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第十話:未知のカニ帝国へ

 カニ帝国艦は無慈悲にフェイザーを発射する。エネルギーもない、シールドもないエクセルシオールは直撃すると致命打になるのは明白だった。

「おしまいか」

 ゲンがつぶやく。

 刹那、ゲンは神秘的な森の中にいた。森には湖があり、そこに一匹のカニがいた。

「これはお前たちの終わりではない」

 預言カニが言う。

「これは我らの終わりだ」

「どういうことだね」

「お前たちはあまりにも直線的すぎる。もはや破滅は逃れられない」

 ゲンは預言カニに近づいた。

「逆に過去と未来に束縛されないあんたたちなら何とか出来るんじゃないか」

「直線的な人類と直線的なカニはぶつかり合った。衝突は起き、大量の水素は撒かれ我らが棲家は崩壊する」

 景色は変わった。今度はトンネルの中だ。消火栓の中からカニが出てきた。

「だったら衝突しないように過去を書き換えるとか……」

「我らは干渉しない」

「じゃあどうしてこうして俺に話しかける!」


 スクリーンには1隻もカニ帝国艦が映っていなかった。どうやら預言カニはやってくれたらしい。

「残りのエネルギーを全てスラスターに。ワームホールを脱出する」

 しかし、ワームホールを脱出して直ぐ、控えていた国連宇宙開発部の船にエクセルシオールは拿捕されたのだった。


 ザードの見つけた部屋はやはり思った通りカニ帝国への入り口だった。ザードはニヤリと笑い、扉の厳重な封印をフェイザーガンで焼き切り、海底に通じる階段を降り始めた。

 途中、見かけるのは小さな蟹だった。それらをフェイザーガンで焼き殺しながら進む。進むうちにやがて一つの部屋に出る。そこには培養器があり、その中でカニが成長していた。カニの戦士を生み出す施設に他ならなかった。

「ドミニオンがふざけるな」

 言いながらザードは装置を壊す。そうすると培養器のアクリルポリマー製の蓋は開き、中から成長途上のカニが出てくる。ザードは右も左も分からぬそれを踏み潰し殺した。

「そこで何をしている」

 ザードは背後からカニ語で話しかけられる。

「これはこれは。失礼失礼。醜いカニ達よ」

「捕まえろ!」

 ザードはカニの衛兵に向かって突っ込むと、ジャンプしてカニをかわし、部屋の扉から逃げ出した。


 ザード一人に対して大量のカニ。状況は極めて不利だった。カニは汚染水で進化したという。逆に言えば汚染された場所じゃないと行きられないように適合したということだ。

「人類とカニが手を組むなど妙だと思っていたが、だんだんからくりが見えてきたぞ」

 カニ帝国内部を慎重に、しかし大胆に進みながらザードは言う。


 拿捕されたエクセルシオールはトラクタービームで捕捉されていた。士官は全員国連宇宙開発の船であるサザンクロスに転送され、尋問を受ける。しかし。

「カニレイスとは何のことだ」

「カニレイスを見たはずだ」

「それに預言カニとも接触した。そして更にその力でカニ帝国艦を違法に消滅させた」

「……合法的な消滅とは一体」

 尋問内容はどれもクルーの身に覚えのないものばかりだった。

 そんな中、ワイズマンだけは相手の質問を分析し、自ずから答えにたどり着いた。

「なるほど。預言カニとカニレイス……神と悪魔ということですか……」

 周囲に聞こえないようにワイズマンはそうつぶやき、その答えを脳裏に焼き付けた。

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