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気がついたら魔神でした  作者: ヴァル原
第1章 フィエンド大陸編
22/164

気がついたら邪神でした

今回は短めです。

5月12日、少し修正。

  その日、世界に衝撃が走った。


ーーーエスカ王国ーーー


  「国王様!一大事です。」


  1人の兵士が会議室へと入って来た。


  「何があった。」


  「そ、それが、魔神封印のためにこの島に張られていた結界が解けました。」


  「「「「!!!」」」」


  この部屋にいた者、その全員が兵士が言った言葉に驚く。


  「そ、そんな馬鹿な話があるか!!!あれは【神剣エクスカリバー】を使い張られた結界なのだぞ!」


  会議に出ていた1人の大臣が声を上げる。


  「しかし、現に結界は発動しておりません。」


  「……。」


  大臣は黙ってしまう。


  「しかし、そうなるといつ魔神が復活してもおかしくない由々しき事態だ。」


  王の言う通りだ。現在、魔神に対する戦力として召喚された勇者たちはまだ育成の途中。もしも今、魔神が復活すればそれこそ世界が滅ぶだろう。


  「王よ。これからどうなされますか?」


  大臣たちの視線が王に集まる。


  「そうだな。まずこの事は、各国に伝える必要がある。使いを出す準備を頼む。」


  「はっ!」


  「また、勇者たちにはいち早く成長してもらわなければならない。よって、“ブリア大陸”の“カラド王国”にある“カラドボルグ魔法学園”に転入してもらおう。あそこなら魔法だけでなく、武術などの指導もしている。それだけの環境ならば彼らも成長が見込めるだろう。」


  「では、カラド王国への使いにはその点の説明をするよう伝えます。」


  「頼む。では、これで最後だが、3日後に予定していた“聖なる祠”への遠征を取り止め、“ロスの森”にある“魔神封印の祭壇”への遠征とする。そこで、現在の魔神の様子の確認。それに加え、新たな結界を張る。【神剣エクスカリバー】を使う事は出来ないが、それでも無いよりはましだろう。」


  「分かりました。そちらの方もすぐに手配をします。」


  「よし、それでは会議を終わりとする。各自それぞれの仕事に取りかかれ。」


  「「「「はっ!」」」」


  大臣たちは王に言われた通り、会議を出てそれぞれの仕事へと向かう。


  「ついに、魔神の復活か…。」


  1人の会議室に残った王がそんな事を呟いていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 

 ーーー神界ーーー


  神界。それはその名の通り神が住まうだけのただただ白く広い世界。そんな世界に今、1人の神がいる。


  創造神“ブラフマー”


  世界を作りし、神の1柱だ。


  「あ〜あ。暇だな〜。」


  ブラフマーは退屈していた。変わりのないこの世界に。


  「この前はシヴァが暴れてくれたから楽しかったけど、それっきり何もないよな〜。」


  ブラフマーにとって、ヴィシュヌを殺した事やシヴァを封印した事などただの暇つぶしに過ぎないのだ。


  「そうだ!シヴァの封印を解いてあげれば良いんだ。そうすれば、シヴァと人間の戦争が見れる!それにそうすればシヴァは僕のところに来てくれるわけだしね、話もできる!うん、そうしよう。」


  ブラフマーはそう言うと“神界”に空間の狭間を作る。そして、そこから地上の世界を眺めた。


  「さ〜て、シヴァは何してるかな〜。」


  このときのブラフマーの行動はただの戯れのつもりであった。しかし、その考えも地上を眺めているうちに変わった。


  「あれ?何で結界張ってないんだ?」


  ブラフマーの心に少しの焦りが現れる。


  「いや、流石にそれはまずいでしょ。早く結界張んないと逃げちゃうでじゃん。」


  そんな事を言いつつ急ぎ、シヴァの様子を確認する。


  「……嘘でしょ。い、いないじゃないか。それに【神剣エクスカリバー】もない!」


  そこにはシヴァの姿も【神剣エクスカリバー】の姿も無かった。


  「あいつ、いつの間に逃げたんだよ。そうだ、『ネクロノミコン』を使えば…。」


  ブラフマーはマスタースキル『ネクロノミコン』を使用する。


  【魔神“シヴァ”】

 一ヶ月ほど前に消滅。…%・〒×5%・3」・。


  「え?あいつ消滅したの?でも、ただ消滅したって訳じゃ無さそうだな。何か小細工したな、『ネクロノミコン』で確認出来ないなんて…。」


  少し不安にも思ったがブラフマーはその事を考えるのをやめた。


  「まあ、いっか。でも一応、魔神はもう復活して、世界のどこかにいるって人間たちにでも言っとくか。あっ、あと【神剣エクスカリバー】の事も言わなくちゃ。」


  ブラフマーはシヴァにより秘匿された部分を知る事が出来なかった。しかし、その隠れていた部分に書かれていたことこそ、創造神“ブラフマー”を脅かす事になるものだと、知る由も無かった。

