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124)危険な依頼

 クマリからリスクのある依頼を受けるように指示されたティア。


 彼女は師匠であるクマリに問い返す。


 「依頼、ですか……?」


 「ああ、確かにお前は秘石の力を使いこなし始めた……。それで現役白騎士の妹ちゃんとサシで戦えるようにはなった……。だが、それだけだ。

 今のままじゃ、誰もお前の事を知らない。お前の名が世間に知れ渡らない限り……ギルドの推薦を得る事なんて不可能だ。だからこそ、お前は挑み続けなければならない……他の奴らが尻込みするような……ヤバい依頼をな。……どうだ? それでもやんのか?」


 クマリの問い掛けに対し、ティアの答えは分り切っていた。


 「はい! 私は……レナンを取り戻す為なら……頑張ります!」


 「良い心がけだ! そんなお前にやって貰う依頼はコレさ!」


 そう言ってクマリは一枚の紙きれをティアに渡した。それは冒険者ギルドの印が押された魔獣の討伐依頼書だった。


 ティアはその依頼書を手に取り内容を見て声を上げた。


 「……ダイオウヤイトの討伐!? し、師匠……その、ダイオウヤイトって……何ですか……?」


 「全く、何も知らんのだね! このアホは! 良く聞きな、ダイオウヤイトは全長5m程の大きさで、巨大なハサミの様な前腕と、酸を噴射する長い尾節を持つ化け物さ。

 その上性質は獰猛で動くモノなら何でも襲う。無論人間もコイツにとっては格好の餌だ。

 その為……ギルドから討伐対象となってる魔獣だが……。ダイオウヤイトは鋼鉄の様な頑強さを持つ外骨格を持ってるから、剣も魔法も通りにくい。

 そんな訳でこの怪物は、中規模災厄指定魔獣になっている訳だが……最近、王都外れの森でコイツが現れた」


 「そ、そんな化物が……」


 クマリの説明を聞いてティアは青い顔をして呟く。


 ダイオウヤイトはサソリと似た姿の危険な魔獣で中規模災厄指定魔獣に指定されている。中規模災厄指定魔獣とは、強力な魔獣が引き起こす災厄の程度によって指定されるランクの事だ。


 レナンが倒したキンググリズリーと同じく、それは人口200名程度の村を単独で滅ぼす事が出来ると予想される災厄レベルだ。


 戸惑ったティアに対し、クマリは説明を続ける。


 「まぁ。流石に戸惑うのは分る……。だが、安心しろ! 中規模災厄指定魔獣は単独で討伐は行われない! 先月の巨獣の様に騎士と共に私等冒険者で討伐隊を編成するのさ!」


 「討伐隊ですか……? で、でも私の様に低ランクじゃ……参加資格も無いんじゃ……」


 クマリの言葉を受けたティアは、レナンと会う為に巨獣討伐隊に申し込みしたが、自分のランクが低くて出来なかった事より彼女に問い掛ける。


 「……確かにお前のランクは5等級だ……。本来ならこうした討伐任務には参加出来ないが……、今回は特別さ! 

 何せ前回の巨獣討伐で大勢の冒険者が死んじまった事も有り、このダイオウヤイト討伐に全く人手が足りて無い。

 それに……今回の討伐依頼を辞退する連中も多いって話だ。まぁ巨獣討伐の際、レナン君一人で倒した様なモンだったからな……。自信を無くしたのか、割に合わんと思ったのだろう」


 「……レナン……」


 クマリから巨獣討伐の折、レナンが活躍したと聞いて、ティアは嬉しそうな声を上げる。


 そんなティアを見ながらクマリは説明を続ける。


 「そんな訳で……ギルドとしては参加条件を見直したって訳だ。騎士隊の方も前回の巨獣討伐で損害が大きく、今回の討伐隊に戦力は回せん。そんな理由で人手が足りんって話だ。

 だから、5等級のお前でも討伐隊に参加出来る。その討伐隊でティア、お前がダイオウヤイトを倒して見せんのさ! 大勢の連中の前でな!」


 「は、はい! やってみます!」


 クマリの言葉にティアは力強く答えた。クマリはそんなティアに釘を刺す。


 「やる気が有るのは上々だが……、参加条件を見直したって事は、討伐隊の戦力は低い。それだけに危険は多いぞ……。気を引き締めな!」


 「は、はい!」


 こうしてティアはダイオウヤイトの討伐隊に参加する事となったのだった……。


いつも読んで頂き有難うございます! 長い出張ももう少しで終わりそうです。そうすれば日常に戻れますので、色々改善出来ると思います。ご迷惑をおかけしますが何卒お願いします。


 次話投稿日は12月11日予定です。よろしくお願いします!


 追)一部見直しました!

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