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135)ダイオウヤイト討伐-8(共闘へ)

 ティア達を助けた後、マリアベルは白騎士オリビアと共にダイオウヤイトを駆るギナル兵達を追って森を進んでいたが敵の進路を確認する為、立ち止まっていた。


 そこに彼女達の後を付けていたクマリ達に遭遇したと言う訳だ。



 クマリはティアの要望通り、マリアベル達の元にティア達を連れていき共闘する旨をマリアベルに伝えたのであった。




 「……なるほど……、それで我々との共闘を望むと……、ふむ……気骨は買うが、足手纏いは困るぞ?」


 共闘の申し出を受けたマリアベルはティアに向かって冷静に答えた。


 「た、確かにアンタは強いわ! だけどアンタ達はたった二人でしょ? いくらアンタが強いったって……」


 マリアベルの言葉に、どうしてもミミリを助けたいティアは食い下がる。


 「無礼な小娘め! 此処におられるのは英雄騎士のマリアベル様だぞ!? 口を慎め!」


 「黙れ! 貴様こそ、ティアお嬢様に対して何だ!」


 ティアの言葉に対してマリアベルの横に控えていた白騎士のオリビアが大声で抗議した。しかし、すかさずティアの横に居たライラが反撃した。


 

 オリビアとしては公にされていないが姫殿下であるマリアベルに対し不遜な態度を取るティアを許せなかったのだが、それは伯爵家長女であるティアに仕えるライラも同じであった。


 「構うな、オリビア。……確かに我等は二人だが、野盗に扮したギナルの者等恐れるに足りぬ」


 「まぁ、そう言うけど……マリちゃん、人質救出に人手はいるでしょ? 王都からの応援を待ってたんじゃ、捕まってる連中どうなるか分んないし。手段を選んでる場合じゃ無いんじゃない?」



 オリビアを制して応援の申し出を断るマリアベルに対し、クマリが横から口を出した。


 「黙れ、クマリ! そもそもお前は……!」



 クマリの言葉を聞いたオリビアが激怒するが、マリアベルが手で合図して彼女を制止した。



 「一つ聞きたい、レナンの姉、ティア フォン アルテリア……。お前はレナンの件で……私の事を忌み嫌っていた筈。何故に共闘を望む?」


 「……く、悔しいけど……アンタの言う通り、今の私は……アンタより弱い。その所為で、師匠の足を引っ張って危険に晒した……。でも、どうしても友達を、ミミリを助けたいの! その為なら、私は……!」


 マリアベルの問いに、涙を浮かべながら本気で悔しそうに歯噛みしながら答えるティア。


 「まぁ、良いだろう……。ずぶの素人ならともかく……そちらにはクマリも居るし、そなたらも多少は使える様だしな……。但し、足を引っ張るのだけは御免こうむるぞ?」


 「……こっちも好き好んでアンタと手を組むんじゃ無い。あくまで目的はミミリよ! ミミリを助けるまで出し惜しみをする心算は無いわ!」


 「……楽しみにさせて貰おう……。行くぞオリビア」



 啖呵を切ったティアに対しマリアベルは静かに答えた後、オリビアを伴ってその場を離れた。


 去り際、オリビアはティア達を睨みながらマリアベルの後を追う。



 ティアも負けじとオリビアに対し睨み返してやった。そんなティアの様子を見て、後ろに居たバルドが口を出す。



 「……大丈夫か、ティア御嬢さんよ……? あの黒騎士はレナンを連れ去った仇敵だぜ? それを、その……ミミリを助ける為とは言え一緒になんて……」


 「ホントなら絶対嫌だけど……、ミミリの命に代えられるモノなんて無いって思っただけ。ミミリを助ける為だったら、敵のアイツにだって頭を下げる。いいえ、寧ろ利用してやるんだから!」


 「そうか……すまねぇな、此処には居ないミミリの代わりに礼を言わせて貰うぜ」



 バルドの言葉にティアは力強く宣言し、対して彼は素直にティアに礼を言った。


 レナンが居た頃のティアなら、絶対に仇敵との共闘等など選択しなかった筈だ。バルドはティアの強い覚悟と成長を素直に共感したのであった。



 しかし師匠のクマリは甘くは無かった。



 「……相変わらず、みっともない奴だね……。まぁ相手がマリちゃんなら仕方ないだろ。偉そうな事言ってるけど、ティア……今のお前はマリちゃんの足元にも及ばない。

 利用してやる心算の気概は良いが、折角のチャンスだ。マリちゃんの横にべったり張り付いて、技なり剣の腕なり盗んでやる気で無いとな」


 「は、はい……」


 クマリの忠告に、ティアは歯切れが悪そうに答える。どうもティアはマリアベルに近付きたく無い様だ。



 そんなティアの様子を見ながら全員に告げる。


 「良いか、ライバルの思わぬ登場に……良い所全部取られちまったが、今度は私等の番だ! 

 私等がマリちゃん達に借りを作る! そしてミミリを助けて、ついでにギナルのカス共とダイオウヤイトを纏めてぶっ倒そう! 

 他ならぬ私等の手でね! そうすりゃ、ダイオウヤイト所じゃねェ、王都の連中も腰抜かすぞ!? せっかく覚悟決めたんだ、何が何でもやってやれ!!」


 「「「応!!」」」


 クマリは大声で発破を掛ける。


 彼女としてはティアやバルド達にこの救出作戦を辞退して欲しかったが、この状況では腹を決めるしか無い様だ。


 クマリの声にティア達は決意新たにマリアベルとの共闘に臨むのだった。


いつも読んで頂き有難う御座います!


 追)一部見直しました! ライラ空気だな、と思ったので……。

 追)一部見直しました!

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