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『世界は美しさに満ちている』

警戒する気持ちは解るよ

必要なら、僕を人質にしてくれても良い

君になら出来るだろ?


だけど解って欲しいのは、僕は君を助けに来たんだ


多分、これまで人間に脅かされてきたんだろう?

僕もだよ


そんなに驚くことかな?


ほら、この脇腹の傷………

銀の武器で刺されると、こんな醜い痕が残るんだ

僕は、君にはこんな目に遭って欲しくない


意外に思うかも知れないけど、都市には僕たちのような者にも住む場所が在って、仕事に就く事すら出来るんだ


……血かい?

訓練すれば、飲まなくても生きていけるよ

僕に出来たんだから、君だって出来るさ



あー………


そうだよね

そんなに直ぐは信用出来ない、それは当然だと思う


じゃあ、これをあげる

このナイフは刀身が銀で出来ているから、刺せば僕は無事では済まない


なんなら、いま僕に刺してみる?

こうやって刃を当てて………んっ……


ほらね……

僕は、抵抗しなかっただろ?




なんで泣いてるの?


……そうか


待って、少し苦しいかも……




……ああ、落ち着いた


とにかく、僕を信じてくれたなら、表に止まっている馬車に乗ると良いよ


都市は君を歓迎する

僕は人間ではないけど、人間を代表して君にそれを伝えるよ


そんなに泣かないで

本当に平気だから……


君、優しいんだね

そうした優しさは、都市では皆にとても好まれると思うよ


僕はもう少ししたら立てるようになるから、先に行っててよ


……『ありがとう』?

そんなのいいよ

ほら、直ぐお行き


僕の方こそ、ありがとう……




………あの子は馬車に乗った?


良かった……

任務完了


ほらほら、みんな出て来て……!!


はあっ、はあっ…………


ああ、こんなの平気だよ

だって君が治療してくれるだろ?


本当にお金持ちで良かったよ……

こんな死ぬような傷だって、ギリギリの所で治して貰えるんだもんね


あの子って、簡単に騙されたけど、顔だけは本当に良かったね

金貨何枚で売れるだろう………

今から、もう楽しみじゃない?


今夜は僕に、みんなに奢らせてよ

なんなら、店に居た他の人全員にも奢っちゃおうかな



……えっ、『同族を売って心が痛まないのか』って?


あー……

君は新入りだったね


例えばさ、僕が改心して教会で奉仕活動でもしたら、まともな市民権を本当に得られるとでも思うの?


それとも、君が僕に家でも買ってくれるわけ?



白ける話は止めようよ


それより、今夜は限界まで飲もう

子供を売り飛ばした金で飲むお酒は、美味しいよ?

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