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気がついたら魔神でした  作者: ヴァル原
第2章 カラドボルグ魔法学園編
52/164

気がついたら開戦でした

投稿ペースを上げると言っておきながらこの始末。申し訳ない。

しかも内容も短い。申し訳ない。

こんなダメな作者の作品ですがどうぞ見ていってください。

 

ーーー勇者SIDEーーー



  「やはりイヅナさんは只者じゃないね。」


  「そうだな。」


  “マジックデュエット”試合会場のとある観客席。歩と颯太はそこからイヅナさんとルネの試合を見ていた。


  「歩、あのイヅナさんが使っていた剣、能力とか確認できた?」


  「いや、全く。何でだろうな?颯太は分かるか?」


  「彼女も僕たちみたいにユニークスキルを持っている、くらいしか僕には考え付かないな。」


  「おお!確かにそうかもな。」


  「て、今はこんな事をしてる場合じゃない。杉本を探さないと。」


  「そう言えばそうだったな。」


  歩と颯太は昨日、試合が終わってから姿が見えなくなった杉本と山田を探していた。

  歩はどうせ昨日の試合で負けた事を気にして街にでも逃げたんだろ、と言ったのだが颯太達がそんなはずはないと言いきって聞かなかった。

  そのためで今は2人の捜索中というわけだ。


  「それにしても本当にいねえな。やっぱり学園の外にでも言ったんじゃないのか?」


  「そうかも知れないな。よし、杉本の部屋を見に行った人達のところへ行ってみよう。集合場所はこの会場から一番近い広場だ。もし、手掛かりが見つかっていないようなら、今度は学園外も探してみよう。」


  「探しに行くのか?めんどくせえ。」


  「歩。」


  「分かってるって。全く、杉本のやつ見つけたらとっちめてやるからな。」

 

  歩と颯太は会場近くの広場へと向かった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



  広場へ着くとそこには歩達以外の勇者が集まっていた。歩達が来たことに気づくと琴葉が2人のもとまでやって来た。


  「歩くん、颯太くん。大変なことになったわ。」


  「何かあったのか?清水さん」

 

  「ええ。それが……死んでいたの。」


  「「え?」」


  歩と颯太は決してその言葉が聞こえていなかったわけではない。ただ理解し難かったのだ。 その言葉を。『死』という言葉を。


  「山田くんが杉本くんの部屋の中で血まみれで倒れていたの。犯人は恐らく…。」


  「杉本…か。」


  「ええ。」


  山田が死んでいた状態を見れば大体検討はつく。

  山田を殺したのは第三者で、杉本はその第三者に連れていかれた、という可能性もあるが、この世界でトップクラスの実力を持つ勇者がその第三者に負けるというのは考えにくい。

  となるとやはり山田を殺したのは杉本で、その杉本は現在逃走中というのが最も可能性が高いだろう。


  「部屋の様子を見に行った人は私以外部屋で休んでるわ。気持ちの整理がつかないみたいで……。」


  「琴羽さんは大丈夫なのか?」


  「ええ。」


  颯太にはそう返事をする琴羽の瞳はどこか遠くを見ているように思えた。


  「そうか。無理はしないようにな。」


  「分かっているわ。」


  琴羽は颯太の言葉に軽く相槌をうつ。


  「このことは学園には…。」


  「今、伝えに行っているところよ。」


  「こんな事が起こったら流石に“闘魔祭”も続行はできないだろうしな。全く、大変なことになったもんだな。」


  ため息を吐く歩。


  「確かに、歩の言う通りだ。」


  歩が言った通り、これだけのことが起こっては、まず“闘魔祭”は中止になるだろう。


  「ともかく、今は杉本を見つけることを優先しよう。これ以上被害が出ないように。」


  「だな。」


  「ええ。もちろん。」


  颯太達は再び行動を始めた。そんな彼らが学園に何が起こるかなど、まだ知る由もなかった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーーーイヅナSIDEーーー



  「やっと動いたか。」


  俺は控え室でそんなことを呟いていた。

  動いたと言うのは勇者達のことだけではない。俺がスキル、確か『千里眼』だったか、それを使って監視していたもの達のことだ。学園、それに魔神教も含まれている。

  俺の予想ではもう少し早く学園も勇者も対応すると思っていたのだが、山田の死を間近で見た勇者達がショックを受けたことによりだいぶ遅れてしまった。まあ、今は種族:勇者になった彼らだが、ほんの少し前までは現役の高校生だったのだ。当然の反応なのだろう。

  清水さん1人は取り乱す様子はなかったが、山田の死体を見る目が何か別のものと照らし合わせているような気がした俺は。あまり彼女のことは知らない。だから、何かあるのかも知れないと思った。人には言えないような何かが。

  まあ、この話は取り敢えずは後回しだ。今は動き出した魔神教をどうにかしなくては。

  俺は再び魔神教の動きを確認する。すると彼らは空間に突如現れた黒い渦の中に入っている途中だった。


  「ブラフマーか。」


  この渦は恐らく『ヨグソトース』の応用だろう。俺もお世話になっているスキルだ。本来ならユニークスキル以上のスキルの使い手が存在するわけがないのだが、俺の場合、持っているスキル自体は『アザトース』のみ、そのため同じスキルを持つものがこの世界に2人存在するという特殊なことが起きているのだ。

  渦の中に入っていく魔神教の中に見覚えのあるものが1人いた。杉本だ。目は虚になり、あまり生気を感じられない。相当に強い催眠を受けているのだろう。恐らく彼の自我もあまり残っていないはずだ。あれでは催眠が解けたときどうなることか。


  「全く、ブラフマーのやつ面倒なことをするな、って加護まで与えてるのか?」


  そう、杉本のスキルにはこんなものがあった。


  【スキル】

 ギフトスキル

  『創造神の加護(魔神の加護)』


  丁寧に偽装までしている。どうやらブラフマーのやつは勇者を何人か殺す気らしい。これも暇つぶしというわけか。

  俺はもう直ぐ到着するであろう魔神教を迎え撃つため控え室から出る。通路をゆっくりと歩き、会場を後にし、広場まで進んでいく。


  「あまり近くに行ってもな、変に怪しまれるだろうし、ここでいいか。」


  周りには人がいないので俺はいつも通りの口調で言葉を口にする。


  「暇つぶしに勇者を殺すか。そんなことが俺の目の前でできると思うなよ。」


  俺は空間から邪神剣“ダーインスレイブ”を取り出す。それと同時に遠くの方で爆発音が聞こえた。魔神教が到着したのだろう。俺は音のした方へとゆっくりと歩き出した。

  この出来事は後に語り継がられることがない、“創造神”と“邪神”の初めての戦いだったのかもしれない。

 

 


 


 


 




 


 


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