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気がついたら魔神でした  作者: ヴァル原
第6章 世界大戦編
155/164

気がついたら真神でした

大変長らくお待たせしました。久々の投稿になります。7月は忙しかったです。


 

「そして俺はこの世界であいつらに弄ばれたわけだ。全く、情けない話だ。」


 ヴィシュヌとの過去を思い出した俺は自分のことが嫌いになった。必ず成し遂げてみせる。だから任せて欲しい。そう覚悟を決め、ヴィシュヌはそれを信じてくれた。

 だというのに俺はその気持ちを裏切った。結局、出来もしないことを見えを張ってできると言った愚か者でしかなかったのだ。今度は俺が?馬鹿馬鹿しい。更に迷惑をかけただけだ。

 ヴィシュヌは何度も声をかけてくれた。危険な橋を渡り、いつシヴァたちにバレてもおかしくはなかった。それでも彼女は声をかけ続け、少しずつ思い出させてくれていたのに。俺は……。


「イヅナ。ごめんなさい。私のせいだわ。」


 ヴィシュヌ自身も責任を感じていた。だがそれでも…。


「……違う。ヴィシュヌは何も悪くない。」


 永遠と終わらない会話だ。それが分かっているヴィシュヌは口を閉じる。


「……。」


 ヴィシュヌは悲しそうに俺を見る。そんな顔をさせたかったわけじゃない。俺は君に笑顔でいて欲しかったんだ。そして君と過ごしたかったんだ。

 でもそれももう叶わない。俺はここに囚われ、シヴァたちを倒せず、この世界を解放することのできなければヴィシュヌは心から笑顔になれない。

 もう無理なんだ。俺が全てを終わらした。ヴィシュヌの願いを。勇者たち、悪魔たちの期待も。ミカエルの心も。ルネの気持ちを。そして、アスモデウスの想いを…。

 俺は目を閉じる。このまま全てを忘れ、闇に飲まれ、死んでいけたらどれほど楽だろうか。そんな考えが頭をよぎる。しかし、それを悪いとは思わない。だってそうだろう?ほかにどうしようもないのだから。

 割り切った俺は考えることをやめていた。


(もう……どうでも…。)


 そのときだった。俺の手を何かが包む。手に温かさを感じた。何度も触れたこの感覚。目を開かなくてもそれが誰の温もりなのかわかる。


「ヴィシュヌ。」


 目を開けばそこにはヴィシュヌがいる。けれど俺は彼女を見ていたくない。情けない姿を見て欲しくない。だから………。

 俺は手を振りほどこうと力を入れる。けれど離してはくれない。離すものかと力がこもる。やめてくれ。


「ねえ、イヅナ。貴方は自分が悪いと思ってる。けど私は私が悪いと思ってる。別に貴方の意見を曲げようとは思わない。けど少し、少しだけでいいの。私の話を聞いて。」


 優しく微笑みかけるその表情はずるかった。そんな顔をされては断れるものも断らないではないか。

 俺は泣きそうになりながらも彼女の目を見る。綺麗な瞳だ。涙で潤んだその目は美しく煌めく。


「………私は貴方がこの世界に来てから……いいえ、シヴァに力を渡されたときに目を覚ました。破壊神の力は貴方を蝕んでいたわ。だから私は貴方を守ることを選んだ。この世界のことを考えるなら私は貴方を捨てるべきだったのよ。けれど私は貴方を選んでしまった。だからその時点で私はこの世界の全てを貴方に託してしまっていたわ。」


「…そんなことは。」


 俺は思わず、口を挟みそうになるがヴィシュヌは人差し指を俺の唇に当たると首を横に振る。そして話を続けた。


「私の力は貴方を守るために使った。けれど効果はそれだけじゃなかった。貴方たちの感情にも影響を及ぼしたの。気持ちが強く、現れやすいものになってしまった。

 イヅナのセリカへ対する想い。セリカやリアの想い。ルネの気持ち。ラフィーエの気持ちの変化。ミカエルの心。そしてアスモデウスの想い。

 確かにそれぞれの想いはあったわ。けれど私の力が影響してしまったのも事実。それを面白く感じ、他の神たちが利用しようと考えたのも事実。結果、私は貴方を、貴方たちを更なる不幸に誘ってしまった。だからこれだけは言わせて……。」