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 ーーー聖なる祠ーーー


  「よし、抜けた。」


  俺は【神剣エクスカリバー】を眺める。


  「やっぱり、綺麗だよな。」


  そんな事を言いつつ、剣に見とれていると、剣の色が先の方からだんだんと黒く染まっていった。


  「うわっ。何だ?」


  そして、ついには剣全体が真っ黒になってしまった。

  もしかしたら、色だけでなく、剣そのものも変化してしまったのではないか、と思い、俺は【神剣エクスカリバー】に“鑑定”をした。すると…。


  【邪神剣エクスカリバー】

【神剣エクスカリバー】が邪神の力に染まったもの。


  武器に触れただけで変化させてしまう俺は一体何なのか……。そんな事を思ったがそれよりも気になる事が1つあった。


  「何で“魔神・・”じゃなくて、“邪神・・”何だ?」


  そう、【邪神剣エクスカリバー】の名前にも、説明にも“魔神”ではなく、“邪神”と書かれているのだ。

 

  「確か俺って魔神のはずだよな?あっ、でも最近ステータス見てなかったからな…。もしかしたら、種族が邪神になってたりするかもな…。」

 

  そんな事を言いながら、俺はステータスを確認しようとしたそのとき、


  「!」


  何かに見られるような感覚を覚えた俺はとっさに『ヨグ・ソトース』を使い、外の空間との干渉を断った。


  「何だ、今の感覚は。」


  俺が感じた謎の感覚。それは今までに感じた事のないものだった。


  「まあ、何でも良いか。そんなもの気にしてもどうにも何ないしな。」


  そう言い、俺は『ヨグ・ソトース』で断った外の世界との干渉を元に戻す。そして、自分のステータスを確認した。


  【飯綱 雅風】

 種族:邪神

 性別:?

 レベル:測定不能

 攻撃力:測定不能

 防御力:測定不能

 魔攻撃:測定不能

 魔防御:測定不能

 魔力:測定不能

 俊敏:測定不能

 運:測定不能

  【能力】

 ソーズスキル

  『アザトース』


  「………。と、取り敢えず落ち着くか。」


  俺は深く、それはもう深く深呼吸をした。そして、もう一度ステータスを見る。


  「…。やっぱり邪神のままか…。」


  どうやら俺は知らないうちに魔神から邪神になっていたらしい。


  「一応、邪神がどう言った存在なのか確認しておくか。」


  そう言って俺は今の自分の種族:邪神を確認する。


  “邪神”・・・・魔神を超え、最強の力を手にした神。


  「なるほどな。」


  もう、こんな事で驚く俺では無い。


  「まあこれで、【エクスカリバー】が“神剣”から邪神剣になった理由が分かったな。」


  1つの謎は解けた。


  「ん?よく見たら、レベルも測定不能になってるな。まあ、もともとレベルの上がり方は異常だったしな、ルシファーを倒した事もあるし、こんなものだろう。」


  俺は測定不能にも一切動じない。これが俺の普通なんだ。そう自分に言い聞かせた。


  「他には、変化は無いよな?」


  そう言い、ステータスをもう一度確認する。こういった事は念入りにやった方が良いだろう。


  「よし、無いな。」


  もう変化は無い。そう確信したときだった。『アザトース』が『アザトース』自身をピックアップしてきた。


  「………。」


  嫌な予感がしたが、『アザトース』を確認する。


 ソーズスキル

  『アザトース』・・・・全てのスキルの原点。このスキルから派生してできたスキルは全て使用可能。


  「………。ここまでは前と変わらないな。」


  そんな事を呟きつつ、さらに続きを確認する。


  『アザトース』・・・・スキル作成。また、スキル進化。


  「………。」


  もうこれ以上のスキルは無いと思っていたが、そんな事は無かったようだ。


  「スキル作成って事は、新しいスキルを作れるって事だよな?で、スキル進化はスキルの能力向上ってとこか。」


  俺はこれだけの力があれば、神なんて余裕で倒せるのでは無いのか、と思った。しかし、そういった考えは捨てた方が良いだろう。何せ相手もまた、同じ神なのだから。

 

  「まあ、考えても仕方ないか。なるようになるだろ。」


  外の世界が今、どうなっているかもしれず、そんな事を呟く俺であった。


 




 

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