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気がついたら魔神でした  作者: ヴァル原
第1章 フィエンド大陸編
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気がついたら美少女?でした

主人公の姿が変わってからの身長5㎝UPしました。このことに関しては完全な作者の気まぐれなので、

「へぇー。そうなんだ。」

くらいで済ませてくれると助かります。

  森とは違い、 街の中は活気にあふれていた。俺は人がいるというだけで少し安心した。きっと、この世界にきてから人と会うことがなかったためであろう。

  しかし、どうもさっきから人の目が気になる。俺の見た目はそんなに変なのか?まあ、そんなことを気にする俺ではない。

  街並みはヨーロッパを思わせるような石造りの建物が並んでいる。また、通路では屋台もやっており、串焼きの店の前には行列ができていた。


  「俺も買おうかな…。」


  食事は必要ないが、別に食べてはいけないというわけではない。


  「あ、でも俺金持ってないや。」


  ここにきてやっと自分の所持金がないことに気づいた。食事などはどうとでもなるが、さすがに宿には泊まりたい。

 

  「そういえば、衛兵がギルドカードとか言ってたな。ということは、ギルドがあるってことだよな。」


  ギルドと言えば、ゲームなどではモンスターの討伐などの依頼を受けることができるところだ。そこでいくつかの依頼を受ければ少しくらい金が貯まるかもしれない。


  「よし。」


  俺はとりあえずギルドを探すことにした。とは言え、俺には「ヨグ・ソトース」があるのでギルドの位置はすでに分かっていた。

  早速、ギルドに向かおうとした。が、そのとき聞こえた声に、少しばかり足を止めてしまった。


  「そこのお嬢ちゃん。俺とちょっと遊んでかねぇか?」


  俺はどこの世界でもこういう奴はいるんだなと思いつつ、再び歩き始めた。

  助けてあげたいのは山々だが、まだ自分の力を人間に向けるなんてことはできない。下手をしたら殺してしまう。

  俺は早くその場から離れようとした。


  「おいおいお嬢ちゃん。無視はねえだろ。」


  俺は肩をつかまれた。


  「へ?お、俺のこと?」


  「他に誰がいるって言うんだ?」


  意味がわからなかった。もしや、この男はそういう趣味なのか?しかし、この男はしっかり「お嬢ちゃん」と言っていた。なんでだ?

  そのとき、俺は男の後ろに大きなガラスのある建物があることに気づいた。ちょうどいいと思い、俺はその店に駆け寄り、ガラスで自分の姿を確認した。

  すると、そこには以前の俺からは想像もできない、絶世の美少女がいた。


  「まあ、何ということをしでかしてくれたのでしょうか。」


  あまりの変化に某リフォーム番組のような一言を言ってしまった。

  おそらくこれも魔神になってしまったことが原因であろう。まったくあの魔神は…。こうなることが分かっていたのなら、しっかりと説明して欲しいものだ。

 

  「おいおい、どうしたんだ。早く俺とどっか遊び行こうぜ。」


  「うるさい…。」


  俺はガラスに寄りかかりながら、少し、本当に少しだけ“威圧”をした。


  「ひぃっ!!!」


  すると、男は腰が抜けたのかその場に座り込んでしまった。とりあえず、これでこいつは黙ってくれるだろう。

  俺はもう一度、自分の姿を確認した。

  銀色に輝き、腰まで伸びた髪。まるで燃え盛る炎のような赤い瞳。白くツヤのあるなめらかな肌。凛々しくも、可愛くも、美しくもある顔立ち。身長は少し縮んで165㎝くらいになっていた。今気づいたが、声も変わっている。そして不思議なことに、身長が縮んだにも関わらず、なぜか服のサイズはぴったりだった。まあ、それならそれでいいのだが…。

  しかし、これで人の視線を感じる理由がわかった。俺だったらもしこんな美少女(まあ、男何だけどね…。)にあったらその場に固まって凝視してしまうだろう。そう、丁度あの衛兵のように…。

  しかし、こうなると“偽装”したステータスの性別の部分が気になるが、まあ問題ないだろう。

  俺はその場にナンパ男を置いて、今度こそギルドへ向かった…。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



  「ここがギルドか。思ってたよりもでかいな。」


  この街のギルドは5階建てで、他の建物よりもかなり大きかった。

  ちなみにここまで来るのに、少なくとも10回以上もナンパにあった。まったく…。今は性別ないとは言え、元男にナンパなんかしないで欲しいものだ。

  俺はギルドの中に入った。すると早速、むさ苦しい男たちがこっちを見てきた。本当にやめて欲しい。

  俺はそんな男たちを無視して受付まで早足で行った。

 

  「ギルドに登録をしたいんですけど…。」


  「………。」


  「聞いてます?」


  女でも見とれるほどなのか?


  「…も、申し訳ありません。登録ですね。では、この用紙に記入をお願いします。最低でも名前の記入はお願いします。それとスキルについては書いているとこちらからオススメの依頼などをお伝えすることが出来ます。また、書けない項目がありましたら、そのままでも問題ありません。」


  「はい。」


  俺は用紙に名前、スキル(偽装したもの)だけを書いて渡した。出身地とかの項目もあったが、書いたらへまをしそうなのでやめておいた。


  「これでいいですか?」


  「…はい。問題ありません。では、この用紙をもとに登録とギルドカードの作成を行います。カードは明日の午後にギルドへ受け取りに来てください。そのときにギルドや依頼について説明をさせていただきます。」


  「わかりました。」


  俺はそういうとすぐにギルドから出て行こうとした。何でかって?それは…


  「おい、嬢ちゃん。ちょっと待ちな。」

 

  こうなる予感がしていたからだ。


  「…何ですか?」


  「おめえ、ギルドに登録するのか?」


  「はい。もう登録はしましたし、ギルドカードは明日もらいに来る予定です。」


  それを聞くとギルドの中が静かになったが、それも一瞬で、奴らときたら全員揃って…


  「「「「ギャハハハハ。」」」」


  爆笑し始めた。


  「ハハハハハハ。あ〜腹いて〜。おいおい、嬢ちゃん。冗談言うんじゃねえよ。」


  今度は俺の目の前にいる奴が話し始めた。


  「おめえ見たいな可愛い嬢ちゃんにこんなに危険な仕事できるわけねえだろ。」


  さすがにここまで笑われ、冷やかされると俺でも頭にきた。しかし、こんなところで俺が暴れでもしたら、こいつらは国ごと跡形もなく消えてしまいかねない。


  「冗談言ったつもりはないんですがね。まあ、仕方ないですね。俺を見た目でしか判断できないような人しかここにはいないですから。」


  やっちまった。何をやっているんだ俺は。たしかに少し言い返してやろうとは思っていたが、さすがにこれはやりすぎだ。男たちは俺のことをすごい形相で睨んでいる。


  「ほう。言うじゃねえか…。いいだろう。そこまで言うなら決闘で白黒はっきりさせようじゃねえか。」


  そうして俺はこのアホと決闘をすることになってしまった。


 

 


 

 

 

 


 

果たしてアホの運命はいかに?

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