 ヴィシュヌはその頭を下げ、こう言った。


「ごめんなさい。」


「…………。」


 違うんだ。悪いのは……いや、この考え方こそが違うのだ。

 お互いが自身を下げ、相手は悪くないとそう伝えようとしている。けれどそれでは互いが傷つくだけなのだ。

 終わりの無い負の連鎖。わかっていても相手のためと、悪いのは自分だと考えてしまう。そうして先のことを考えず、塞ぎ込んでしまう。俺の悪い癖だ。そして彼女の癖でもある。

 アスモデウスに指摘され、この世界の人たちを見てきてそんな自分は駄目なのだと、変えなければならないのだと理解した。皆が悩み、考え、成長し、一歩一歩を歩んでいた。俺もそうなりたい。そして今がそうなるべきときなのだろう。

 それにこんな姿を見られてはあいつらに笑われてしまう。きっとどこかで俺を見てる仲間たちに。

 俺はヴィシュヌを見つめた。


「ヴィシュヌ。」


 そして、俺は彼女を抱きしめる。強く、強く、俺の鼓動が、気持ちが伝わるように。


「イヅナ?」


 ヴィシュヌの顔が薄紅色に染まる。


「ヴィシュヌが言いたいことはわかった。それで分かったよ。ヴィシュヌは俺と一緒なんだ。」


「一緒?」


「そうだ。俺たちはお互いに傷ついて欲しくない、責任を感じて欲しくない。そう思ってる。だから自分を悪くして、相手は悪くないと伝えようとするんだ。けれどそれは負の連鎖でしかない。俺は俺を下げ、ヴィシュヌはヴィシュヌを下げ、その様子を見て互いに苦しんでる。このままじゃ、一生終わらない。」


「……そうね。」


 ヴィシュヌも俺の性格は重々承知している。だから俺が言った言葉を理解するのに時間はかからなかった。


「俺はこの世界に来て変わった。色々な人たちと触れ合い、成長できたと思う。確かにそれにはヴィシュヌの力が関与していたのかもしれない。そのせいで創造神たちの目に付いたのかもしれない。」


「………。」


 ヴィシュヌは申し訳なさそうな表情をすると少し俯いてさまう。


「けどな、それだけじゃない。」


「え?」


 俺は少しだけ離れると、笑顔で彼女の顔を覗き込んだ。


「地球にいた頃の俺だったらこのことに気づかず、ずっと自分を責め続けてた。そしてヴィシュヌにもっと辛い顔をさせていたと思う。だが、今は違う。

 この世界に来て色々な奴らとあった。そしてその出会いが俺を変えた。人の、悪魔の、天使の気持ちを知ったんだ。そしてそれは自身の気持ちや考え方にも影響した。

 俺の直したらいいところとかな、色々見つけられたよ。それに前よりも自分の気持ちに素直になれるようになったと思う。これはヴィシュヌも俺も望んだことだろ?

