして、マリアベルへの想いを込めて、改修した白き船にラダ・マリーと名付け、オニルを戦艦ラダ・マリーのAIとして認識させた。
AIオニルはレナンと接する際、量産型警戒用ドロイドをアバターとして転用しているが、その本体は戦艦ラダ・マリーの最重要エリアに設置されている。
◇ ◇ ◇
ラ二(神託を受ける巫女)
神託の巫女見習いである10歳位の程の少女。
彼女達巫女の一族は生来、感受性が高く、他者が感じられない現象を感知出来る。
その為、古くから巫女として歴代の国王に、吉凶を伝えてきた。
アルテリアに居たレナンを、神の声を受けて見出したのも、ラニ達神託の巫女達だった。
王都崩壊の2日前……ラニは”神の怒り”を聞いて、口デリア国王に伝えようとしたが、会う事すら許されなかった。
ラニが受けた言葉通り、ゼペド達の襲撃により王都は崩壊してしまう。
王都崩壊後、ラニは避難所に居たが……彼女の頭の中にレナンからの声が響き、ラニは彼の声をソーニャとアルフレド王子に伝えた。
ヴリトである、レナンのテレパスを聞く事が出来たのは、ラニだけだ。 故に、ラニは黒騎士レナンの声を伝える巫女となった。
◇ ◇ ◇
アルフレド フォン 口デリア(口デリア王国王太子)
囗デリア国王カリウスの一人息子で王太子。現在は12歳となり、利発で心根が素直な少年。
白き勇者であるレナンに強く憧れており、毎朝、彼から剣の修行を受けている。
王都崩壊時……父である国王カリウスを殺されてしまう。生き残ったアルフレドは、否応が無しに国王の代わりとして王都復興の、陣頭指揮を取らされる。
そんな中、王都を救ったレナンより、この世界の真実と迫り来る巨大な脅威について聞かされる。
そしてレナンが、マリアベルの跡を継ぎ、黒騎士として、唯一人で立ち向かい戦う事も知った。
しかし、その脅威に疲弊した口デリア国では、何も出来る事が無い事に……王子として悔し涙を流す。
だが、レナンより更なる襲撃を防ぐ為……自分の存在を消す事と、残していく者達の事を頼まれ、アルフレドはレナンにその約束を守る事を誓うのだった。
◇ ◇ ◇
デューイ(アルフレド王子の護衛騎士)
長身で黒髪に端正な顔付きの男性騎士。アルフレドに忠義深く仕え、彼を護衛する任に就いている。
白騎士のレニータが彼に好意を持っているが、デューイ自身は全く気が付いていない。
王都崩壊後は、いきなり重役を担う事となったアルフレド王子と守ろうと尽力する。
◇ ◇ ◇
レニータ(生き残った白騎士隊の一人)
緩いウェーブ掛かったパープルアッシュの髪を持つ女性騎士。白騎士隊の一人として、黒騎士マリアベルとソーニャ、そしてレナンと共に幾つもの任務に携わった。
気が強いが情に厚く、王都に連れて来られたレナンを案じ、色々気違う。
護衛騎士のデューイの事が好きで、彼に何かと構うが、いつも空回りしている。
ゼペド達による王都襲撃に際して、マリアベルと共にレナン救出に向かった。
しかしゼペドの攻撃を受け重傷を負う。生き残ったレニータは、マリアベルの代わりを務めるクマリと共に王都復興に尽力する。
その後、黒騎士となったレナンと会い……彼のマリアベルに対する深い愛と想いを知って涙するのだった。
◇ ◇ ◇
ベリンダ(生き残った白騎士隊の一人)
オレンジ掛かったショートヘアの強靭な意志を持つ女性騎士。フェルデイを捕縛した際、彼の右耳を切り落とした上で尋問した 。
ゼペド達の王都襲撃時、ベリンダもレニータと同じくレナンの救出に向かい、重傷を負うも生き残る。
黒騎士となったレナンと会った際……ベリンダは生き残った、他の白騎士達と共にレナンの戦いに加わろうと願ったが、彼より白騎士として口デリア王国を守る様に諭された。
◇ ◇ ◇
ルディナ(生き残った白騎士隊の一人)
ブラウンの髪をミディアムカールに纏め、女性らしいスタイルを持つ美しい女性騎士。
その性格も大人の女性らしく優しく穏やかであり、男性からも人気が高い。
不遇なレナンを姉の様に優しく接し慰めるが、その事をマリアベルに嫉妬される。
回復魔法が得意で、白騎士隊では後衛で回復役を務める事が多い。
ゼペドの攻撃を受け、致命傷を負ったマリアベルを何とか癒そうとしたが、叶わずボロボロと涙を流して泣いて悲しんだ。
