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もう1人  作者: トーヤ
5/5


僕と君との今昔未来。


僕は泣いていた。

なぜだかわからない。

でも涙が止まらないんだ。


「どうしたの?大丈夫?」


君は心配そうに僕の顔を覗き込む。



「……夢を見ていた。ありえない夢を」



「どんな夢?」




「…もう1人の僕が、君を殺す夢。しかも1度じゃないんだ……何回も見る」




「…変わった夢ね。でも大丈夫、私は何があっても死なないから」



そう言って君は少し笑った




「……ありがとう」






それから、


「ねぇ、この前言った喫茶店のジュース、美味しかったよね!また行きたいな~」




「…喫茶店?」



「えっと、2日か3日前くらいに行ったよ。覚えてない?」




「……覚えてない」







それからも





「この前はプレゼントありがとう!すっごい嬉しかった!」




「私の好きな花…送ってくれてありがとね」




「今日一緒に行くって言ったじゃん~」




身に覚えのないことばかり起きる。




「ねぇ……大好きだよ」



君が好きなのは、どっちの僕ですか?それとも、2人とも好きなのですか?






いつからか、君を見ているとなぜかイライラして、訳が分からなくなって。君を殴って、蹴って、引っ張って、削って、泣いて、笑って、いろんなことをして、それでも君は笑ってくれた。

謝りたいのに言葉が出なくて、それでも君は僕を愛してくれて、笑って許してくれて、その笑顔に僕は癒されるんだ。

それでも君といるとなぜか君を傷つけてしまって、悲しくて、つらくて、苦しくて、恋しくて、自分がいなくなるような感じがする。



「大丈夫、大丈夫だから」



君はそう言って笑ってた。













でも現実というものは残酷で、僕たちはわかれた。いや、わかれさせられた。

そりゃそうだよね。入院までしてるんだから、君が大丈夫だといっても、周りの人はそうは思っていない。

君と別れて、悲しくて、泣いて、泣いて、泣いて、いっぱい泣いて、たくさん泣いて、僕の何かが変わった。






目が覚めたら白い場所。

何もない。

でも、誰かいる。

それが誰だかわからない。

でも気配は感じる。



「君は誰?」



『……』



「ここは夢?」



『……』



「精神世界ってやつ?」



『……』



「何も答えないんだね」



『……』



「僕は見た夢は君が見せたもの?」



『……』



「それとも予知夢ってやつ?」



『……』



「答えない…まぁいいよ。大体はわかるし」



『……バイバイ』



「!……バイバイ」




もうすぐ夢から覚める時間が来る。

この夢が覚めたとき、僕は僕でいるのだろうか。

僕は、もう1人はどうなるのだろう。

結末はどうなるのだろう。

それはまだわからない。

まだ、知らないのだから。





さぁ、目を覚まそうか。



















願わくば、これが君と僕とのハッピーエンドにつながりますように……。



最後までお付き合いくださりありがとうございました。

トーヤ

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