個性豊かなメンバー。
なんかこう、新しい感じの短編小説を目指しました。
(短編とは言っても一つ一つを細かく出そうかと、書きながらですので)
人を選び取りそうな感じがプンプンするのは作者とて分かっている。
最早最初の作品がこれなのだから、人が寄り付くのか心配である。
この店舗では十一時入店ストップ、十一時半にオーダーストップ、十二時には閉店。大体の場合は十一時半過ぎ程度にはお客様は帰っているのだが……どうやら今日は一筋縄ではいかないらしい。お客様は退店された所までは良かったのだが、団体様が二団体居たことにより、フロアの作業、及びキッチンの作業も通常通り進んでいるとは言い難かった。
因みに、時計は十二時を指していた。十一時まで手伝って、マネジメント作業に戻ろうと思っていたが、そうもいかない。
「やっぱジンクスあったよね、十時過ぎにあれ言ったらよくないよー」
「いやぁ……今日は行けると思ったんですよ! 口から期待が零れちゃって……あはは」
お客様が帰った後、席の片付けを行いながら話しているフロアの藤田と村上。
「ジンクスって何ですか?」
下げの手伝いに来たところ、どうやらこの店にはジンクスが存在するらしい。
「村上君が何時も見たいに、お客様が少なくなった時に『今日は暇ですねー、このまま暇なまま終わればいいのになー』って、何時もそれ言ったら来るって言ってるのに。今日もラスト前に忙しくなったし。これが村上君のジンクスですねー」
「いやいや、毎回じゃないですって」
手をぶんぶんと振りながら村上さんが否定する。
「殆ど毎回じゃない、私だって期待はしてるけど口には出さないようにしてるんだからー」
「いや、まぁ……そうですけどねぇ、ついつい」
アハハ、という風に笑って誤魔化す。
「そう言ったジンクスがあるんですね、ついつい口に出しちゃうのは仕方ないですよ、私もついつい出てしまいますから」
「そうですよねー、分かりみを感じる」
どうやら悪くないフォローの仕方だったようだ。普段こういった気を使う場面であまりよろしくない言い回しの結果、場の空気を悪くしてしまうのが多かったので、安心した。
「それじゃ、自分拭くので下げお願いしますねー」
「はいはいー、よろしくー」
お互いにさらっと自分の作業に戻ってゆく。自分も下げを多少手伝ったので、キッチンの作業に戻ろう。キッチンでは長崎さんが洗い場を、新堂さんがその他片付け等を担当している。キッチンのラストはこの二人になることが多く、この二人が居ればキッチンは安心できるという声が多い。
「今日洗い場途中で引き継いだからな、ごめんね長崎―」
今日九時から十一時までは新堂さんが洗い場をやっており、ラストだけ長崎さんだったのだが……予想外の客足に引継ぎまでに片付けが出来ていなかったと言う。
「いいっすよ、ラストでどれくらいあってもそんな変わらないんで」
低い声で長崎が返す。
「こっち早めに終わったら、洗い終わったやつを片付けるの手伝うわ!」
二人で組むことが多いからか、慣れた手つきでお互いの作業を進める。普段の仕事が早いだけでなく、何時もの動きがあるのだろう。
「お二人とも早いですね」
「そうですかね? 何時もはもっと村上とかと話しながらやったりしてるからゆっくりやってるんですけどね」
「そうなんですね、話しているってどんなことを話されてるんです?」
時間が押しているが、気になったので聞いてみる。
「適当ですよ、ゲームの話とか……なんか適当にその時のノリで話してる感じですね」
「いや、新堂さんが頭空っぽにして脊椎で喋ってるだけですやん? あ、あとガリ持ってきたからパス」
「お、ありがと」
村上さんがガリの入った容器を新堂さんに渡す。おもむろに容器を持ち上げ、逆さにし……そのまま口に放り込み、残った容器は洗い場へと渡した。ガリ自体は出している分は持ち越せないので捨てるから食べても構わないのだが……ガリをそのまま食べることに驚愕する。普通だったらお寿司か何かと一緒に食べるのではなかろうか。
「これこれ、マジ美味いわ」
「ガリそのまま食べて美味しいですか?」
「おいしいですよ? あ、でも長崎が村上に一つ食べさせたら吐きそうになったとかって聞いたんだけど」
村上さんの肩をポンポンと叩き、心配しながらも嘲笑するような表情をする。
「五月蠅い、生姜自体が得意じゃないんだよ。しかもさ、俺苦手だって分かってたから、要るか? って言われたときに、一枚で良いですって言ったんだけど、ガバッて取って、いけるいけるって言うもんだから、いったわけよ。案の定だったけどね」
「長崎やるやん」
爆笑しながら洗い場に居る長崎に振り返り、サムズアップをしている。
「生姜苦手なんですね……」
「えぇ、店にあるのだったら……ほかにはおろし生姜とか薬味にあるけど、あれも食べたことないですし」
「もったいないよねー、生姜食べないって」
フロアでお酒の片付けをしていた藤田さんが戻ってくる。ジュースを取り出したポットを持っている。
「あ、新堂君これ飲む?」
「飲みます飲みますー」
そういってポットを両手で受け取った。片手に一つずつ持っている、コップを取り出すには一度置かねばならないが……先ほどのガリ同様、口に触れないようにしてポットを浮かして飲み始める。
「凄いよね、これ」
皆同様に驚きはしない。いや、私は驚いているのだが。ここでは此れが日常らしい。新堂さんがムードメーカーであるのは既知の事実ではあったが、ここまで面白い人だとは。
「うぉあ、やべっ」
「あぁもう、零してる」
ぱたぱたと仰いで首元からジュースが入らないよにするが、
「冷てぇ!」
どうやらダメだったようだ。
「とりあえず、サクッと終わらせて帰りましょ。新堂君もまだ飲むなら飲んで、洗い場に出しておいてね」
ジュースのポットを新堂さんに渡して藤田さんはフロアの片付けに戻った。村上さんもフロアとキッチンの間のサービスエリアで作業に、キッチンのお二人も各自の作業に戻った。もう少しキッチンを手伝ったらこちらの世界での自宅に帰って、残りのメッセージなどの確認を行おう。作業中にどうやら追加でメッセージが入った様な通知音がしていた。新たに何か伝えることがあったのだろう。
如何でしたでしょうか。
選び取られた方のみがこちらを呼んでいただけているかと……。
ゆっくり投稿していくつもりですので、どうぞ温かい目でお見守りくださいまし。
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多少落ち着いたら普段の事とか呟いたりしたかなとか考えてます!
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