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気がついたら魔神でした  作者: ヴァル原
第2章 カラドボルグ魔法学園編
55/164

気がついたらやり過ぎでした


ーーールネSIDEーーー



「うわぁぁぁ!!!」


僕、ルネ・サテライトは宙を舞っている。何故こんなことになっているのかというと、きっとアスモデウスさんのせいだろう。

突然連れ去られたかと思えば、これまた突然魔神教徒たちと戦うと言われ、挙げ句の果てにはその魔神教徒たちに向かって投げられたのだ。

『風装化』を使えば落ちる前に何とか態勢を整えられたかもしれないが、焦った僕にそんな瞬時の判断が出来るわけもなく……。


「ぐふっ!?」


「うわあ!?」


僕は誰かに激突した。


「くっ!一体なんだ!」


当たった人が何か言っているようだが、僕はそれどころではない。

あの頭が狂っていることで有名な魔神教徒たちの中に投げ込まれたのだ。


「僕はもう駄目だ。」


「おいお前……。」


「戦さの始まりじゃ〜〜〜!!!」


当たった人が僕を心配したのかもう一度声をかけてくれたが、その声は途中でアスモデウスさんの声に掻き消された。

僕はゆっくりと目を開け、アスモデウスさんの声がした方を見た。


「あはっ!あはっ!あははは!!!」


「…………。」


僕は絶句した。そこには魔神教徒たちがアスモデウスさんによって吹き飛ばされていく光景があった。

僕がその光景を見ていると不意にアスモデウスさんと目があった。アスモデウスさんはそんな僕に向かい何かを言った。

きっとその何かは優しい言葉だったに違いない。「気をつけて。」とか。「頑張れ。」とか。そう言ったものに違いない。

そう、決して、


「休んだらどうなるか分かってますよね?」


何て言葉を言ったはずがない。

僕は覚悟を決める。


(ここに来た時点で逃げ場はないね。それに今動かないと後でアスモデウスさんに……。)


僕は軽く体を震わせながらも、腰に下げている剣を抜く(アスモデウスさんの特訓を受けていたため装備していた。)。

そんな僕の様子を見て、3人の魔神教徒がこちらに向かって走って来た。全員、剣を装備していた。しかし、その動きは実に単調で遅い。

僕は焦ることなく、魔神教徒たちの剣の動きを見る。

右斜め上、左、後ろ、前。魔神教徒たちが必死になって剣を振るうが僕には一撃も与えることが出来ない。


「そんなものでは、アスモデウスさんの特訓には耐えられないよ!」


僕はその言葉と共に動き出す。


「はああああ!!!」


一線。それだけで十分だった。

僕の放った一撃は3人の魔神教徒の剣を弾いた。それに焦った3人に僕はすかさず追撃を加える。今の僕のステータスであれば気絶させることくらい容易い。

あっという間に僕の前には3人の気を失った魔神教徒たちが並んだ。

しかし、そんな3人のことなど気にすることなく、僕はアスモデウスさんの方を向く。アスモデウスさんは僕を見ていたらしく、すぐに目があった。

そして、アスモデウスさんは少しだけ難しそうな顔をする。それに伴い。僕の鼓動はドクンドクンと高鳴る。今の戦いをアスモデウスさんがどう判断するのか。僕の未来がかかっている。


(どうにかなってくれ!)


心の中でそう叫ぶ僕にアスモデウスさんの判断が出た。

アスモデウスさんは右手を前に出し、そして。


ぐっ!


親指を立てた。

僕はその様子を見てホッとした。どうやらどうにかなったらしい。僕はアスモデウスさんから目を離し、魔神教徒たちへと向き直る。

まだ、戦いは始まったばかりだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーーーアスモデウスSIDEーーー



完璧最強無敵に可愛いイヅナ様の恋人のアスモデウス、そう、私!