生き残ったルディナは、王城でパメラと共に怪我人の治療を行った。
◇ ◇ ◇
オリビア(白騎士隊の一人で故人)
綺麗なブロンドをミディアムストレートに整えた美しい女性騎士。
姫殿下でもある黒騎士マリアベルに仕えており、ソーニャ同様にマリアベルに心から敬愛していた。
その為、マリアベルに対し不遜な態度を取る者には、辛辣に当たる。
ゼペド達による王都襲撃に際して、マリアベルと共にレナン救出に向かった。
その際、マリアベルからオリビア自身も含めソーニャを連れて脱出する様に、指示を受けたが……叶わなかった。
ゼペドに向かい、斬り掛かったが返り討ちに遭い、即死してしまう。
◇ ◇ ◇
リース(白騎士隊の一人で故人)
ブラウンの髪をマッシュショートに整えた可愛らしい容姿の女性騎士で、ジョゼ(ティアの親友)の従姉でもある。
騎士らしからぬ、フワフワした言動であるが、白騎士としての任務に誇りを持っていた。
ゼペド達による王都襲撃に際して、マリアベルと共にレナン救出に向かったがゼペドの斬撃を受け、死亡した。
彼女の死は、従妹であるジョゼを深い悲しみに叩き落とした。
◇ ◇ ◇
ナタリー(白騎士隊の一人で故人)
レッドアッシュの髪を前が揃ったボブカットの女性騎士。冷静で理知的な性格をしていた。
彼女も、ゼペド達による王都襲撃時に、マリアベルと共にレナン救出に向かったがゼペドの攻撃で即死してしまった。
◇ ◇ ◇
カリウス フォン ロデリア(ロデリア国王で故人)
グレーの髪を持ち、知的だが細身の鋭く気難しそうな外見を持つ。見た目通り、疑り深く慎重な性格をしていた。
巫女による神託を受け、白き勇者と予言されたレナンを罠に嵌めさせ、従属させる様に王都へ連れてきた。
そのレナンに対し、父トルスティン伯爵の赦免を盾に、ギナル皇国に対する抑止力として戦う事を命じると共に、マリアベルとの間に子を成す様に厳命する。
武闘大会での成果に加え、誘拐事件の解決に尽力した功績で、ティアに謁見したカリウスは……レナンの解放を求めたティアを一蹴した。
尚も食い下がったティアに対し、地下牢へ放り込む様命じたが、レナンが自分の首を差し出して、ティアを救う様にカリウスに懇願した。
隷属の意を示したレナンに気を良くしたカリウスは、ティアの覚悟を鼻で笑って犬の様に追い払う。
この謁見を境に、ティアは更なる強さを求めて茨の道を歩み出し……マリアベルはティアを命懸けで庇ったレナンの心を繋ぎ止めようと、自分の身を彼に差し出す。
ゼペド達による王都襲撃時に国王カリウスは、ゼぺドの攻撃で上半身を切断される。
今際の言葉は、マリアベルとアレフレドに優しく温かい口調で声を掛け、事切れたのだった。
◇ ◇ ◇
フェルディ フォン ルハルト(ルハルト公爵家が嫡子で最低最悪の犯罪者)
カールしたブロンドを持ち、背が高く目鼻立ちの通った美青年だったが、白騎士べリンダによって右耳を切り落とされ、頬にも深い傷を負う。
その刻まれた頬と耳の深い傷は……地下牢に投獄された後、蛆がたかって爛れ、酷い見た目となってしまう。
女性は自分を楽しませる道具程度に考えており、女性を弄んでは冷酷に捨て去る事を繰り返していた最低最悪の男。
娼館で遊んでいる所に羽振りのいい男から声を掛けられ、ティアとレナンを一定期間内に婚約破棄させるゲームの依頼を受け、ティアに言い寄り婚約を破棄させた。
フェルディはパメラ公爵令嬢と婚約していたにも関わらず、他の令嬢にも見境なく手を出し、もてあそんで無残に捨てる事を繰り返していた。
その為、ソーニャ達がレナン確保の折にティアを利用して囮捜査を行い、現行犯でフェルディを捕縛した。
地下牢に放り込まれたフェルディは、看守達より徹底的な制裁を受ける。
沢山の貴族令嬢に連続強姦を行っていたフェルディは、被害を受けた令嬢達の家族から恨まれており、彼を制裁する様に依頼していた為だ。
劣悪過ぎる環境の中……フェルディは、自分を捕縛したソーニャ達、白騎士隊に対する強い恨みを募らせる。
ギナル皇国の間者の手によって、地下牢から脱獄する際……隠し財産の場所を吐かせる為に、自分の父親であるルハルト元公爵を、苛烈な拷問を加えて殺した。
