気がついたら部屋作ってました
少し修正をしました。問題点はまだあるのは分かるのですが、今の自分にはこれくらいしか出来ません。
今後も修正できる点がありましたら、修正していくつもりです。
俺が決闘場から戻ってくると、話を聞いていたのか受付の人が俺の方に向かってきた。
「だ、大丈夫ですか?」
「あ、はい。大丈夫ですよ。」
俺は、この国にきてからというものナンパしてくる奴や、いきなり決闘を仕掛けてくるような奴にしか会っていない。
久しぶりに人の優しさに触れることができた俺は、少し新鮮な気持ちになった。
「よかった…。今度から決闘を簡単に受けては駄目ですからね!まあ、今回は怪我をしてないところを見ると、決闘をする前に撤退してきたみたいですが、それでも、以後気をつけるようにしてください。」
どうやらこの受付の人は俺が決闘を放棄したと思っているらしい。
「はい、わかりました。心配してくれてありがとうございます。言われた通り、今度からは決闘を受けないよう心掛けます。」
「そうしてください。頼みますよ。」
そう言って受付の人は戻って行こうとしたが、俺は勘違いされたままなのは如何なものかと思い、そのことだけいうことにした。
「すみません。ちょっといいですか?」
「はい、何でしょう?」
「先ほど、俺が決闘をしないで戻ってきたと言ってましたよね?」
「ええ。言いましたけども、それがどうかしましたか?」
「はい。その実は決闘は受けたんですけど……。」
「ハハハ。いいですよ、そんな冗談言わなくても。」
「冗談じゃないですよ。」
「ふ〜ん。そうですか。じゃあ聞きますが、決闘をしたのに何故貴方は怪我一つないのですか?」
「それは、勝利の条件を武器破壊にしたことと、相手との実力に差があったからだと思います。」
「……本当に決闘をして勝ったんですか?」
受付の人はまだ俺が言っていることが信じられないらしい。
「本当です。さっきからそう言ってるじゃないですか。」
そう言っていると丁度、俺と決闘した男とその連れらしき人たちが決闘場から戻ってきた。
「そんなに、信じられないならあの人たちに聞いてください。俺が決闘をした相手ですから。」
「わかりました。」
本当に信じてもらえなかったらしい。そんなに俺は信用性に欠けるのか?
受付の人は俺の相手をした人たちの元へ駆けて行き、少し話をするとこちらに戻ってきた。
「貴方は一体何者ですか?」
戻ってきて最初の一言がこれだ。俺はてっきり「すみません。」とかそんな謝罪の言葉をかけてくれると思ってた。というか、普通そうするだろ。
だが、そんなことでうるさく言う俺ではない。
「それって、どういう意味ですか?。」
俺はしっかりと返答をした。
「そのままの意味です。何故、貴方のような新人の冒険者がBランクのベテラン冒険者に勝てるんですか!」
「いや、俺の武器の方が相手の武器よりも強かったてことじゃないですか?
見たところ相手の使っていた剣は“アイアンソード”でしたし、俺が持ってる“プラチナソード”の方が性能はいいはずですから。」
受付の人への説明で説明でこの策を使うとは思わなかった。これでもう問題ないだろうと思ったが、ここで予想外の言葉が返ってきた。
「いえ、性能が少しだけ上の剣では一撃で相手の剣をおるなんてことはできません。そんなことをするには、最低でも剣術スキルのレベルが50でもなければできません。」
今度こそ追い込まれた。この受付の人はどこまで俺を怪しんでいるんだ。俺はこの人が俺のことを本当に心配してくれていたのか疑いたくなった。
しかし、このままでは本当にまずい。怪しいという理由でギルドの“ブラックリスト”なんかに記入されたらたまったものじゃない。さて、どうしたものか。
「黙ってないで答えてください。」
もう、あまり待ってはくれなそうだ。
「……分かりました。実は俺が剣を簡単に破壊できた理由は“ユニークスキル”を使ったからなんです。」
「“ユニークスキル”ですか。」
「はい。じゃあ試しに俺の剣にその能力を使います。それで、破壊できたら信じてもらえませんか?」
「…わかりました。」
「ありがとうございます。」
俺は自分の手に薄〜〜〜〜く魔力をまとわせ、いかにもスキルを使っているように見せ、剣をこれまた軽〜〜〜〜く叩いた。
バキィーーン!
