夢
僕と君との今昔未来。
僕は泣いていた。
なぜだかわからない。
でも涙が止まらないんだ。
「どうしたの?大丈夫?」
君は心配そうに僕の顔を覗き込む。
「……夢を見ていた。ありえない夢を」
「どんな夢?」
「…もう1人の僕が、君を殺す夢。しかも1度じゃないんだ……何回も見る」
「…変わった夢ね。でも大丈夫、私は何があっても死なないから」
そう言って君は少し笑った
「……ありがとう」
それから、
「ねぇ、この前言った喫茶店のジュース、美味しかったよね!また行きたいな~」
「…喫茶店?」
「えっと、2日か3日前くらいに行ったよ。覚えてない?」
「……覚えてない」
それからも
「この前はプレゼントありがとう!すっごい嬉しかった!」
「私の好きな花…送ってくれてありがとね」
「今日一緒に行くって言ったじゃん~」
身に覚えのないことばかり起きる。
「ねぇ……大好きだよ」
君が好きなのは、どっちの僕ですか?それとも、2人とも好きなのですか?
いつからか、君を見ているとなぜかイライラして、訳が分からなくなって。君を殴って、蹴って、引っ張って、削って、泣いて、笑って、いろんなことをして、それでも君は笑ってくれた。
謝りたいのに言葉が出なくて、それでも君は僕を愛してくれて、笑って許してくれて、その笑顔に僕は癒されるんだ。
それでも君といるとなぜか君を傷つけてしまって、悲しくて、つらくて、苦しくて、恋しくて、自分がいなくなるような感じがする。
「大丈夫、大丈夫だから」
君はそう言って笑ってた。
でも現実というものは残酷で、僕たちはわかれた。いや、わかれさせられた。
そりゃそうだよね。入院までしてるんだから、君が大丈夫だといっても、周りの人はそうは思っていない。
君と別れて、悲しくて、泣いて、泣いて、泣いて、いっぱい泣いて、たくさん泣いて、僕の何かが変わった。
目が覚めたら白い場所。
何もない。
でも、誰かいる。
それが誰だかわからない。
でも気配は感じる。
「君は誰?」
『……』
「ここは夢?」
『……』
「精神世界ってやつ?」
『……』
「何も答えないんだね」
『……』
「僕は見た夢は君が見せたもの?」
『……』
「それとも予知夢ってやつ?」
『……』
「答えない…まぁいいよ。大体はわかるし」
『……バイバイ』
「!……バイバイ」
もうすぐ夢から覚める時間が来る。
この夢が覚めたとき、僕は僕でいるのだろうか。
僕は、もう1人はどうなるのだろう。
結末はどうなるのだろう。
それはまだわからない。
まだ、知らないのだから。
さぁ、目を覚まそうか。
願わくば、これが君と僕とのハッピーエンドにつながりますように……。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。
トーヤ