自分を制裁していた看守達も、遊びながら殺したフェルディは……ギナル皇国の間者と共に、パメラ公爵令嬢を誘拐し、同時に自分を陥れたソーニャを連れ去る。
そして、財産の隠し場所でソーニャを犯そうとする中、救助に来たティアに一撃で殴り倒される。その後、ギナル皇国の間者ツェツェンに縋って脱出を図った。
追撃してきたレナンによって、フェルディは殺されそうになるが、重傷を負いながらも何とか逃れ……ソーニャに強い復讐心を滾らせるのだった。
◇ ◇ ◇
ベルゥ(異世界リネトアを掌握した新生軍の首魁)
美しく輝く銀髪と、女性らしいグラマラスなプロポーションを持った、とても美しいヴリトの女性。
しかし、その性格は理知的で感情に踊らされる事が無く、目的の為にならば全てを切り捨てる冷酷さを持っている。
ベルウの右腕には碧く大きな秘石が隠されているが、その秘石は……まるで、切り取って後付けした様な、醜い傷跡を刻む肉腫の上に融合されている。
そして彼女の左腕にはティアが持つ物と同じ、命を奪うとされるアクラスの秘石が十数個……不気味に並ぶ。
ベルゥは“箱庭”と称される惑星アストアを侵略し、彼女達が居るリネトアも武力で完全掌握しようとしている。
アステア侵略の為、ゼペド達現地管理官を派遣していたが……遅々として進まない侵略と、ゼペド達が敵前逃亡した罪を問うて煽り、一気にロデリア侵略を進めさせた。
結果、ゼペド達は死亡したが……最初から始末させる気だったベルゥは一向に気にせず、寧ろ”手間が省けた”とばかり喜ぶ。
ゼペド達を倒したレナンと、リネトアでレジスタンスを率いるアレスに対しては、危険な存在である事を認識しつつ……最後に利用する心算で成長を促す。
彼女の目的は、ベルゥが主と信望する“オリジン”の復活であり、ベルゥはその為に自分自身も含め全てを捧げる覚悟である。
◇ ◇ ◇
ゼペド(ギナル皇国を支配していたヴリト)
ギナル皇国で白き神と崇められる男。彫刻の様に鍛え抜かれた肉体を持ち、その顔も端正で美しいが、その性格は残忍で冷酷。
植民地星アステアに住む人間を軽蔑し、生きる価値が無い家畜と考えている。
家畜と考えていたアステアの民に、ヴリトであるレナンが……赤い首輪を巻かれて従属されている事を知って激高し、ギナルの皇都を半壊させた。
ゼペドは新生軍首魁ベルゥの命でアステアの支配と侵攻を任された現地担当官の一人。
しかし、敵前逃亡した事と、アステア侵攻が一向に進まない事を罪に問われ、ベルゥから最前線送りを指示される。
事実上の死刑を宣告されたゼペドは、自分達がベルゥに踊らされているとは知らずに、一気にアステア侵攻を進めようとする。
その為、同族のレナンを従属しているロデリア王国へ最初に侵攻し、王都を壊滅させた。
立ち向かって来たレナンを倒し、彼を救おうとしたマリアベルを惨殺する。
その事が切っ掛けでレナンは、第二形態に覚醒し……ゼペドは圧倒的な力を発揮したレナンに袈裟切りされた挙句、爆散させられて絶命した。
◇ ◇ ◇
アニグ(ギナル皇国を支配していたヴリト)
カールした銀髪と真白い肌を持つヴリトの民。軽薄そうだが、整った顔立ちをしている。
アニグもゼペド同様、アステアの支配と侵攻を任された現地担当官の一人。
その性格は軽妙だがゼペドと同じく、アステアに住む人間を軽視し、家畜としか思っていない。
ベルゥに踊らされたアニグは、ゼペドと共にロデリア王都を襲撃するも、第二形態に覚醒したレナンに切り刻まれて死亡する。
◇ ◇ ◇
メラフ(ギナル皇国を支配していたヴリト)
頭が切れそうな切れ目を持ち、神経質そうなヴリトの男。
メラフは血染めの少年アレスに対する異常な恐怖心から、レジスタンスとの戦いで戦況不利となった途端、ゼペドの反対を押し切ってエゼケルを後退させた。
この敵前逃亡が切っ掛けで、メラフやゼペド達はベルゥよりアステアの現地担当官を解任され、実質の死刑宣告である最前線送りを指示される。
それを回避する目的でベルゥへ成果を示す為、ゼペドと共にロデリア王都を襲撃するも、第二形態に覚醒したレナンに体内から串刺しにされ絶命した。
いつも読んで頂き有難う御座います! 今回も人物紹介です。
文章量今回も多いですが、何とか二回で人物紹介終わらしたかったので、ご了承願います。
次話は11/7(日)投稿予定です、宜しくお願いします!