 確かに今の状況から見れば失敗に見えるのかもしれない。けど考え方を変えれば成功したこともある。

 俺はヴィシュヌに感謝してるよ。」


「イヅナ。」


「俺を変えてくれてありがとう。俺に会いに来てくれてありがとう。俺を想い続けてくれてありがとう。……そういうところが好きだ。」


 俺は想いをそのままヴィシュヌに伝える。こういう落ち込んだとき、いやどんなときも『ごめん』と言われるよりも『ありがとう』と言われた方が嬉しいものだ。


「……貴方は…ずるいわよ。こんな状況なのに……どうにかしなきゃいけないのに……嬉しくて……泣いちゃうじゃない。」


 ヴィシュヌは涙を拭う。しかしそれは悲しみからくるものではないことは今、彼女が言っていた。


「それは悪かったな。…それで?こんな状況なのに俺の前に現れたってことは何か策があるってことじゃないのか?」


「……ええ。1つだけ。」


「その言い方だと、また俺が危険な目に合うとかそんなところか?」


「………。」


 黙り込むのは肯定ととって良いだろう。


「…確かにヴィシュヌの気持ちはわかる。俺も逆の立場だったらそんな策を伝えたくはない。それでも今は伝えて欲しい。俺もヴィシュヌも好きなこの世界のために、そして俺たちのためにもな?」


「……そうね。私の我儘で世界を捨てるわけにはいかないわ。」


 ヴィシュヌは覚悟を決めると俺の目を見た。


「作戦は簡単よ。イヅナ、貴方に神になって貰うの。」


 ………。俺の頭はどうやら悪いようだ。彼女が企てたこの世界を救う唯一の作戦、その余りの難易度についていけない。


「………わかった。理解できるように頼む。」


 俺は再度、彼女に説明を求めた。


「ご、ごめんなさい。少し言葉足らずだったわね。」


「少し?」


「…コホン。作戦について説明します。」


 なかったことになった。


「まずイヅナが神になって貰うと言うのはそのままの意味。私の“繁栄”の力を使って人から神へと至って貰うの。でも人から神にと言うのは不可能に近い。存在の格が違いすぎてしまう。けれど貴方なら大丈夫な、わけがあるの。わかる?」


「一度、神になったからか?」


 俺は過去を振り返り、最も可能性がありそうなことを考えた。シヴァの力に影響され、神へなる可能性が生じたのではないか?と。しかしヴィシュヌは首を横に振った。


「考え方としては悪くないわ。けど少し違う。神になったからではなくて、神に適応していたからね。」


「適応?」


「そう。私はこの世界に来てから貴方の中で機会を待ち続けた。シヴァの力に体を蝕まれないようにしながらね。けれどそのせいで少しだけ力が貴方の体から漏れていた。それは2柱の神たちの気をひく要因ともなり、イヅナや周囲の者たちの感情に影響を及ぼした。」


「そうだったのか?」


 俺自身、身に覚えなく、そんなことを考えもしなかった。だが彼女の力が人の感情に影響を与えることは知っているし、その言葉に嘘があるとも思えない。


「ええ。だから貴方たちは喜び、悲しみ、怒り、苦しみ、そして愛した。」


 ヴィシュヌのその言葉を聞き、俺はこの世界でのことを思い出した。地球にいた頃よりも感情はよく変化していたと思う。

 喜び、悲しみ、怒り、苦しみ、愛し。全てが良いものであったとは言えない。良いもの、悪いものどちらもあったと思う。けれどそのどれか1つでも欠けていれば今、ここにいる俺はきっといなかったんだと思う。

 ヴィシュヌの力の影響を受けていたのかもしれない。変わってしまったのかもしれない。しかし俺は俺のままだ。そしてこうしてこれからを考えられる俺でいる。


「…そのおかげでこうしてヴィシュヌの前には俺がいる。」


「……そう言ってもらえると嬉しいわ。」


 ヴィシュヌは優しく笑みを浮かべると再び、説明を始める。


「私は貴方の中にいながら力を使っていた。だから邪神の力は貴方の表面にしかなかった。だからシヴァに容易く奪い返されてしまった。

 けれど貴方の内側には私の力があった。少しは漏れていたけれどシヴァの力に阻まれ、その殆どは貴方の体の中を循環していた。そして肉体は知らないうちにその力に耐えられるものに適応していっていたの。そして神の力に適応できる肉体は…。」