その私は現在、魔神教とかいうものの教徒ゴミの皆さんと戦っているところです。そもそもこの連中は魔神教徒とか言っておきながら、イヅナ様という存在に気づかず、創造神くそやろうにいいように使われているだけの存在です。

本当ならこんな連中殺しても良いのですが、イヅナ様にそれは後々の立場が悪くなるからと止められています。あともう一つ何か言われていた気がするんですが………気のせいだと思います。

まあ、それはともかく、優しい私は再起不能程度のダメージを与え、教徒ゴミ山を作っているところです。


(それにしても数だけは多いですね。本当にめんどくさい連中。)


私は教徒ゴミを飛ばしながらそんなことを考えます。


(あ、そう言えばルネもいましたね。)


また、自分が強引に連れて来たルネのことも考えます。

私は周囲を見渡し、ルネを探します。すると奥の方でこちらを見るルネの姿を見つけました。何やら私を見ているみたいです。

私はそんなルネに言ってやりました。


「休んだらどうなるか分かってますよね?」


警告してあげる私。流石ですね。

ちなみにそんな言葉を言われたルネは剣を構え、教徒ゴミたちと戦い始めました。

ルネは私のか訓練を耐えてきただけあって、教徒ゴミたちでは相手にならないほどとなってます。

3人の教徒を倒したルネは私の方を向いてきました。きっと、私に褒めて欲しいんでしょう。全く、しょうがない子です。

私はルネに向かってグッドサインを出してあげました。ルネはそれを見ると笑顔になっていました。よほど嬉しかったんですね。

私はルネにサインを送った後、再び教徒ゴミ掃除に戻ります。


「さあ、行きますよ!」


理不尽な暴力が教徒たちを襲った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーーーイヅナSIDEーーー



「やり過ぎですね。」


俺は今の現状を見て、一言そう呟いた。

本来、俺たちは戦っている勇者たちの援護を主に行う予定だった。

アスモデウスにも勇者ほど目立つな、としつこく言ったはずなのだが……。


「まだまだ行きますよ!」


とか言いながら教徒の皆さんをぼろ雑巾のようにしていく始末である。教徒たちもそんなアスモデウスに危険を感じたのか、その光景を見て固まっている勇者たちを無視して全力でアスモデウスに立ち向かっていってる。明らかにやり過ぎだ。


(あいつには後でお仕置きが必要だな。)


俺はそんなことを考えながら、固まっている勇者たちに近づく。そして、1人の勇者の肩に手を置いた。


「颯太さん。」


俺のその声に、颯太はこちらに振り向いた。


「……イ、イヅナさん?」


「はい。そうです。」


颯太は、何故?と言いたそうな顔をし、他の勇者は俺に見惚れている。戦闘中にそれは駄目だろ。


「イヅナさん。何故ここに?」


颯太が口を開く。


「貴方がたを助けにきました。学園の方もそろそろ動き出すはずです。風紀委員会、それに職員の皆さんもこちらに向かってきています。」


「ほ、本当かい?」


「ええ。」


実際に本当の話だ。先ほど確認したが、風紀委員会は委員長ぽい人を先頭に、職員の皆さんは学園長を先頭に、こちらに向かってきている。


「という訳なので、颯太さん、それに勇者の皆さんも頑張りましょう。」


「「「お、おおおおお!!!」」」


颯太以外の勇者たちはこの有様だ。


「分かった。ありがとうイヅナさん。ここは僕たちに任せて……。」


「いえ、私も戦いますよ。私の実力はご存知でしょう?」


「…そうだね。なら、頼む。」


「はい。」


こうして、俺も戦闘へと加わる。が、その瞬間、俺たちに向かって黒い稲妻が放たれた。俺たちはそれを難なくかわす。

黒い稲妻が放たれた方向を向くとリーダー格っぽい人物がこちらを向いて立っていた。隣には杉本がいる。


「貴方だれですかね〜。さっきまではこちらが優勢だったのに一気に傾いちゃったじゃないないないですか〜。これは困ります。ね〜、勇者様。」


そう言って、杉本の肩に寄りかかる。

あの反応を見るにあいつにはまだ余裕がありそうだ。何か仕掛けてくると考えていいだろう。

俺は警戒をあげる。もしものことにならぬようステータスを確認することを忘れない。


【杉本 健二】

種族:はぐれ勇者

レベル:560

攻撃力:43000(+100000)

