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気がついたら魔神でした  作者: ヴァル原
第1章 フィエンド大陸編
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気がついたら求婚!?してました

今回、自分で書いている内に何を書いているのかよく分からなくなっていた部分があります。

なので、内容がもしかしたら滅茶苦茶になっているかも知れませんが、どうか温かい目でご覧ください。

  「よお。助けにきたぞ。」


  俺は間一髪のところで風魔法“ウィンドランス”を止め、冒険者、確かセリカと呼ばれていた人物を助けた。

  突然の事にセリカは理解が追いついていないらしく、俺の方を向いているだけの状態になっている。


  「確かセリカだったか?ぼーっとするなよ。まだ、魔物を倒したわけじゃないぞ。」


  その言葉にセリカは我を取り戻すと、足が動かないため座ったまま剣を構える。


  「そのままだと、まともに戦えないな。」


  俺はそう言うとセリカの足に手を添える。


  「!何をするんですか!」


  「まあ、落ち着け。」


  セリカの足の状態を確認すると、右足は骨折、左足は石化していた。その様子を見てどうするか考えていると、『アザトース』がスキルをピックアップしてくれた。

 

 マスタースキル

  『ヨグ・ソトース』


  お馴染みのあのスキルが登場した。


  「なるほどな。『ヨグ・ソトース』の時間操作でこの状態を治すのか…。」


  「?何をぶつぶつと言っているんですか?。」


  「まあ、見てろ。」


  俺は早速、『ヨグ・ソトース』の時間操作を使い、セリカの足を元の状態に戻す。


  「!これは。」


  元通りになった足を見て、驚くセリカ。

 

  「よし、こんなもんか。」


  俺は足が動く事を確認すると、さっきから行儀よく待ってくれている“スレイプニルホース”の方を向いた。

  すると丁度、俺が向いたタイミングに合わせ、無数の“ウィンドランス”飛ばしてきた。

  俺はそれを先ほどアスモデウスが使っていた、マスタースキル『色欲之神』を使い、全て“スレイプニルホース”に返した。

  しかし、流石の“スレイプニルホース”も何度も同じ手に引っかかるわけも無く、咄嗟に反応をし“ウィンドランス”を回避する。


  「やるな。」


  俺はどんどんと学習する魔物を相手にするのを少し楽しいと感じた。しかし、だからと言ってこの街に“スレイプニルホース”を留めておくわけにはいかない。


  「そろそろ終わりにするか。」


  俺はそう言いながら、“スレイプニルホース”に近づいて行く。そのとき、何かが俺の服を引っ張った。


  「…めて……さい…。」


  俺は声がした方を振り向く。すると、そこには案の定セリカが俺の服を掴み立っていた。


  「やめて下さい。あの魔物は私が倒します。貴方は離れていて下さい。」


  「何故だ?勝ち目が無いことくらいわかるだろ?」


  俺はそう言いながら、『ヨグ・ソトース』を使い“スレイプニルホース”が襲って来ないよう、俺とセリカ以外の時間の進む速度を遅くする。


  「私は強くならなければなりません!今よりも更に強く。だから、私はこんな所で立ち止まっているわけにはいかないのです!」


  そう言いながら、こちらを見つめるセリカの瞳には強い信念と、それと同じくらい強い孤独を感じた。

  それを見た俺は、彼女の目を見つめ返した。そして、


  「もう十分強いじゃ無いか。」


  俺はそう言った。


  「私を馬鹿にしているんですか?」


  「そんなつもりは無い。」


  「だったら何で私が強いなどと言えるのですか!こんな1人では、魔物を倒すこともできず、しがらみから逃れたいが為に逃げ出した私の……私のどこが強いと言うのですか……。」