「神のものである…ってことか。」


「ご名答。」


 人間から神への進化。それは通常起きないことであり、不可能なことである。しかし俺の体は既に神に近いものへと変質し、そこにヴィシュヌの力が加われば話は変わるというわけだ。

 だがそれでも失敗しないとは言えない。何より進化が無事に成功をしても、シヴァたちとの戦いが残っているのだ。だからヴィシュヌはこの作戦を行いたくはない。だが俺たちに残された策はこれしかないのだ。


「…やるしかないな。」


「ええ。」


 ヴィシュヌは悲しそうに頷く。俺はそんな彼女の頭を優しく撫でた。


「そんな顔をするな。ヴィシュヌは悪くない。寧ろ、俺に希望を与えてくれてるんだ。まだ諦めなくていいってな。」


「…ありがとう。私にとっても貴方は希望よ。」


「…それは嬉しい限りだ。」


 ヴィシュヌは俺の胸に手を当てる。服の上からでもわかる。その手は震えていた。失敗をしたら、成功しても負けてしまったら、そんな不安がヴィシュヌを襲っていた。

 彼女は最初、1人で戦ってきた。だから自信が傷つくことには慣れていた。しかし仲間が傷つくことは別だ。それが自身の所為だと感じてしまえば尚更だ。


(その気持ちはよく分かる。誰かが傷つくくらいなら自分が傷ついた方が良い。)


 俺はヴィシュヌの手を優しく握る。


「大丈夫だ。俺がいる。俺はいなくならない。ヴィシュヌの側に居続けるよ。だから……安心してくれ。」


 先程まで諦め、ボロボロになっていた男が言っても説得力はないだろう。しかし、ヴィシュヌは頷いてくれた。有難い。


「…それじゃあ、始めるわね。」


「頼む。」


 ヴィシュヌの身体から魔力が迸る。魔力は可視出来るほどの密度だった。黄緑に色づいた魔力はヴィシュヌを伝って俺に流れ込む。


「…くっ。」


 身体の中で魔力が暴れる。まるで1つ1つの細胞が波打っているようにさえ感じた。

 そんな俺の様子をヴィシュヌは心配そうに見つめる。


「大丈夫だ。」


 俺は下手くそな笑顔を作り、答える。ヴィシュヌは頷き、魔力を流し続ける。


(この位どうってことないだろ。)


 俺は自身に言い聞かせる。ヴィシュヌの為に、仲間たちの為に、未来の為に、この程度でへばるわけにはいかない。


「がはっ!」


 しかしそんな想いとは別に体が悲鳴をあげる。肉が避け、血を吐き、震え始める。だが…。


(まだだ!)


 諦めない。諦めるわけにはいかない。


(まだ終わるわけにはいかないんだ!)


 次の瞬間、魔力が俺の体を包み、衝撃となって放たれた。


「きゃっ!」


 至近距離にいたヴィシュヌは吹き飛ばされる。態勢を立て直し、視線を戻す。魔力が渦を巻き、ヴィシュヌの視界に俺の姿は映らない。


「イヅナ?」


 心配そうに名前を呼ぶ。だから俺は答えた。


「ありがとな、ヴィシュヌ。」


 俺は右手を伸ばし、渦巻く魔力を集約させる。魔力を操る感覚。懐かしい。だが体は覚えている。スキルも問題なく使えそうだ。


「良かった。」


 ヴィシュヌは肩を下ろす。俺は彼女の側まで行くと『回復魔法』『再生魔法』を使う。

 魔法をかけているとヴィシュヌは俺の胸に倒れ込だ。


「どうした?」


「ちゃんと確認してるのよ。貴方はここにいて、生きてるって。」


「それは大切だな。」


 俺はヴィシュヌを抱きしめる。


「ヴィシュヌもしっかりと生きてるな。」


「ええ、貴方を置いて死なないわよ。」


 ヴィシュヌの言葉に照れた俺は思わず目を背ける。


「こ、こんなことしてる場合じゃないな。早く、二柱の神あいつらをなんとかしないと。」


「そうね。でもその前にステータスは確認しておいて。自分が今、何が出来るのかは理解しておく必要があるわ。」


「分かった。」


 俺は自身のステータスを確認する。


【飯綱 雅風】

 種族:真神まじん

 性別:?