防御力:42000(+100000)

魔攻撃:43000(+100000)

魔防御:45000(+100000)

魔力:42000(+100000)

俊敏:40000(+100000)

運:500

【能力】

ユニークスキル

『裏切者』

エクストラスキル

『斧王レベル61』

スキル

『闇魔法レベル86』

『呪法レベル50』

ギフトスキル

『創造神の加護(魔神の加護)』

【状態異常】

催眠


【ユーメル・フォシアヌス】

種族:魔人

レベル:100

攻撃力:12000(+200000)

防御力:14000(+200000)

魔攻撃:15000(+200000)

魔防御:10000(+200000)

魔力:15000(+200000)

俊敏:8000(+200000)

運:1

【能力】

ユニークスキル

『脅迫者』

エクストラスキル

『黒雷魔法レベル20』

スキル

『火魔法レベル60』

『探知レベル20』

『倉庫レベル20』

ギフトスキル

『創造神の寵愛(魔神の寵愛)』

『創造神の玩具(魔神の懐刀)』


2人はこのようなステータスだった。杉本ははぐれ勇者、ユーメルは魔人、この世界の種族は実に便利なものだ。

結果から言うと、今の勇者たちでは分が悪い。ただ、これであいつが余裕だった理由も分かった。

しかし、ブラフマーのやつはやり過ぎだ。ユーメルに関してはステータス値を+200000もしている。この世界でこんなことをすれば、断トツで世界最強になってしまうのではないだろうか。


(俺とアスモデウスで相手をするしかないか。)


「ど〜〜したんですかあ?そんな難しい顔しちゃって〜。まさか、実力の差に気がついたんですかあ?」


「いえ、貴方程度に負ける私ではありません。」


「はあ?」


俺の言葉に反応し、ユーメルは俺を睨む。


「てめえ。調子乗ってんじゃねえぞ。」


「あら、本当のことを言っただけですが。気に障りましたか?」


「イ、イヅナさん!」


あからさまな俺の挑発。颯太はそれを良しとしないのか、俺の方を向く。しかし、俺はやめるつもりはない。このままいけば間違いなく、俺の挑発に乗ったユーメルと戦うこととなる。

この場で1番の実力(俺やアスモデウスを除く)の持ち主がこのユーメルだ。俺が戦うのが得策といえよう。

ユーメルは『倉庫』のスキルでしまっていた鎌を取り出す。


「やっさしい僕様もお怒りだ。殺してやる。」


ユーメルは俺と戦う気満々なようだ。しかし、そんなユーメルよりも先に俺に攻撃を仕掛けてくるものがいた。


「……イヅナ……イヅナ!!!」


杉本だ。全く、めんどくさい。


「皆さん。私が杉本さんを引き受けるので、その間、もう1人を頼むます。」


少しの間ならもつ。そう考えた俺は杉本を先に片付け、ユーメルの相手を勇者たちに頼んだ。


「任せてくれ。しかし、君1人で杉本は…。」


「大丈夫です。」


俺はそう応え、颯太の瞳を見つめる。


「ふっ。何故かわからないが、君ならなんとかしてくれる気がするよ。」


笑顔で颯太は言う。


「そうですか?」


「ああ、そうさ。」


颯太は俺に背を向け、ユーメルの方へと向きなおる。


「イヅナさん。頼んだ。」


「はい。頼まれました。」


「行くぞ!」


「「「おおお!!!」」」


勇者たちは一斉にユーメルに向かって行った。残った俺、いや、俺たち。


「それでは、やりますか。」


「ガァァアアア!!!」


その戦いが今、始まる。













更新サボり過ぎでした。申し訳ない。


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