出会い
美形を書くのは
絵でも小説でも大変です(笑)
「次、向井葵さん。」
「はい!」
葵は勢いよく跳び箱を飛び越えました。
ここは聖和学校。どちらかというと女子が多いエスカレーター式の高校です。
木々が立ち並び、
「おはよう。」
「おはようございます。」
と丁寧に挨拶を交わす中、小鳥の囁きが聞こえ、近くには綺麗な小川が流れていました。
「おはようございます。葵さん。」
千秋が言いました。
「おはよう千秋。今朝も早いね。また図書館の朝の清掃?」
葵が挨拶を返しました。
「ええ、この所、1年がサボってばかりで、全然片付かないんですの、困ってしまいますわ。」
「そっか、大変だね。私は体育委員だから関係ないけどね。」
あはは、と葵が笑って言いました。
「おはよう、向井さん、千野さん。」
爽やかに葵と千秋に挨拶をしてきたのは、クラスでも数少ない男子の吉原拓也でした。
拓也は黒い学ランに身を通し、茶色のさらさらした髪を風に少しばかりなびかせていました。
「千野さん、今日の放課後、ちょっといいかな?委員会の事で話があるんだ。向井さんには悪いんだけど・・・。」
拓也がゴメン、と手を合わせて言いました。
「あ、私の事なら気にしないで、もうこの年だもん、1人で帰れるから。」
学校の帰り道、葵はルンルンと水たまりを避けながらスキップして帰っていました。
1人で帰るのが久しぶりで少し心地よく感じていたのです。
バサバサバサ
上を見るとやけに綺麗な鳥が飛んでいるのが分かりました。
その鳥は銀色の体をしており、足には金色の、人間がはめる指輪をしていました。
葵はその鳥をどうしても追いかけなければいけない気がして足を走らせました。
辿り着いたのは、やけに古ぼけた神社でした。
周りは落ち葉に埋め尽くされていました。
その中、奥へと進んで行くと、大きな御神木の前に誰か男の人が立っているのが分かりました。
「人だ。」
水色の髪をしたその人は、横顔だけでも綺麗な事が分かりました。
男はチラリと葵の方向を見ると、こちらにやって来ました。
銀色の光る鳥・・・
う~ん、
本当にいたら高そうですよね