当然のように剣は折れた。俺が受付の人の方を見ると、驚いた顔をして剣を見ていた。
まあ、素手で剣を折ればそれは驚くだろう。
「これで信じてもらえますか?」
「は、はい。」
よかった。これでようやくギルドから帰れる。
「あの…。」
「? 何ですか?」
まだ何かあるのかと思い、俺は少し身構えてしまった。
「すみませんでした。」
「え?」
「その…、先ほどまでの行動についての謝罪です。実は私はギルドの職員になってからまだあまり日が経っておらず、まだまだ新人何です。そんな私の浅はかな経験では言葉の真偽を見抜くことが出来ず、必要以上に質問してしまいました。
あなたのように新人冒険者がベテランの冒険者に勝る実力を持っていたことは過去にも例はいくつかあるんです。しかし、私はそんなことが実際に起きても信じることが出来ませんでした。本当にすみませんでした。」
そう言って、受付の人は深々と頭を下げた。
この人はとても仕事熱心で優しい人なのだと俺は思った。
「気にしないでください。こちらの説明で不十分な点もありましたし、お互い様ということで。」
「…ありがとうございます。」
「こちらこそ。」
そう言って俺は今度こそギルドを後にした。気づけば、ギルドに行く前には真上にあった太陽がもう沈みかけている。
「もう、そんな時間か。でも、結局ギルドで依頼も受けてないし、金も手に入ってないな…。」
そう、元々のギルドに行った理由はギルド登録と依頼を受けるなどをして、金を手に入れることだったのだ。
「今日は野宿か…。」
そんなことをつぶやいていると、『アザトース』に反応があった。
「何だ?」
確認してみると『ヨグ・ソトース』がピックアップされていた。ピックアップされているということは何かに使えるということだろう。
しかし、いったい何に使うのか。
「『ヨグ・ソトース』の能力は確か、時空間の掌握だったよな…。ということは、別の空間につないで部屋を作れたりするのか?」
俺は路地裏に回り、早速作業を開始した。まず、別の空間=別次元と今いる場所に転移門を作る。ちなみにこの転移門には俺しか通れないようにした。
そして、その空間で部屋の形になるように結界を張る。
そうしたら、その結界に色をつけ、壁や床のようにし、『ジュブ・二グラス』で作った家具を置いていく。
制作時間わずか5分。あっという間に俺の寝泊まりできる部屋ができた。
「我ながらいい出来だな。」
その言葉の通り、なかなかの出来前だ。
転移門を通るとまずは玄関に転移する。そうして、玄関から廊下を進んでいくと、そこにはリビング・(必要性ほぼゼロの)キッチンがある。また、廊下の途中にある部屋は寝室、和室、さらには浴室まである。
「もう俺ここにずっと住んでようかな…。でも、それはさすがに暇だよな。それに、俺はこの世界の神を殺さなきゃいけないんだよな。」
ベットに横になりながらそんなことを言っていた。
「まあ、神を殺すのは居場所がわかんなきゃ無理だし、とりあえずは“フォートレス”の街を拠点に行動するか。」
俺は今後の方針を決めた。
「よし、じゃあ今日はやることないし、久しぶりに寝るとしますか。」
なにをするにしても、とりあえず明日にすることにして、その日はもう寝ることにした。
「おやすみなさ〜い。」
つい最近評価をしてもらいました。とてもとても嬉しかったです。ありがとうございます。
また、ブックマーク数も着実に増えてきています。まだまだ遠いですが、とりあえず100まで行けたらいいなと思っております。
これからも「気がついたら魔神でした」をどうぞ宜しくお願いします。