  そう言うとセリカは、涙を流し、その場に膝をついた。俺はそんな彼女の肩に手を置く。


  「強いさ。あんたには単純な生物としての強さでは無く、思想を持ち、考えることの出来る複雑な人としての強さがある。」


  「……人としての…強さ?」


  セリカはゆっくりと顔を上げる。


  「そうだ。自分自身の信念を強く持ち、その信念それを曲げずに進んでいける強さだ。あんたはそれを持っている。そういう瞳をしていた。」


  「……。何を根拠もなく、言っているんですか。それに私は言ったじゃないですか。しがらみから逃げ出した、って。」


  「それは違うな。しがらみから逃げ出したわけではない。自分の信念を強く持ち進んだだけだ。」


  「そういう言い訳ならいくらでも出来ますよ。」


  「言い訳何てくだらない事はしないさ。だって、そうだろ。そんな人としての芯の強さが無ければしがらみから抜け出そう何て事を思いつきもしない。」


  「…………。」


  「要するに…。」


「もう黙って下さい!」


  俺の言葉はセリカによって阻まれた。


  「貴方の言う強さと言うのは分かりました。しかし、それは私が必要とする強さとは別のものです。分かったら私の後ろに下がって下さい。」


  そう言ってセリカは“スレイプニルホース”の方へ歩み始める。


  「あ〜もう分かった。本当の事を言ってやる。」


  俺はそう言ってセリカの前に再び立つ。


  「本当の事って何ですか?私が弱いと言う事ですか?」


  「違う。俺はあんたの瞳の奥に孤独を見た。だが、俺はあんたに孤独になんてなって欲しくない。」


  その言葉にセリカは昔言われた兄の会話を思い出す。


  『この先長い人生の中で苦しいとき、1人になってしまいそうなとき、強くない・・・・セリカになってくれ。』


  そのとき、セリカはもしかしたらこの人物の話を聞けば、兄の言葉の意味が分かるかもしれない、そう思えた。


  「では、どうすれば良いのですか?」


  セリカは尋ねる。


  「…まずは、認めろ。」


  「何をですか?」


  「自分の強さと弱さをだ。そして、人を頼れ。弱さをそれで補え。」


  「それでは、私は弱いままではないですか?」


  「そんな事は無いさ。それもその人の強さだ。」


  「でも、それでは私自身のしがらみからは抜ける事は………。」


  そう言い俯くセリカ。しかし、俺はセリカの肩を掴み、正面から彼女を見つめる(おかげでセリカから俺の顔は丸見えだった。)。


  「なら俺を頼れ。」


  「……。何故、私が貴方を頼らなければならないのですか?」


  「俺がそうしたいからだ。お前を孤独、しがらみからとうざけ、自由にしてやりたいからだ。」


  「………。」


  「お前を、セリカを何かが縛ろうとするなら俺がどうにかしてやるさ。」


  「そ、そんな事私は…。」


  セリカはそこまで言って言葉を止めた。兄の“強くないセリカになってほしい”と言う言葉を思い出したのだ。


  「俺の前で強くあろうとしなくて良い。弱くても良い。そこを俺が補ってやる。だから…。」


  俺は邪魔なフードを取り、顔を出す。そして、セリカに手を差し伸べた。


  「俺を頼ってくれ。」


  このとき、セリカは兄の言葉の意味を理解できた気がした。そう、妹に自由に生きていくために、必要なパートナーを見つけほしいと言う兄の願いを……。


  (そう言う事だったのですね、兄様。)


  セリカは昔、兄が話で伝えたかった事が『結婚して幸せな家庭を築いてほしい』と言う、そんな単純な事だったのだと分かると急に笑えてきた。


  「私はずっと強くなろうと言っていたのに、全く兄様は…。」


  そう呟くとセリカはイヅナの方を向いた。


  (頼ってもいいかも知れない。私のために全力を尽くそうとするこの人になら。)


  セリカは自分の中のただただ強くなろうとする信念が、何か別のものに成ろうとしているのを感じた。


  (全く。まさか、あって間もない男に求婚・・され、更に私がそれを認める事になるとは…。でも、この人となら私は、共に強くなっていけるかも知れない。)


  そして、セリカの中の信念は変化を遂げた。たった1人の血と汗がにじむ強く、悲しいものから、暖かく、そして、支え合うことの出来る強さを持つ信念へと。


  「分かりました。貴方を頼りましょう。」


  「ありがとう。」


  「これから先、この“セリカ・シア・アイリア”は貴方……そういえば、本人から名前をしっかり聞いた事はなかったですね。」


  「そうだったな。イヅナだ。」


  「分かりました。では…。この“セリカ・シア・アイリア”は貴方、イヅナとこの先の人生を共に歩むことを誓います。」


  「え?」


  俺は困惑した。


  「これからよろしくお願いします、イヅナ。」


  セリカは満面の笑みでそう言った。

今世紀最大級の勘違いが起こってしまいました。果たして、主人公の運命はいかに!?

それと、もう一つ言わせてください。この世界の女性ちょろ過ぎ!!!!

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