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215)行動開始

 いつも読んで頂き有難う御座います。今回、残酷なシーンが有りますので、苦手な方はスルーして下さい。

 フェルディの拷問により耳を切断された看守。


 看守の男が絶叫する中、フェルディは切断した彼の右耳を看守の男に見せびらかしながら囁く。



 「……調子に乗っているのは、お前の方だ……。今から俺にどんな目に遭わされるのか理解していないな? まぁ、お前がどんなに泣こうが、喚こうが……やる事は変わらんがな……」


 「グギイイィ! ど、どうか……お助け……ハギャア!」



 囁くフェルディに看守は命乞いをしたが、無駄だった。フェルディは行き成り彼の左耳も斬り落とした。

 

 両耳を切り落とされた看守は、痛みで喋る事も出来なくなったが……フェルディは構わず歪んだ笑顔を浮かべて囁く。



 「……無駄だよ……俺がどんなに泣いて助けを求めても……お前達は、その手を止めなかっただろう? だから俺も手を止めない……。お前も、横のゴメスも……弄り尽くして殺してやるよ……。あぁ……ゆっくりとお前達を遊びたいのに……時間が無いのが残念だよ!」


 「ギャアアア!!」


 フェルディは悔しそうに呟いた後、看守の肩を突き刺した。突き刺された看守は目を大きく見開いて絶叫する。


 「……そうそう、お前達は……嫌がる俺を抑え付けて……無理やり“やって”くれたよな……。お蔭で、良い思い出が出来たよ。だからさー、俺、ずーっと考えてたんだ!

 此処を出たら、“あの女達”だけで無く……お前達に、どう恩返ししてやろうかってな……。その一つがコレだよ……」



 そう言ってフェルディは暗い部屋を灯す松明に向かい、手に持った剣を火で炙る。



 暫く火に炙られた剣は先端が赤くなり高熱を保っている様だ。



 「さぁ、最初はゴメスからだな……、お前も好きモノだから……コイツで喜ぶだろう」


 フェルディは呟きながら、血塗れで倒れている大柄な看守の背後に回った。


 彼がゴメスと言う男なのだろう。この看守は男色家で、散々フェルディを弄んだのだ。



 ゴメスの背後に座ったフェルディは……赤熱した剣を迷う事無く、彼の尻に深く突き刺した。



 「グギャアアアアア!!!」


 大柄な看守ゴメスは、この世のモノとは思えない絶叫を絞り出し……そのまま絶命する。



 「……なーんだ、だらしのない奴だなー。一発で昇天しちまったか。次はお前だな……」



 そう言って血に塗れた剣を、再度松明で加熱する。もう一人の看守にも同じ事をする気なのだろう。


 「……ど、どうか……あぐぅ……お、御慈悲を……」


 息も絶え絶えに、命乞いをする看守を無視してフェルディは大声で叫ぶ。その顔は狂気で歪んでいた。


 「……ゴメスの馬鹿が死んじゃったから、貴方一人で、罪を背負うのです! 良かったですね、まだまだ、こんなモンじゃ無いですよー!!」



 フェルディは嬉しそうに叫びながら、横に転がる看守の顏に赤熱した剣を当てる。


 「アアア!」


 顔を焼かれた看守は絶叫して体を震わせた。



 「時間が許す限り……お前で遊んで……次はあの女だ……。その為には、やっぱりパメラを餌にするか……。公爵令嬢だから身代金も充てに出来そうだし……。遊ぶにも都合が良いな。あああ、やる事が一杯で楽しみだ!」



 フェルディの中では、牢獄中に妄想したソーニャに対する復讐の為の手だてを無数に生み出していた。その中に元婚約者のパメラを攫う案も考えていた。


 そして彼女達を、どう“遊ぶ”かも……。復讐が実現化しそうな現状にフェルディは喜びを噛み締めながら、足元に転がる看守への拷問を続行する。


 看守達を殺しても、フェルディの復讐は終わらない。ソーニャ達白騎士隊を皆殺しにするまでは……。



 その為には、この男は何でもするだろう。


 こうして……忌まわしい怪物が王都に放たれる事となってしまったのだった。





  ◇   ◇   ◇





 来襲したギガントホークの群れにより、中止となった武術大会の決勝戦。レナンが見守る中、ティアとマリアベルは次回の決勝戦での再戦を誓い合う。


 そんな時、舞い込んだ次なる災厄はティアとマリアベルの親しい者達が攫われる、と言う最悪の事態となった。




 ティアとマリアベル達は、攫われてしまったソーニャとパメラ達を救出する為、行動を開始した。


 彼女達と行動を共にしているのは、ティアの仲間達と白騎士のベリンダとリースだった。学生のリナとジョゼは巻き込む訳にはいかないと判断し、この件は伝えていない。




 「……ふむ……、此処がソーニャの魔道具が捨てられていた場所か……」


 マリアベルは魔道具が捨てられていた現場に到着し、周囲の状況を整理する。連絡が付かなくなったソーニャ達の足取りを掴む為だ。



 ティア達は、足掛かりとなる痕跡を探す為、周囲を捜索したが……。



 「……ダメです……。ソーニャさん達の痕跡は見つかりません」


 見つからない痕跡に、白騎士のリースが残念そうに呟いた。


 「にも関わらず……ワザと見つかりやすい場所に騎士服と、通信用魔道具を置き去りにするとは……。明らかに煽ってるな」


 「……クソ、ふざけやがって!」 


 ベリンダは攫われた状況にも関わらず、キチンと置かれた騎士服と魔道具の様子から……犯人が挑発している事を告げると、近くで聞いていたバルドが悔しそうに叫ぶ。



 「でも……どうするの? この魔道具って……離れた場所に居る相手の声を聞く道具なんでしょう? それが無いとソーニャ達とは……」


 「……ふむ、どうしたモノかと悩んでいたが……ティアの顔を見て思い出した事が有った」


 その状況を見ていたティアが横に居るマリアベルに問うと……彼女は兜越しにティアをジッと見つめていたが、何かを思い出した様に呟いた。


 「何で、私の顔を見て思い出したのかは、謎なんだけど……手は有るのね?」


 「ああ……聡明なソーニャなら、きっと手を打っている筈だ……今説明する」



 そう言ってマリアベルは、懐から見慣れぬ銀色の皿を取り出したのであった……。



 いつも読んで頂き有難う御座います。次話は10/25(水)投稿予定です、宜しくお願いします!

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