気がついたら決闘してました
スキルについて少し修正をしました。
スキル<エクストラスキル<ユニークスキル
<マスタースキル<ソーズスキル
ちなみに、勇者たちが持っているスキルはユニークスキルのままです。
何でこんなことになったんだ…。
俺は今、ギルドの地下にある決闘場と呼ばれる場所で、いかつくて、ハゲで、ヒゲが伸び放題になっている男と向かい合っていた。どうやら、本当にこの男は俺と決闘をするつもりらしい。
馬鹿なの?死にたいの?こんな奴が俺と戦って助かるわけないじゃん!
そんなことを心の中で叫んでいると、男は自信ありげに言ってきた。
「まあ、新人に本気出すほど俺は落ちぶれちゃいねえ。手加減くらいはしてやるよ。細かいルールもお前が決めていいぞ。」
その言葉をそのまま返してやりたかった。
「そ、そうですか。じゃあ、そうさせて貰います。」
俺はルールを考える…。まあ、どんなルールにしても俺が勝つのは間違いないだろう。しかし、やり方によっては怪しまれ、最悪また決闘を申し込まれるかもしれない。そんな面倒くさいことは断じて避けたい。
俺は真剣に考えた。そして考えること5秒(“光速思考”を使用したので実際はもっと考えていた。)。まさに、この状況を打開するのにぴったりの案を思いついた。
「じゃあ、先に相手の武器を破壊した方が勝ちってことでいいですか?」
この方法こそ相手を傷つけずに勝つことのできる最善の方法だ。
気絶させたら勝ちというのも考えたが、殴って気絶させるにせよ、蹴って気絶させるにせよ、初めての人との戦いでそんな恐ろしいことはできないし、“威圧”するとしても、さっきのナンパ男のようにビビられては後々面倒なことになりそうだ。
そんな事を考え、俺が導き出した方法が武器破壊だ。武器破壊をした方が勝ちというルールなら、俺が勝っても
「たまたまですよ。」
とか
「俺の持ってた武器の方が高性能だったってことですね。」
と言うふうに言い逃れもできてしまうのだ。こんなに完璧な作戦が他にあるだろうか。いや、ない。
「どうですか?」
俺は再度、男に確認した。
「まあ、おめえがそれでいいってならそれでいいぜ。」
そう言うと男は剣を構えた。俺はその剣を『鑑定』系のスキルを使用する。ステータスを見るのではないため、『アブホース』は使えなかった。
【アイアンソード】
レア度2
【特殊効果】
なし
男の構えた剣のレア度は2だった。このくらいならどうにかなりそうだ。
俺は武器を構えようとしたが………。
あれ?俺って武器持ってたってけ?…………。あ、持ってないや。
ここにきてまさかの誤算だった。俺は武器なんて持ってなかった。そして、この街に来て武器を買うなんてことしていない。俺は危機的状況に立たされてしまった。このままではこの男の命が危ない。
「おい、早くしろ!!ちんたらしてんじゃねえよ!!!」
「ちょ、ちょっと、待ってください。剣を上の階に忘れてきてしまったので、その……とってきていいですか?」
「何やってんだ。さっさとしろよ。」
俺は急いで上の階に向かうふりをして、階段の途中で武器を作ることにした。
どうやって作るのかだって?そんなの『アザトース』を使ってに決まってる。
俺は武器を作るためのスキルを探す。するとすぐにスキルがピックアップされた。俺はそのスキルを確認する。
マスタースキル『ジュブ・二グラス』
今回は聞いたことのないスキルだ。果たして、どう言った能力なのか?
『ジュブ・二グラス』・・・繁殖・生産の掌握。
きっと、このスキルも性能は桁外れに違いないはずのだが、俺は慣れてしまったのか驚くこともなかった。慣れとは恐ろしいものだ。
俺は早速『ジュブ・二グラス』を使い武器を作った。
【プラチナソード】
レア度3
【特殊効果】
なし
これで問題ないだろう。
俺は階段を下り決闘場へと戻った。
「すみません。待たせてしまって。」
「いや、ビビって逃げなかっただけマシだ。」
俺たちは早速、剣を構えた。
「おめえからこいよ。」
そんな恐ろしいことできるわけない。
「いや、いいです。お先にどうぞ。」
「……後悔しても知らねえぞ。」
男はそう言うとこちらに向かって走ってきた。きっと、この世界の人間から見れば、この動きはそこそこ速いのだろう。
しかし、相手が魔神では話は別だ。
男は剣を振り下ろし俺に斬りかかるが、
ガキィーン!!!
俺は初撃で男の剣を折った。
「俺の勝ちですね。」
「…………。」
よほど自分が負けたのが信じられないのか、固まってしまった。よく見ると、周りの奴らも固まっていた。ただ、武器を壊しただけなのに大袈裟な奴らだ。
「じゃあ、俺もう帰りますね。」
「え?あ、ああ…。」
俺は固まっている男たちを放置し、決闘場を後にした。
いつも、「気がついたら魔神でした」を読んでいただきありがとうございます。
最近、初めて意見・感想をいただきました。初めてということもあって嬉しかったです。
次は、読者に評価されることを目指して頑張ります。
読みにくいなどあるとは思いますが、これからもよろしくお願いします。