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席替えです、はぁ……

 時間がそこそこ飛びます、五月です。新しいクラスに慣れるかなー、まだかなーといった時期ですね。あたしは、まあまずまずといったとこでしょう。

「今日はお待ちかね、席替えをしようと思う。最初だから公平を期してくじ引きだ!」

 熱血、竹下先生がなかなかに先生らしからぬテンションで言い放ちました。熱いです、どうでもいいです。

「せっかく仲良くなれたのに、まだ席替えして欲しくないかな……」

 こんな可愛い事を言ってくれる子はあたしの隣の席で委員長の保志由実さんです。大分打ち解けてかなりフランクになってくれてます。なんだか、真面目な委員長というかは放っておけない妹的なキャラだったようです。あたしは一向に構いませんが。

 ちなみに呼び方がいいんちょーに変わりました。うん、ひらがな具合でとってもいいんちょー加減を表現できていると思います。

「ほんとだよなーっ、まあ席が離れてもこれからもよろしく頼むぜお二人さん!」

 チャラは呼んでいません。お呼びでないです、放っておきましょう。

「だよねー、でも同じクラスだし気軽にいってみよー」

「そうだよねっ。ん、でも怖いなー」

「大丈夫、いいんちょーならいけるって」

「俺も、次の席うまくなじめるかなー」

 いいんちょーとアイコンタクト。タイミングを合わせて同時にシッシと追い払う手振りをします、ため息をつきながら。

「ひでーっ」

 知りません。

 余談ですが、チャラは吹奏楽部。あたしは帰宅部で保志さんは美術部に入りました。チャラは本当にどうでもいい情報ですけれど。

 こんな話をしている間に先生がクジを作り終えたようです。あみだくじですね、あたしと正反対の外窓側前方からクジが回っていきます。余り物には福がある、福が無いと不平等です。

 ちなみに今の時間は、HRで一時間とる授業の一環でクラスの決めごとや道徳的な事をする授業らしいです。四十人もいるとそこそこ時間もかかるのでその間、竹下先生の激励のお言葉が教室に響き渡ります。とっても熱くてしんどいので割愛しましょう。


 割愛したので席替えが始まります。

「いいんちょーと結構距離あるね……んー、お元気で」

「雪沢さん、離れてもよろしくねっ」

 ちょっと大げさな別れの言葉を交わして、あ、チャラは何か言ってましたが無視しました。席を移動させます。あたしはなんと外窓側の端、後ろから二番目。かなりの当たり席です。これで授業の暇が少しは、いえ、なんでもありません。

 席を移動し終えて一息、

「やほー」

 後ろから声がかかりました。

「あー、入学式の時の」

「実香奈、早波実香奈だよ? 覚えてないかなー?」

「そうそう、実香奈。え、後ろ?」

「うわー露骨に嫌そうな顔……ひどいなー」

 いやーだって、ね? なんだかすごく疲れそうですし、しょうがないですよね。ええ。

「いやー芽羽ちゃんとはまた会う気がしてたんだよ、あたしの勘は良くあたるからね!」

「何そのどうでもいい勘。とゆーか同じクラスなんだからまた会うというか毎日あってるじゃん」

 なんだか実香奈を相手にすると敬語を使うと負けた気がします。なんででしょうね?

 実香奈がなんだか得意げな顔でニヤニヤと笑っています、気持ち悪い。

「ふふんっ。また会う気がしたから特別声掛けなくてもいいかなって思ったんだ! どう?」

「どうって言われても……、まあこれからよろしく」

「素直になってもいいんだよ? よろしくよろしく」

 という訳で、これから大変そうです。

 いい忘れてましたが、保志さんは真ん中の前から二番目の席ですね、文句無しのはずれです。ああ、御武運を……。ああ、チャラは対角線で正反対です。真ん中先頭だったらよかったのに。

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