【能力】

 ソーズスキル

『イヅナ』


「なんかだいぶ変わったな。攻撃力とかが無いんだが。」


「それは恐らくこの世界のシステムから外れたんだと思うわ。」


 ヴィシュヌが言うには俺はこの世界にとってイレギュラーになったのだと言う。世界には3柱の神しか存在しない。4柱目の神となった俺はシステムに組み込むことは出来ず、外される形となったようだ。システムから外されればシステム内のことであるステータスも存在しない。名前や種族が出ているのは俺のソーズスキル『イヅナ』の補正によるものらしい。

 だが、システム外なのにスキルが存在していること自体は説明ができないようで、ヴィシュヌも詳しくはわからないと言う。


「それに種族の真神…真の神か。元人間が真の神とはな。」


「…確かにそういう意味では何故、真の神なのかは分からないけど、私はイヅナはなるべくして『真神』になったと思うわ。」


「なぜだ?」


「…貴方は人であり、神であり、悪魔であり、天使でもあった。」


 ヴィシュヌがよく分からないことを言い始めた。


「そこ、何言ってるんだって顔しないの、…全く。兎に角貴方はそうなろうとあったのよ。人のことを考え、神のことを考え、悪魔のことを考え、天使のことを考えた。貴方の中で種族なんて名称でしか無く、誰のことも平等に考えていたは。まあ、多少なりの好き嫌いとかはあったかもしれないけど、それくらい仕方ないわ。

 相手のことも考え、その為に行動を起こせる。そういうことが出来るものこそ、私は神に相応しいと思うわ。だって、そんな神様がいたら忙しいかもしれないけれど素敵じゃない。」


「そうだな。」


 もしかしたら俺の種族はヴィシュヌの願いなのかもしれない。優しく、誰にでも手を差し伸べ、世界の為に動く。そんな神を彼女はきっと願ったのだ。

 なら俺はその願いに応えなくてはいけないな。


「そろそろ行くとするか。」


「そうね。イヅナの仲間たちを助けないと。」


 俺はヴィシュヌの発言に違和感を感じた。


「ヴィシュヌ、あいつらはもう助けることは…。」


 俺は仲間たちが殺された光景を思い出す。だがヴィシュヌは何を言ってるんだと指摘する。


「イヅナ、この世界はあちらの世界と隔離されてるの。つまりこの世界でどれだけ時間が経過してもあっちの世界で時間は経過しないのよ。それだけ強力なものをシヴァたちは作ったの。いえ、正確にはイヅナから奪った力が制御しきれず、そのレベルの世界を作ってしまったの。」


「じゃあ、さっき見せられた光景は。」


「あれは貴方をこの世界に送る際に、イメージを作って貴方の頭に植えつけたの。そうしないと貴方に干渉するのは難しかったから。」


「それじゃあ!あいつらは!」


「ええ、生きてるわよ。」


 生きている。その一言だけで俺の心は満たされた。

 気がつけばボロボロと大粒の涙を流し、喜んでいた。まだ助かったわけではない。けれども生きている、その事実が知れただけで十分だった。

 俺は涙をぬぐう。こんな姿を見せるわけにはいかない。


「…よし、行こう。」


「そうね。」


 俺はヴィシュヌの手を取る。そして、再びあの戦場へと向かうのだった。
































次回の投稿は8月9日以降になります。しっかりとした日にちを指定できず申し訳ありません。


今後も『気がついたら魔神でした』をよろしくお願いします。評価して貰えれば投稿が早くなるかも…。え?投稿もろくにしてないくせに露骨な点稼ぎはやめろ?あ、はい。すみません。読んでもらえるだけでも幸せです。

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